- 井上 みやび子
- すぐ使える株式会社 代表取締役
- 東京都
- Webエンジニア
対象:ホームページ・Web制作
- 原島 洋
- (Webプロデューサー)
- 井上 みやび子
- (Webエンジニア)
2012年6月に起きたレンタルサーバファーストサーバの障害ではユーザのデータが無くなってしまいました。原因は技術上・作業上の不備が重なった事だったとの報告が出されています。
ファーストサーバにはテスト不足の点などがあったと思いますが、今回の件を教訓として、今後「クラウド」サービスを含めインターネット上のサービスでこういったデータ損失の事故が無くなるかと言うと、無くなりません。
というのは、電子データも結局は物理的な記録媒体に保存されているからです。物理的に故障する恐れがあるのはもちろんの事、雨漏りで濡れれば壊れますし、火事、テロ攻撃を受ける、操作ミス…などが運悪く自分のデータが保存されている場所で起これば、データは無くなります。
これを防ぐにはやはり分散バックアップ(複数の場所にコピーしておく)が必要です。それも、一つのサービス会社が提供している二拠点バックアップサービスではなく、複数のサーバ事業者を主体的に利用する必要があると思います。一つの事業者に頼ってしまうと、その事業者がサービス撤退、倒産などになった時に慌てなくてはなりませんから。
(...かなり心配性です。)
複数のサーバ会社を使うように第三者に丸投げしてしまうというのも同じく危険です。その人がいなくなるとそれで一発アウトです。中小企業だととても難しいですが、一つの業務は○○さんしか分からない、などのブラックボックスは極力減らしていくべきで、データなど事業の生命線となる資産の管理は優先度を上げていいかと思います。
(地味な業務ですが。)
細かい技術を利用者が把握する必要はありませんが、何の目的でどのサービスを使っていて、設定をどうしたかと言うのは、保存するデータを利用する本人(会社)が主体的に把握しておく必要があると思います。
(他者に頼っている限り完全な安心は無いのです。...人間不信っぽいですが、データの管理についてはこの位でちょうど良いと思います。)
弊社でも、2011年の秋に社内のサーバマシンが故障したことをきっかけにデータは全て「クラウド」に複数個所コピーして保存する事にしました。データを転送しなくてはならない分、毎回の作業時に若干余計に時間がかかりイライラする事もありますが、データ保全の方を重要と考えて妥協しています。
この構成概要をご紹介します。画像を拡大してご参照下さい。これ位やっておくと一応枕を高くして眠れます。
1.東京都高円寺のオフィスの作業用PCから東京都目黒の社内用サーバ(※1)に同期
2.東京都丸の内の公開Webサーバ(※2)には公開時に目黒からコピー
3.1時間ごとに公開Webサーバのデータベースは目黒にバックアップ
4.目黒に一通り集約したデータを、米国バージニアのサーバ(※3)に1日2回同期
目黒がメインの保存サーバ、米国バージニアがバックアップサーバという事になります。
バックアップの費用
サーバに支払っている大体の費用をご紹介します。
※1 (目黒) ハードディスク容量 100GB のVSPで、月額 800円程度
※2 (丸の内、Web用) ハードディスク容量 20GB のVSPで、月額 1万円と少し
※3 (米国) Amazon Web Service (EC2 基本 8ギガB + EBS 80GB)、同期の時だけ立ち上げる設定で 月額 2-3 ドル(250円前後)
ファイル保存用(※1、※3)の実費は月額1,000円程度という事になります。
公開Webサーバマシン(※2)の方は安全を重視して高機能なものを使用しているので(1か月分さかのぼれるテープバックアップ機能がある)少し高目です。
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