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日経記事;"100円ショップのダイソー、物流に300億円投資"考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月19日付の日経新聞に、『100円ショップのダイソー、物流に300億円投資 全国に大型倉庫 配送2日以内、欠品防ぐ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『100円ショップ最大手で、「ダイソー」を展開する大創産業(広島県東広島市)は今後3年間をメドに300億円前後を投じて国内外の物流体制を見直す。

広島県内にしかなかった店舗への配送拠点となる大型倉庫を全国9カ所に配置。店舗への配送期間を発注後2日以内に短縮し、店頭での品切れを防ぐ。デフレで日用品や雑貨の価格低下が続く中、「100円」の優位性は薄れており、販売力を立て直す。

まず6月に埼玉県久喜市に延べ床面積約6万平方メートルと同社最大の倉庫を新設。7月末には大阪府泉大津市で同4万1250平方メートルの新倉庫が稼働する。それぞれ関東、関西地区にある店舗への配送拠点とする。

2カ所合わせた投資額は約100億円。来春には福岡県筑紫野市と広島県東広島市にも新倉庫を造る。

そのほか12月をメドに新潟市、来春には名古屋市の既存の倉庫をそれぞれ2倍に拡張するなどして、全国9カ所の大型倉庫で国内2600店をカバーする体制を整える。新増設する倉庫はいずれも自社保有で、出荷指示に応じた在庫品を選び取る自動倉庫となる。

海外生産地からの配送ルートも見直す。現在は中国などで製造した商品を、本社そばの東広島市の主力倉庫にいったん集約。その後、全国25カ所にある中小型倉庫を経由して店舗に運んでいる。

同社は国内の物流体制の整備に合わせ、中国・上海市の輸出拠点を大幅に増強した上で、国内の大型倉庫9カ所に直接配送するように切り替える。全国9カ所の大型倉庫で国内2600店をカバーする体制を整える。
 
こうした取り組みで、配送期間を短縮。これまで店舗の仕入れ担当者が商品発注してから到着まで2日から1週間程度かかるケースが多かったが、原則として2日以内にできるという。同時に通行費や燃料代が割高な国内配送を減らすことで、物流費の圧縮にもつなげる。

今後の海外出店増に備えた物流体制も増強する。中国やベトナムなど5カ所に倉庫を新・増設しアジアの成長を取り込む。中国・上海の拠点を増強するほか、4月に中国1号店を出店した広州でも新倉庫を7月末稼働する。ベトナムでは約10万平方メートルの倉庫を取得し、来年以降稼働する予定。

東南アジア向けとしてマレーシア、北米向けに米国・ロサンゼルス市でもそれぞれ倉庫の建設を検討する。海外は28カ国・地域に600店を展開しており、今後も出店を拡大する。

物流投資は総額300億円前後に上り、国内外の倉庫の総床面積を3年以内に現在の約33万平方メートルから3倍程度に増やす見通しだ。同社の2012年3月期の売上高は前の期比横ばいの3415億円。』


100円ショップは、バブル崩壊後の1990年代から低価格としての100円という判り易い価格が消費者に受け入れられ、人気を呼び市場拡大が続いてきました。

しかし、最近は100円ショップを展開する企業数が増えたことと、大手スーパーがプライベートブランド(PB:自主企画)商品を低価格で数多く出してきたことなどから、競走が激化してきました。

PBの価格には、100円未満の商品も多くなっています。100円ショップが登場したころは、安さと品ぞろえの多さにひかれて多くの人たちが店に行きました。

買う目的がなくても、100円ショップに行ってウインドウズショッピングを楽しむ光景も多くみられました。

その後、数多くの100円ショップタイプの店が登場したり、上記のように大手スーパーもPB品を中心に、安い商品を登場させた結果、既存100円ショップの希少性も薄れてきました。

また、コンビニもローソンなどが100円コンビニを多数出店し、客を集めています。

100円ショップは日常生活の中に溶け込んでいますが、安さだけでショップを訪れる客数は減少しています。

人口減少が進み始めていますので、顧客数は伸びない前提で事業展開を考え、実行する必要があります。

100円ショップを含めて、廉価版商品を取り扱う店舗数が多すぎるようになってきています。これから、淘汰が進むとみています。

加えて、ネット通販の伸長が大きな影響を与えるようになっています。スマホの高速普及もあって、多くの顧客はネット検索で情報を集め、更に、ネット通販で購入できれば店舗に行かないで買ってしまう割合も増えてきています。

限られた市場規模の中で勝ち残るには、残存者利益を確保する必要があります。徹底的な差別化・差異化で売上シェアを大きくし、他社の撤退を促すやり方です。

「ダイソー」は、物流体制を見直し、品ぞろえの多様さと各店舗への配送期間を発注後2日以内に短縮し、店頭での品切れを防ぐ仕組みを強化して差別化・差異化するやり方で勝ち残りを図ります。

このやり方は、ネット通販の最大手米アマゾンが強化しているのと同じです。アマゾンは、魅力的なWebサイトと、物流体制の効率向上を最大化して、ヤフーや楽天など他のネット通販会社と徹底的な差別化・差異化を図ろうとしています。

米国市場では、アマゾンはこのやり方で既存のリアル店舗事業を打ち負かしてきました。

ダイソーは、大手スーパーのPB品や100円コンビニなどのリアル店舗だけでなく、ネット通販との競争にも勝ち残りをかけて戦う必要があります。

大手スーパーは、ネット通販専門業者に対抗するために、各々ネット通販事業を強化してリアル店舗との融合で差別化・差異化を図ろうとしています。

当然のごとく、大手スーパーも物流体制を強化してきます。

ダイソーは、リアル店舗の魅力強化、と高効率の物流体制で勝ち残りを図るやり方ですので、ネット通販業者や大手スーパーなど競合他社以上のやり方を確立する必要があります。

多分、アマゾンは国内の既存流通の仕組みに挑戦する様な意義込みで国内事業を強化してきます。
大手スーパーなどは生き残りをかけて、物流体制の再強化を重点的に行います。

この事業環境下で、ダイソーが勝ち残ってくための仕組み作りをどう行っていくのか、今後の展開に注目しています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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