日経記事;『電通、顧客のグローバル化追う 』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『電通、顧客のグローバル化追う 』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月13日付の日経新聞に、『電通、顧客のグローバル化追う 英社を買収 地域に合わせ提案』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『電通が英広告大手イージスグループを買収するのは、日本の顧客の多くが海外へ経営の軸足を移すなか、後手に回っていた海外展開を一気に加速させるためだ。

日本で圧倒的な強さを持つだけでは新興国などの受注競争で欧米大手に勝てなくなっている。イージスの世界80カ国の拠点を生かし、地域のニーズに合わせたきめ細かな広告展開などで顧客をつなぎ留める。

電通の中本祥一取締役専務執行役員は12日に都内で開いた記者会見で「グローバル化とデジタル分野のソリューション(問題解決)提供の面で顧客の期待は大きい」と述べた。買収後の海外売上高比率は約4割と、現在の14%から拡大する。海外での広告に力を入れる顧客の需要に応えられるとの見方を示した。

トヨタ自動車など電通の主要顧客は、市場の成長が見込める新興国などで積極的な広告活動を展開している。国ごとに違う文化に合わせ、広告の内容を変えることも多い。海外で地元の広告会社や欧米の広告大手へ発注する日本企業も増えていたようだ。今のままでは日本の顧客も失いかねないという危機感が電通にはあったとみられる。

電通の海外展開は足元のアジア太平洋地域(日本を除く)でも十分に進んでいなかった。広告会社の実質的な収入に当たる売上高総利益に占める同地域の比率が電通は7%なのに対し、イージスは25%。買収後は12%へ拡大する。

イージスはアジアだけでなく、欧州、北米、南米など世界の各地域でバランス良く広告事業を展開している。電通は買収を機に、海外市場でインターネット分野も含めた新たな広告戦略を顧客に提案する。

電通はこれまでも欧米の広告大手と組んだ経験がある。2002年から総額1500億円を投資、15~20%出資した仏ピュブリシスとは、事業上のメリットを得られないまま資本関係を解消した。その教訓を生かし、新たな提携先との間でシナジー効果を発揮できるかが課題になる。』


電通は12日、英広告大手のイージスグループを買収すると発表しました。株式の公開買い付けを実施し、年内にも完全子会社にするとのこと。

買収額は31億6400万ポンド(約3955億円)になる見通し。電通は世界80カ国に営業拠点を持つイージスを取り込み、海外展開を加速させるとしています。

世界の広告業界では、電通は5位の地位にあります。買収後もその順位は変わらないようですが、海外売上比率は現在の14%から40%に増えます。

電通の海外売上比率が現行14%と低いのは意外でした。トヨタなどの海外展開している企業を顧客に持っているので、30%位の比率になっていると想定していました。

国内企業が海外売上比率を、海外進出を含めて拡大しようとしている現状では、電通も海外展開を加速しないと勝ち残れなくなりつつあります。

特に新興国での事業基盤強化が必要です。今回買収します、イージスはロシアやインドなどにも営業基盤を持ち、インターネット検索広告などに強みを持つとのこと。

電通は先進国に比べて高い成長力が見込める新興国でネットワークを拡充し、消費者の購買履歴などを活用したマーケティング手法を高度化するとしています。

7月10日に 日経記事;『NEC、POS導入費10分の1に』に関する考察 のタイトルでブログ・コラムを書きました。

NECがクラウドや市販のタブレット型パソコンを使って、新興国や新・新興国向けに現行の1/10の導入費でPOSを実現する事業展開を紹介しました。

NECの動きは、新興国や新・新興国での市場状況に合わせて、事業を行うもので、自動車や白物家電などでは先行しており、実績を上げています。

自動車の広告宣伝も同じで、同じ車種でも国内向けのものと新興市場向けのものでは明らかに異なります。社会、宗教、価格水準、し好などが異なるためです。

電通は、イージスの買収により、より新興市場に密着した広告宣伝事業を強化しようとしています。これは合理的です。イージスとの間での協調関係が維持強化できれば、今回の買収は大きな効果を生みます。

国内の広告宣伝費の全体をみますと、毎年下がり続けています。既存メディアのテレビ、新聞などを通じての広告宣伝が減少しているためです。

伸びていますのは、グーグル、ヤフー、楽天などのインターネット検索広告です。タブレット型パソコンやスマホの高速普及で、ネット検索広告の売上はしばらく伸びていくとみています。

記事によると、イージスは、インタネット検索広告にも強いとのこと。この点も電通が買収した理由になるようです。

本日の日経に、「テレビ通販、成長力鈍る ネット・海外に活路」のタイトルで記事が掲載されています。

「テレビ通販市場が曲がり角に差し掛かっている。主要9社の2011年度の売上高の合計は前年度比0.7%増。成長率は過去最低の水準となったもようだ。インターネット通販への顧客流出や価格競争の激化により、今年度はマイナスに転じる可能性もある。このため各社は自社のネット通販事業や海外展開を進めており、新たな収益源を模索する。。。」とのこと。

テレビ通販の市場が、アマゾンや楽天などのネット通販に食われており、じり貧化しています。複数の調査機関の調査によると、60歳以上の人たちの6割強がネットを使って検索やショッピングをしいている状況では当然のことです。

業界に関係なくインターネットを活用した検索対応広告を考え、実行しないと生き残れない市場環境です。

電通の置かれた状況も同じです。タブレット型パソコンやスマホが普及しつつある新興市場では、グーグルで情報を集め、アマゾンで購入するといった生活パターンが定着しますと、その環境に準じた広告活動が必要になります。

ハードウエア商品を新興市場で売る時には、現地仕様・機能・性能・価格にあったものを提供することが必要です。

電通が新興市場で勝ち残るには、イージスのノウハウを活用しながら、自動車企業と同じような対応が必要になります。勝ち組になるための条件です。

今後の電通の動きに注目します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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