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日経記事;"次世代電力計,東電が見直し 国際標準規格を採用"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月12日付の日経新聞に、『次世代電力計、東電が見直し 国際標準規格を採用』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東京電力と原子力損害賠償支援機構は、次世代電力計「スマートメーター」の仕様を全面的に見直す。電力使用データを東電以外の事業者も使いやすいようにインターネットで標準的な通信規格を採用する。

通信インフラとして東電が自前で光ファイバーを敷くのもやめ、導入コストを半分以下に抑える。電力自由化もにらんでスマートメーターを「世界仕様」に改め、事業者間の競争や家庭向け省エネサービスなどの新ビジネスを促す。

東電は2023年度までに管内の全2700万戸にスマートメーターを導入する計画。外資系企業も加わった入札で調達コストを抑える計画だったが、事前に示したのが東電独自の仕様だったため「結局、東電の系列企業しか落札できない」と批判されていた。

このため機構は3~4月に「東電仕様」について意見を公募し、88の企業などから482件が寄せられた。さらに機構は浅見徹東大教授ら専門家の提言も踏まえ、東電と共同で仕様の見直し案をまとめた。今年10月に予定していた入札は来春以降に延期する。

見直しの柱が既存の「親密メーカー」以外にもオープンな国際標準規格の採用だ。メーターから東電に電力使用量のデータを送る際に、ネットで一般的な「IP」という通信規格を用いる。データを集める東電のシステムも国際標準に対応させる。東電以外の事業者がメーターの電力使用量データにアクセスしやすくする狙いだ。

通信手段も現在はメーターが近くのメーターまで弱い電波を飛ばし、バケツリレーのように無線で通信する方法しか認めていないが、電力線通信や携帯無線など場所に応じて最適な通信手段を選ぶよう求める。

今は家庭への電力小売りは自由化していないが、政府は2010年代半ばにも全面自由化する方針。新電力(特定規模電気事業者)などの参入を見込むが、仮に東電仕様のスマートメーターが家庭に普及した場合、新電力は東電経由でデータを集めたり、東電仕様でないメーターに取り換えたりする必要がある。スマートメーターが「事実上の参入障壁」になりかねない。

調達コストの削減も徹底する。これまで通信部と計量部が分かれた「分離型」のメーターしか認めていなかったが、通信部と計量部が合体した「一体型」も認めることにした。機構はあくまでコストが安いほうを選ぶ方針で、東電仕様では1台3万円前後とされた単価は同1万円前後に下がるとみられる。

東電は約1000億円かけて自前で光ファイバーを整備する方針だったが、新仕様では自前主義を脱却。都心部では既存の東電の光ファイバー網を使い、それ以外の地域では通信会社の光ファイバーや携帯無線を利用する。全体の導入コストは単純計算で3000億円程度となり、従来の2分の1~3分の1になる可能性がある。その分だけ家庭向け電気料金の引き上げ幅を抑えることができる。

今後の焦点は電力会社ごとに異なる仕様の統一だ。例えば、すでに関西電力はスマートメーターを100万戸以上に導入済みだが「東電仕様」とも「世界仕様」とも異なる。仕様を統一できれば電力計メーカーは量産しやすくなり、さらに価格も下がる。最大手の東電が「世界仕様」に改めることで他社にも導入機運が広がる公算が大きい。

ただ、電力各社は「地域独占」に慣れており、電力会社同士の競争には極めて慎重。仕様統一は参入障壁の1つがなくなることも意味するため、経営規模が劣る地方の電力会社などが反対する可能性もある。経済産業省が規格統一を後押しする必要も出そうだ。』

本ブログ・コラムでは、6月10日に日経記事;『電力効率利用のスマートメーター、東電仕様3つの課題』に関する考察 のタイトルで、東電が計画しています次世代電力計の導入に関し、独自仕様で動くことは国益に反することになると述べました。同時に、政府に対して指導力を発揮して、国内企業が世界標準で事業出来る仕組み作りの期待も表明しました。

本日の記事は、政府が指導力を発揮して、東電がスマートメーターの仕組みに国際標準規格を採用することになったと報じています。下記の点で評価されます。

1.通信規格に国際標準であるIPを使う。
2.通信網は、既存の光ファイバー(東電既存のもの+通信会社の既存のもの)や携帯無線を活用する。

これが実現しますと、設備投資のコスト圧縮が図られるだけでなく、新規事業立ち上げに好影響が生まれます。

日立製作所や東芝など電機メーカーは、スマートハウス(次世代省エネ住宅)の普及を想定し家電や家庭内エネルギー管理システム(HEMS)などの開発を進めています。HEMSとエアコン、テレビなどがデータをやり取りし、住宅の中での使用電力を最適化する仕組みです。

IPの使用により消費電力量などのデータが取り出しやすくなり、消費者は自宅でどのように電気を使っているのかをほぼリアルタイムで把握することが可能となります。電気料金の安い時間帯に洗濯などの家事をこなすなど、節電で工夫の余地が広がり、家庭分野での節電に大きく貢献します。

また、国内で蓄積されたノウハウは、海外市場にもそもまま適用できますので、国内企業のガラパゴス化を防げます。東電がIP採用することは大きな意義があります。

現在、国内の電力計メーカーは、大崎電気工業や東光東芝メーターシステムズなど4社が独占してきました。

次世代電力計はIPを採用することで米ゼネラル・エレクトリック(GE)などの海外企業も参入してきます。次世代電力計は公開入札などの仕組みで選定されますので、自由競争化されます。

国内メーカーは、この国内競争を勝ち抜くことが重要です。勝ち抜けば、世界市場へもそのまま展開できます。

東芝や日立には、国内で実証した技術・商品力で世界市場でGEなどと競争し、勝ち組になるよう一層の努力を期待します。

政府は、日本中で節電効果の向上と節電コストの削減、及び国内企業の国際競争力を高めるために、他の電力会社にも強く働きかけて、IP規格や既存通信網の活用徹底を期待します。

環境は国内企業にとって大きな事業機会です。世界市場で戦える事業環境の構築が必要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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