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日経記事;"日産の小型車 次期「ノート」、4割低燃費に"考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月17日付日経新聞に、『日産の小型車 次期「ノート」、4割低燃費に ガソリンエンジン、過給器で小さく ハイブリッドに対抗 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日産自動車は16日、小型車の「ノート」の次期モデルを公開した。ガソリンエンジンにスーパーチャージャー(過給器)を組み合わせた「ダウンサイジング(小型化)」と呼ぶ技術を採用。エンジンを小さくして燃費を4割高める一方で走行性能は維持した。欧州勢が先行した技術を日本の量産小型車に初めて活用することで低コスト化を実現し、ハイブリッド車(HV)に対抗する。

新型ノートは9月初旬に発売する計画で、日産自動車九州(福岡県苅田町)で生産する。

エンジンの排気量を現行モデルの1500ccから1200ccに小型化して過給器を組み合わせた新開発のエンジンを備えた。燃費は現行車が1リットル当たり18キロメートルだが、新型車は新型無段変速機(CVT)の採用なども合わせ同25.2キロと大幅に向上した。過給器を使うことで現行車と同等の加速性能を維持したという。

排気量1500ccで同35.4キロを実現したトヨタ自動車のHV「アクア」に比べると燃費性能は劣るが、価格はアクアより大幅に安くなる見通しで、消費者は選択の幅が広がることになる。

日産が同技術を採用したのは、ダウンサイジング技術が世界の大きな潮流となり始めたことが背景にある。独フォルクスワーゲン(VW)が先駆けて採用し、米ゼネラル・モーターズ(GM)や米フォード・モーターなど欧米の世界大手が主力技術に据えている。

欧米で普及が遅れるHVは電池などのコスト負担が重いのが課題。日産は電気自動車(EV)を最重要なエコカー技術と位置付けるが、2020年予測でも「EVは全体市場の1割程度」(日産のカルロス・ゴーン社長)。

EVで技術の先進性を訴求しつつ、ダウンサイジングやHV技術の要所も押さえ、市場にあった低燃費車を送り出す戦略だ。

16日記者会見した志賀俊之最高執行責任者(COO)は「新型ノートは世界で年35万台以上を販売し、中期経営計画達成に大きな役割を果たす」と強調。多目的スポーツ車(SUV)「キャシュカイ(日本名デュアリス)」や中型セダン「アルティマ」などと並ぶ、日産の量販車に育てる方針を示した。

新型ノートは新興国戦略の切り札として開発した低コスト車台「Vプラットホーム」を採用した第3弾でもある。日産は16年度までに同車台の採用車を3車種発売し、合計で100万台以上を販売する計画。

すでに同車台を採用した「マーチ」「サニー」は11年度に合計57万台を販売しており、ノート発売で目標達成に近づく。』

ダウンサイジング・エンジンは、エンジン排気量を小さくしながら、出力を維持する技術のこと。主に燃料を直接シリンダー内で高圧で吹き付ける一般的な直噴エンジンと、スーパーチャージャーなどの過給器を組み合わせる。直噴エンジンで燃焼効率を高めて燃費を向上しつつ、過給器でより多くの空気をシリンダーに送り込み出力を高める、とされます。

以前に、一定の排気量を持つエンジンで高出力を出すターボチャージャー付き自動車が人気を集めました。ダウンサイジング・エンジンも同じ考え方で、小さい排気量で一定程度の出力を出すやり方です。

独フォルクスワーゲン(VW)が2005年に主力車「ゴルフ」で実用化したのが先駆けとされています。

このエンジンの特徴は、排気量が小さいので低コストで自動車に実装できることです。欧州では、環境対応車に多くの関心が持たれていますが、HVやEVはまだ普及していません。

その要因は、価格の高さです。代わりに低燃費のディーゼルエンジン車の人気が高くなっています。

VWはそこに目をつけて、欧州市場でダウンサイジング・エンジン車をエコカーとして売り始めました。他の自動車メーカーにも広がりをみせています。

日産が、今回ダウンサイジング・エンジン車の採用を決めたのはその一環です。

VWや日産がダウンサイジング・エンジン車を投入するのは、新興国にエコカーとして売り込むためです。

新興国に売り込むには、低価格であることが最重要です。ダウンサイジング・エンジン車は、言わば既存技術の寄せ集めで作ることができますので、部品に新規開発要素がほとんどありません。低コストで生産可能です。

製造台数を増やせれば、量産効果が見込めますので、収益をあげながら更に低価格化できる可能性があります。

VWは、一番早く中国市場に注目し、現地化や低価格車の投入で市場拡大を続けています。新興国市場開拓のパイオニア企業です。

日産は、VWの後を追う形で低価格車で新興国市場の開拓を急いでいます。VWや日産は、強力なHV車を持っていませんので、ダウンサイジング・エンジン車で、エコカー車をアピールしつつ、低価格で市場を取るやり方です。

エコカーの観点では、ディーゼルエンジン車、ダウンサイジング・エンジン車、HV、EVの選択肢があります

HVとEVの最大の弱点は高価格です。バッテーを積んでいますのでその分コスト増になります。新興国市場にHVやEVを売り込む時の課題は、高価格対策が必要になります。

トヨタやホンダは、HVのコスト削減が大きな課題です。トヨタの場合、HVに関してBMW、フォード、マツダ、富士重工業などと提携しており、この提携をてこにに技術を供与し、量産効果HVのコスト削減を急速に行う必要がありますし、実行するとみています。

ディーゼルエンジン車の場合、欧州メーカーが先行しています。ここには国内メーカーの中でHVやEVを持たない、マツダが新型SUV「CX-5」で、新開発の低公害ディーゼルエンジンを搭載し、燃費は18.6キロメートルとHVを含めたSUVで最高を記録したと発表しています。

以前にもブログ・コラムで書きました通り、エコカー対応については、現時点で明確な勝者はありません。ディーゼルエンジン車、ダウンサイジング・エンジン車、HV、EVが当分混在しながら進んでいくとみます。

新興国市場での普及がポイントになります。どのメーカーも1社単独で全てのエコカー対応を取れません。開発投資が巨額になりリスクが大きいことによります。

ホンダを除くメーカーは各種提携で巨額開発投資を避けながら、事業を行っています。今後の動きを継続して注目していきます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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