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「住宅ローン金利、最低水準」

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最近、銀行など金融機関の営業担当者の方の、弊社への来社頻度が高くなっています。

低金利の長期化を受け、各金融機関は住宅ローン金利の引き下げを加速して、過去最低水準へと下げている関係で、住宅ローン利用者獲得に力を入れているためです。

三井住友銀行によれば、『平成24年7月の金利が、同行にて超長期固定金利プランを開始した平成15年3月以降、最も低い水準の金利の「20年超35年以内2.51%」になりました』とのことで、(もともと長期固定金利が低いみずほ銀行は20年2.0%、35年2.15%に

三菱東京UFJ銀行は、『平成24年6月、住宅ローンの当初10年間の固定金利を過去最低の年1.4%に下げ』、りそな銀行も同様に『当初10年間の固定金利を過去最低の年1.4%に引き下げた』とのことです。

また、地方銀行も、信用金庫も、信用組合も皆、メガバンクに負けじと、住宅ローン利用者獲得に熱が入っています。

長引く不況により企業の資金需要が低迷する中で、各金融機関は揃って、企業よりもリスクが低く、安定収益が見込める個人向け住宅ローン融資に軸足を移している為、ここのところの販売競争を激しくし、結果、金利引き下げにつながっています。金融機関側からすれば、返済が長きに渡る住宅ローンを獲得することによって、長期間顧客として囲い込める為、将来の退職金運用や、他の金融商品の獲得につなげていきたいという思惑も当然にあります。

しかし、今回金利が引き下げられているのは、「10年固定」や「超長期固定」などの「固定金利」であり、それらは金融機関側がリスクを持つ特性上、既に超低金利の「変動金利」の魅力を超えるほどの下げ幅ではないため、今回の金利低下により、住宅取得の為の取引件数が増え、直ちに日本経済を底上げするほどの好影響が期待できるインパクトはないと思われます。

現在「変動金利」は、各行、優遇を取り入れ、1%を割り込むことが多く、

弊社が、金融期間へお客様をご紹介する場合は、店頭表示金利の2.475%から-1.5%~1.6%が完済まで優遇されるため、優遇後の金利は0.975%0.875%に引き下げられることが通常です。場合によっては、-1.4%ということもありますが、1.7%優遇の0.775%ということもあります。

この、「変動」の金利があまりにも低すぎるため、計算すればするほど、変動と固定との差があることが、気になり、当初は安全な超長期固定金利で住宅ローンを組もうとした方々が、研究を進めていくうちに迷われ、変動と超長期固定のミックスにしようかと思いはじめたかと思いきや、その割合はそれぞれどのくらいかと考え、計算しているうちにだんだん変動の割合が増えていき、実際に住宅ローン契約をする寸前や当日になって、結局100%変動金利にされる方が多く、現在、固定金利にされる方と変動金利にされる方の割合は、1対9くらいになることもあります。

やはり、現在の世界経済の不透明感や政治の状況などを見たときに、今後、仮に変動金利が上がったとしても、固定金利との金利の差額をなかなか超えないという判断をされる方が多く、固定金利で借りたと仮定してその差額をプールしておいて(手元に現金をとっておいて)、どんどん繰り上げ返済を進めていかれる方が増えています。

 

仮に、4,000万円を借りるとしますと、

超長期固定(金利2.51%)で35年間借りた場合の月々返済額は143,213円、総支払額は60,149,460円です。

→ 一方、変動(金利0.875%)で35年間借りた場合の月々返済額は110,600円、総支払額は46,452,000円です。

返済額月々32,613円、年間391,356円変わってきますので、今後金利が上がらない「安心料」にしては結構大きいと言うわけです。住宅ローンの専門家の方やファイナンシャルプランナーの方より、金利が低い時は固定で組むのがよいとアドバイスを受けたり、解説本を読んだりして、充分に、変動のリスクを理解しているはずであるのに、それでも安心料は高いと判断される方の割合がとても多いのが現状です。

 

しかし、固定金利利用者にとっては、住宅ローンの負担軽減につながるので、金利引き下げは、当然良いことですが、一方で、社会全体を見た場合、各金融機関の金利引き下げ競争が過熱すればするほど、利益縮小による急激な収益悪化や、契約を取りたいがための採算を度外視したダンピング合戦などの悪影響の懸念もあります。

日本においては、今回の金利低下による経済への好影響は直ちには期待できないと見られていますが、金利低下により不動産需要が増加し、一日も早く、景気が回復してくれることを待ち望む方々は多いことでしょう。

(不動産コンサルタント 後藤 一仁)

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