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地盤改良の必要性と価格帯

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●免震構造住宅

地盤改良についてお問い合わせが多くなっています。何故必要なのでしょうか?またどの辺が目安なのでしょうか?

基礎と並んで地盤改良が地震対策の決め手になりつつあります。しかし、地盤改良を住宅レベルにまで施す様になってまだ日も浅く、その必要性も価格帯が浸透していません。
地盤改良が最近になって何故注目されているのでしょうか?

【地盤改良の必要性】
木造住宅の重さは平米当たり概ね1.5tonから2.0ton程度です。この事から建物の自重を支える事の出来る地盤は3.0ton/㎡程度以上とされてきました。しかし、建築確認申請には、地盤の強さ(地耐力)を検証する義務が無いのです。建築基準法では、建築確認申請が下りれば建築しても良い事になっていますが、地耐力については施工業者の判断に委ねられ、公的な監視の目に留まる事無く建てられて来ました。
平成14年「住宅の品質確保促進に基づく法律」(品確法)の制定により施工者に10年保証が義務化されるようになり、その担保として瑕疵保険に入る業者が増えました。その瑕疵保険に入る条件に地盤調査が含まれたのです。地盤調査をして地耐力の検証をしなければ保険に入れませんので、地盤調査を数多く行うようになりました。
そこで、だんだんと判ってきたのが、軟弱地盤の多さです。誤解を恐れず大まかに云いますと、沖積平野の殆どは地耐力が3.0ton/㎡未満だったのです。もっと平たく云えば大阪市や大阪市周辺衛星都市の殆どは地耐力が3.0ton/㎡未満です。
平成14年までの建物は、殆ど地盤調査を受けていません。まして地盤改良もしていません。地耐力3.0ton/㎡未満でそのまま家を建てるとどうなるのでしょうか?建てた当初は何も起こりません。起こっていればそれまでに大問題になっています。でも安心と云う訳ではありません。10年15年と住み続ける間に徐々に家が傾き始めます。不同沈下が起こるのです。不同沈下は急激な現象ではありません。徐々に起こります、「最近、戸が閉まりにくくなった」「引き戸を閉めても隙間が残る」そう云った現象が起こるのは10年以上経過してからです。平成14年以前はそんな現象が起こっても「建物が古くなってきたから」で済まされていた現象です。
品確法が制定されて10年が経ちますが、立て付け不良の建具のメンテナンスは激減しています。地盤改良を施すと、不同沈下を抑える事が出来るのです。
また、地震の様な急激な揺れに対しても地盤改良は効果を発揮します。軟弱地盤と強固な地盤では、同じ大きさの地震でも揺れている時間の長さや、揺れの大きさが異なるのです。

【価格帯は?】
地盤改良は工法によって値段が異なります。木造住宅の場合、表層改良・柱状改良・杭工事の三つのタイプに分かれます。
表層改良の費用の目安は基礎1㎡当たり1万円前後です。建物の直下全体を掘り返しますので、敷地に余裕が無いと隣家への影響が出ます。また、2mより深い位置に軟弱部分があると表層改良では効果が発揮されません。
柱状改良の費用の目安は、1㎡当たり12000円程度です。直径60cm程度の穴を地面に空け、そこに改良材と土を混ぜた改良土を充填して、基礎の下に均等に改良していく方法です。工法・マニュアルが完成しており、表層改良よりも確実な地耐力が期待できますが、5m以深の軟弱地盤には対応出来ません。
杭工事は、何処まで杭を入れるかによって値段は変りますが、1㎡当たり2万~3万円程度が目安です。割高なのがネックですが、最も安心出来て軟弱地盤の深度の影響もありません。

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建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。

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