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日経記事;"節電要請や電力高、海外シフト 背中押す"に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月16日付の日経新聞に、『節電要請や電力高、海外シフト 背中押す 金属加工や鋳物、国内操業は絞る』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『節電要請や電気料金値上げを受け、金属加工など大量の電力を使う中堅・中小メーカーが工場の操業を絞り、製品の一部を海外から調達して供給を維持する動きが出てきた。

自家発電装置を導入したり高い電気代を払ったりして国内で生産するよりも、アジア諸国から輸入する方がコスト面で有利との判断だ。厳しい電力事情が中堅・中小の「国内脱出」加速につながる可能性もある。

関西電力管内の節電目標は大飯原子力発電所3号機(福井県おおい町)のフル稼働で緩和されたが、依然「2010年夏に比べ10%以上」と電力使用量が多い企業にとっては厳しい水準が続く。

フォークリフトや建設機械の部品製造を手がける金属加工メーカー、トヨシマ(大阪府池田市)は今夏、関電管内にある主力の社工場(兵庫県加東市)のフォークリフト部品の生産量を3割減らし、不足分は中国・蘇州市(江蘇省)にある子会社工場からの輸入で賄う。

同社は加熱した鋼材の塊を平らな板に引き延ばす圧延技術に強みを持ち、フォークリフトがパレットを持ち上げる際に差し込む「フォークアーム」と呼ぶ部材では国内トップ。社工場では圧延工程が工場全体の使用電力の半分を占める。

蘇州の工場では鋼材を圧延しアームの完成品に仕上げたうえで日本に輸出する。「日本でつくるよりも生産コストを大幅に安くできる」(田辺義和社長)という。

東京電力は4月から企業向け電気料金の値上げを始めた。原発停止に伴う火力発電の稼働増で燃料費が膨らめば他の電力会社にも値上げの動きが広がる可能性がある。鉄の溶解に電気炉を使う鋳物メーカーには大きなコスト増加要因になる。

鋳物製造の辻井製作所(埼玉県川口市)は9月から、技術指導をしているベトナムの工場からの鋳物部品輸入を本格的に始める。「電気料金などが上昇するなか、コストを維持するには海外生産しかない」(辻井一男社長)という。現地の人件費や輸入には有利な円高も勘案すると、輸送費を含めても電気料金が高い本社工場でつくるよりも有利になる。

第1弾として汎用型のプレス加工機の部品から始め、徐々にエレベーター部品などにも対象を広げていく考えだ。当面は生産量の1割程度をベトナムからの輸入に切り替える。18日から社員2人を現地に派遣し、品質試験などを実施する。本社工場は大型部品など高付加価値製品の生産にシフトする。』

金属加工や精密機器、鋳物製造など多量の電気を使う中小・中堅企業にとって、電気料金の値上げは大きなコスト圧迫要因になります。

電気料金の値上げで、製造コストが10%以上上昇するメーカーもあります。このコスト上昇は、何の対策もしなければ、通常の経営努力では吸収するのは難しくなります。

特に中小企業は、経営体力が弱く、製品への価格転嫁がしにくいので、節電対策の負担は重くなるのは当然です。

上記記事で紹介されている企業は、海外生産拠点を持っていたり提携先企業が海外にあって、生産を海外で行えるところです。

現在、海外拠点を持っていない中小企業は、短期間に海外移管や展開を行うことは難しいのが実情です。

同日付の記事で、『海外で代替生産できる企業は限られ、多くは操業を土日にシフトするなど地道な取り組みを重ねることになる。うまく節電できれば電気代を減らすメリットも期待できるが、電気料金の値上げはそれをも帳消しにする可能性がある。』と書かれています。

その通りです。大手企業は、自家発電装置を設置できる余裕がありますが、中小にはそのような投資負担は出来ません。

現場の改善で節電に取り組む方法が一般的になりますが、今回の値上げはそれだけでは吸収できないとみます。

値上げ前でも、日本の産業用電気料金(1キロワット時あたりの単価、2009年)は15.8セントと、韓国や米国の2倍以上高い状況になっています。

この電気料金の高さは、現在の地域別電力会社が、家庭向け電気料金は燃料費などの原価に利潤を上乗せする「総括原価方式」で決まっていることが理由の一つになっています。

今後、自由化で競争が進み、当該原価方式が廃止されれば、柔軟な料金設定が可能になり、競走が発生しますので、電気料金が下がる可能性があります。

ただ、天然資源のない日本は、主力の火力発電所用に石油や天然ガスを大量に輸入しており、当該資源の輸入価格の上昇が電気料金の高さに直結する事態に変わりはありません。

原子力発電量の拡大は当面期待できません。

同日付の記事では、鋳物製造業では電力料金が売上高の約1割を占める。日本鋳造協会によると、東京電力が4月に始めた平均16.7%の企業向け電気料金の値上げが全国に広がった場合、鋳物業界の負担額は年138億円に上り、大半を占める中小企業は赤字に転落すると予測する、とのこと。

この事態を解決するには、現場レベルでの地道な節電に加えて、抜本的な節電方式を検討し、導入する必要があります。

一つの方式は、各電機会社が相次いで発表している、使用電力状況を装置や機器別に把握して、緊急性ないものの電源を切ったりしてこまめに節電できるシステムの導入。

二つ目は、本格的に行うために、「一般財団法人省エネルギーセンター」が無償で行っている、工場やビルを対象とした「節電診断」や「省エネ診断」を専門的な観点からみてもらって、より効果的な方法の実施アドバイスを受けるやり方。 

三つ目は、各企業が新規開発した節電対策製品やシステムを導入するやり方。これの導入ポイントは、節電効果が現行比20%以上であること、大型投資を必要とせず、投資回収が3年以内に行えることなどの条件を満たすものです。

20%の意味は、こ位の節電効果がないと電気料金が現行より安くならないからです。

理想的には、中小企業が開発した節電商品が、中小企業に導入されて20%以上の節電効果が出る状態になることです。

7月11日のブログ・コラムで紹介しました、 「熊本電気工業株式会社」 や 「E・T・E株式会社」 のような中小企業の出現を大いに期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁 

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