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日経記事;"テルモ、オリンパスに統合提案 ソニーと争奪"考察

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経営コンサルタントの活動 アライアンス(連携・提携)支援

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月26日付の日経新聞に、『テルモ、オリンパスに統合提案 ソニーと争奪』のタイトルで記事が掲載されました、

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『医療機器大手のテルモはオリンパスに対し、共同持ち株会社方式による経営統合を提案した。26日に発表する。

財務基盤の強化を急ぐオリンパスは、ソニーから約500億円の出資を受け入れる方向で最終調整しており、内視鏡やデジタルカメラでの協業内容を詰めている。テルモは経営統合の提案内容を公表し、オリンパスの株主らの支持を取り付けて巻き返す狙いがある。

東証1部上場企業がM&A(合併・買収)に際し、合意前に統合提案を公表するのは異例。提携交渉で先行するソニーに対抗し、どちらがオリンパスの企業価値向上につながるかを株主に問いかける。オリンパスは慎重に検討して提携先を決める方針だが、ソニーがなお優位とみられる。

テルモはオリンパス本体への500億円出資と、両社で統合を協議する委員会の設置を提案した。共同持ち株会社の下に事業会社のテルモとオリンパスを置く形を想定している。テルモは現在、オリンパスに2.1%を出資している。追加出資が実現すれば15%弱の筆頭株主となる。

オリンパスとテルモの医療機器の売上高はそれぞれ世界15位程度。経営統合すれば単純合算で8位に浮上する。テルモは心臓血管治療などに使うカテーテルが、オリンパスは消化器の診断などに用いる内視鏡が強み。得意な製品が重複しておらず、テルモは相乗効果が高いとみている。

一方、ソニーはオリンパスに約500億円を出資したうえで、内視鏡分野で共同出資会社を設立する交渉を進めている。オリンパスの内視鏡に、ソニーの画像センサーや映像技術などを組み合わせ、事業を強化する狙いだ。

両社は資本・業務提携に向けて社内に専門チームを設立し、情報交換を進めている。オリンパスの経営課題である赤字のデジカメ事業での連携も探る。ソニーはテレビなど主力のエレクトロニクス事業が不振で、オリンパスとの提携を通じて医療機器市場を開拓する。

オリンパスは過去の損失隠しによって、財務の健全性を示す自己資本比率が3月末時点で4.6%と大幅に低下している。2017年3月期までに30%以上に高める計画で、他社との資本提携を通じて財務体質を改善する。

提携先には富士フイルムホールディングスやパナソニックなども名乗りを上げたが、オリンパスはソニーを最有力候補に絞って交渉中。テルモは医療機器分野での統合効果の高さを訴え、ソニーとオリンパスの交渉にくさびを打ち込みたい考え。』


オリンパスの提携については、本ブログ・コラムで何度か取り上げてきました。にオリンパスは、6月22日ソニーと約500億円の資本受け入れで最終調整していることを明らかにして早急に具体的な連携スキームを検討・構築するとしていました。

今回、しょうしょう突然に、テルモは、医療分野での事業強化を行うため、ソニーが出すとされる出資金、500億円と同額の金額を出資し、両社共同で経営統合する案を発表しました。

テルモからの情報では、両社統合で世界シェア8位の医療メーカーになれるとのこと。ちなみに両社の順位は、それぞれ世界15位程度とされています。

オリンパスにとっては、連携;アライアンス相手の選択肢が増えますので、ソニーとの交渉に有利なカードを持つとする見方もあるようです。

オリンパスの視点でみますと、医療及びデジカメ事業の両分野で世界市場の勝ち組になるために、どの事業のスキームが最も的確かという判断が重要です。

記事によると、オリンパスはデジカメ事業の再強化を最優先課題にしています。この観点からみますと、テルモと経営統合してもデジカメ再強化には何の貢献もせず、将来的には集中と選択の対象となって事業撤退か事業売却の対象になる可能性があります。

デジカメ事業分野では、ソニーとの連携で最先端の技術習得に加えて部品の共同調達などを通じて生産コストを削減し、採算の改善を見込める、メリットがあります。

テルモの経営統合の目的は、医療分野の拡大と競争力強化です。従って、経営統合後は医療関連に経営資源を集中し、勝ち組になるための努力を行う必要がありますし、そうしなければ統合の価値が発揮できないためです。

オリンパスがソニー或いは、テルモのどちらの企業と連携するかは、デジカメ事業の扱いの優先度によるとみています。

片一方、同日付の記事によると、テルモは欧州、オリンパスは米国での医療機器の営業に強い。海外市場の開拓でも効率よく進められる可能性が高い。

オリンパスが強い内視鏡やテルモが得意なカテーテルといった患者の体をあまり傷つけず治療する機器の需要は世界的に高まっている、とされています。

医療分野での重なる分野が少なく、両社の強みを持ち寄れる利点があるようです。

医療市場は、国内だけでなく世界の成長分野です。政府も新規事業分野の一つとして医療を上げています。

医療分野の世界市場で勝ち残っていくには、最先端の医療機器を持ち続けることが必要です。以前の記事で、オリンパスがソニーとの提携に強い関心を持った理由の一つに、オリンパスの主力の内視鏡事業でソニーの最新鋭の高精細画像センサーを内蔵する新製品開発などを加速できるとされていました。

オリンパスは、今回の経営統合について早急に結論を出して、株主や取引先に説明する必要があります。

オリンパスは、判断基準を明確に、且つ、シンプルなものにして、連携;アライアンスや経営統合の判断を合理的に行うことが非常に重要です。

世界市場で、医療及びデジカメ事業(もし継続するならば)の両分野で勝ち組になるための必要条件から判断すれば良いのです。

仮に、オリンパスがソニーとの連携;アライアンスを選択した場合、その後に、是々非々ベースで医療分野でのテルモとの連携強化や資本提携もありえるとみています。

三者には競合する分野が少ないからです。

オリンパスの経営判断に注目していきます。中小企業にとって連携;アライアンスを勉強できる良い事例になるからです。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

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