日経記事;"発送電分離へ2方式 経産省委案、電力業界も容認"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;"発送電分離へ2方式 経産省委案、電力業界も容認"考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
経営戦略 新規事業開拓・立上

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月14日付の日経新聞に、『発送電分離へ2方式 経産省委案、電力業界も容認 小売り全面自由化 』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『経済産業省の電力システム改革専門委員会(委員長・伊藤元重東大教授)は13日、改革の基本方針を決めた。電力会社が一体で手がけている発電と送配電の事業を分ける「発送電分離」では2つの方式を示し、導入に反対してきた電力業界も容認に転じた。電力の小売りは家庭向けを含めて全面自由化し、料金規制も撤廃して消費者の選択肢を広げる。

基本方針は政府が今夏に決めるエネルギー基本計画に盛り込む。枝野幸男経産相は「電力システム改革は国家百年の計。実現にはさまざまな詳細な検討が必要になる」と述べた。

専門委は年内に制度の詳細を詰める。これを受け、経産省が早ければ来年の通常国会に電気事業法の改正案を提出し、2010年代半ばから段階的に制度改革を実施する。

基本方針の柱は発送電分離と電力小売りの全面自由化の2つ。日本の電気事業は1951年から全国9地域の電力会社が発電から送配電、小売りまでを一手に担ってきた。

改革が実現すれば、一般家庭でも、住んでいる地域以外の電力会社から電気を買うことができるようになり、9電力会社それぞれの「地域独占」は崩れる。

発送電分離では、電力会社の送配電網を「公共財」と位置づけ、どの事業者も公平に使えるようにする。電力会社が送配電網を自分たちだけに有利なように運用し、競争を邪魔するのを防ぐ。

分離には様々な方法があるが、基本方針は送配電網の運用を独立した外部の機関に任せる「機能分離」か、電力会社の送配電部門をグループ内で分社化する「法的分離」のいずれかとすると明記した。電力各社の供給区域を越えた電力融通を増やすため独立の「広域系統運用機関」を新設することも盛り込んだ。

電力各社でつくる電気事業連合会も専門委で発送電分離を認める考えを示した。「電力の安定供給を損ないかねない」と反対してきたが、容認姿勢に転じた。

今後、新電力のシェアが拡大すれば「現行の(地域独占)体制では電力供給の安定性や品質の維持が困難になる」と説明した。電事連が容認したことで発送電分離は実現へ大きく前進する。

電力の小売りでは、全面自由化に向けて「すべての消費者が電力供給者を自由に選べる」市場をめざす。自由化後は例えば、北海道電力が首都圏の消費者向けに区域を越えて供給することもできる。

家庭向け電気料金は燃料費などの原価に利潤を上乗せする「総括原価方式」で決まるが、自由化で競争が進んだのを確認できれば規制を廃止する。柔軟な料金設定が可能になるため多様な料金プランが登場しそうだ。

一方、基本方針は自由化しても競争が起きない事態への懸念も示した。電源不足に悩む新電力が電気を調達しやすくする対策を並べた。具体的には卸電力市場の活性化、電力会社やJパワーの新電力への供給拡大などを盛り込んだ。電力の需要量と供給量を常に一致させなければならない「同時同量制度」という規制も大幅に緩める。』

発送電分離方式が合意された意義は大きいものがあります。発電、送電、売電の仕組みが自由化されますと、今の通信インフラのように自由競争が生まれ、新発想の新規事業が競争原理で生み出されます。

そこには技術革新が生まれ、新商品・新サービスが提供されるため、顧客は最も付加価値の高いものを選びますので、激しい競争が必然的に起こります。

競争は、更なる技術革新を促し、国内市場で勝ち残った企業は、世界の電気市場で勝ち組になる可能性が高くなります。

7月12日に、日経記事;『次世代電力計、東電が見直し 国際標準規格を採用』に関する考察 [新規事業開拓・立上]のタイトルでブログ・コラムを書きました。

この中で、東電は自社独自のスマートメータ(次世代電力計)の提供から、IPの通信規格を採用することや既存の光ファイバ網を使うやり方などに変更したことを書いています。

関西電力は独自仕様のスマートメータの提供を開始していますが、東電と同じように世界標準のIPや既存光ファイバ網を使う方式に変更すべきです。他の電力会社も東電方式になれば、日本中が全て共通化されます。

スマートメータ市場は、海外企業も含めて自由競争になりますので、価格競争が起こり、機能・性能・付加価値が向上し、必然的に東芝などの国内企業の競争力も強化されます。


一方、発電、送電、売電が分離され、小売分野で自由競争が起こると、顧客は最もサービス内容の良い事業者から電気を買いますので、売電業者はより安く、且つ、安定した形で電気を供給しないと勝ち残れません。

また、同日付の記事によると、料金規制の撤廃(総括原価方式の撤廃)が盛り込まれています。電力会社が自由な競争環境下でさまざまな料金メニューやサービスを提供することができるよう、競争の進展に応じて、電力会社の供給義務や料金規制を撤廃するとのこと。

これは、電気料金が通信費と同じように、中身がみえる形になりますから、顧客は納得のいかない料金を提示する事業者からは電気を購入しないようになります。

また、事業者は製造業と同じように、原価を積み上げてコスト計算し売価から収益を上げられるように経営することが要求されますので、顧客は合理的な経営を事業者が行っているかどうかみえます。

もっとも、自由競争下では、合理的な経営をしないと、事業継続が出来ませんので、事業者の経営内容は格段に透明化されます。

太陽光発電を中心とした現在の再生可能エネルギーによる発電・売電事業も自由競争下では、切磋琢磨しないと事業継続ができませんので、当該事業者のサービス内容も充実します。

コスト及び安定供給の観点からは、風力発電が最も有力な再生可能エネルギーによる発電方式とみています。

上記自由化は、風力発電に対する投資をカバーできる需要開拓ができる可能性が高くなり、この分野の実用化と競争力向上に大いに貢献すると期待しています。

電力システム改革・自由化は、国内に新規事業を起こし、社会インフラコスト削減も可能にする効果があります。

今後とも、積極的に推進することを期待します。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム