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日経記事;『NEC、POS導入費10分の1に』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月10日付の日経新聞に、『NEC、POS導入費10分の1に 新興国向け格安システム タブレット活用』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

NECは飲食店や小売店向けの格安POS(販売時点情報管理)システムを開発、9月に発売する。市販のタブレット(多機能携帯端末)やクラウドなどを活用、通常は数十万円以上の導入費を10分の1以下に抑えた。

国内小規模店舗のほか、新興国の需要開拓を目指す。IT(情報技術)分野でも新興国に照準をあわせた製品・サービス開発が本格化してきた。

操作性や視認性の高いタブレットの長所を生かし、接客や店舗管理の効率を高める

米アップルの「iPad(アイパッド)」など市販のタブレットやスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)を端末として使う。バーコードやクレジットカードの読み取りなど従来型POSの機能の大半を備える。各種電子マネーに対応するほか、販売データの分析やクーポンの発行など顧客管理機能もある。

NECのデータセンターがデータ蓄積や分析、ソフトの提供などを手掛ける。ただ、汎用的な携帯端末を使うので顧客ごとの細かい設定変更に限界があり、操作性などでは専用端末のほうが優れるケースがある。

システムの初期導入費用(端末1台分)が9800円。端末を1台使う小規模店舗なら端末費用を合わせたコストは5万円程度で、従来の10分の1以下で済む。

複数の端末を導入する場合は端末費用に加え1台あたり9800円の追加費用がかかる。これとは別に月額料金(2980円から)が必要だ。

一般的なPOS導入費用は専用端末やサーバー、ソフトなど低価格なものでも計50万円以上、高機能なもので数百万円。NECは市販端末を使うほか、ソフトをネット経由で活用するクラウドを採用。顧客は自前のサーバーを保有しないで済むので価格が抑えられる。

NECは中国やインドなど新興国を中心に今後3年で10万店舗への導入を目指す。新興国では店舗運営の効率化や在庫管理などに役立つ格安POSの需要は高いとみている。国内では主に個人商店も含め小規模事業者の需要を見込む。

米調査会社IDCによると世界のタブレット出荷台数は2011年の7千万台弱から16年に約2億台に増える見通し。日産自動車は全国約2千の販売店にiPadを導入するなど業務利用が広がっている。』


何度か本ブログ・コラムで述べていますように、自動車や白物を中心にした家電製品を新興国や新・新興国で販売する場合、従来は日本を含む先進国市場向けの製品を変更したものを売っていましたが、最近は異なるやり方を実施しています。

これは、先進国向け仕様や機能を持つ製品を変更しても、新興市場の琴線にふれたものを作ることが出来ないことを多くの経験と失敗から学んだことによります。

これから伸びる新興市場の需要を取り込むには、各市場・顧客の要求仕様・機能・価格帯をおさえたものを開発・生産しないと売れないからです。

国内自動車企業では、スズキが早くから上記手法でインド市場に入り込み、小型車で50%を超えるシェアを獲得しています。

国内自動車企業や家電企業は、この手法を新興市場開拓に積極的に取り入れて新規市場創出を行おうとしています。

本日の記事では、NECが一種の社会インフラ事業にこの手法を取り入れようとする動きを紹介しています。

NECは、日本などの先進国向けのシステム商品を新興市場に販売するのではなく、既存システム商品を開発・設計までさかのぼって見直して、価格を抑えた新商品を提供します。

この動きは、今後東芝や日立などの国内企業が新興市場に環境・エネルギーなどの社会インフラシステムを開発・供給する時にも考えるべき視点と言えます。

新興市場で商品やサービスを普及させるには、低価格は絶対必要なことです。これを実現し、安定した収益を上げられる仕組みを作らないと売れません。

NECの取組は環境などの社会インフラほど大型のもではありませんが、店舗経営する上で有益な営業管理システムとなるPOSを導入できるメリットは大きいものがあります。

既存POSの先進国市場での普及はその有効性を示しています。廉価版のPOSが普及すると、その地域での店舗営業効率が向上し、しょうしょうオーバーにいますと経済活動の活性化や効率向上にも貢献しますので、小型版の社会インフラ事業と言えます。

NECが本廉価版POSの実現を可能したのは、タブレット型パソコンやスマホをPOS端末として、NECが運営するクラウド(データセンター)に双方向でアクセスするようにしたことです。

既存POS端末は、1台数十万円します。また、自社でサーバーも管理する必要があり、ハードウエア・ソフトウエアの維持や、管理専任者を置くなどのコストも発生します。

これらの制約条件により、既存POSは新興市場では大型店舗を除いて売れません。また、先進国市場では既に飽和状態にありますので、交換需要が主になり新規拡大は難しくなっています。

小型店舗は、NECの廉価版POSをタブレットやスマホを、インターネットにつながった状態で、情報やソフトウエアをダウンロードしたり、アップロードする感覚で使うことになりますので、違和感は無い筈です。

POS端末は、更に普及が進みますと販売単価は下がっていきますので、小型店舗はますます採用しやすくなります。

技術的には目新しものはありませんが、普及しつつあるITサービス・商品を活用して、廉価版POSを商品化した意義は大きいものがあります。

他社も同じような廉価版POSを商品化することは容易に想像できますので、NECは先行者利益を最大限享受できるように、早期に市場導入し、顧客開拓を行うことが大事です。

今回のNECの事例は、タブレットパソコンやスマホなど汎用性のある高機能携帯端末やクラウドの普及など、IT分野での技術革新が業務システムや社会インフラの価格革命を引き起こしつつあることの動きになります。

今後、医療、環境。エネルギー、既存事業(販売・流通、書籍など)などの多くの分野で価格破壊を起こしていくことになります。

この動きを確実にとらえて、低価格でも収益を上げられる仕組み作りが、差別化・差異化実現のポイントの一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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