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日経記事;"乱戦必至の軽市場、ホンダが今期販売2倍超に"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月9日付日経電子版に、『乱戦必至の軽市場、ホンダが今期販売2倍超に「国内生産死守」「新興国攻略」の切り札』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『軽自動車の販売競争が激化している。きっかけはホンダ。好調な「N BOX」を中心に今期は前期比2倍以上の販売を計画。ダイハツ工業とスズキの2強も譲らぬ構え。

メーカー各社の今期の販売計画は合計で需要見込みを1割超上回る。なりふり構わぬ競争の舞台裏を探ると、「国内生産死守」と「新興国市場攻略」の切り札として軽の重みが浮かび上がる。

仙台市の「ホンダカーズ宮城 扇町店」。6月下旬に同店を訪ねると、30歳代のカップルが試乗するN BOXが勢いよく走り出してきた。久々の軽の新型車として2011年12月に投入した同車種が今、1番人気だ。

2カ月ほどの納車待ちだが、客足は絶えない。「軽ならではの維持費の安さ、従来車になかった車内の広さが人気だ」と扇町店の熊野勝明店長は話す。ホンダの「フィット」のほか、ライバル会社の登録車からの乗り換えも多いという。

N BOX投入を機に、ホンダは明確に「軽重視」にカジを切った。6日には同車種の派生車も発売。12年度の軽の販売計画は35万台超と前期比2倍強。国内販売の半分を軽が占める計画だ。


今年度の各社の軽自動車販売計画
(単位は万台。※は日経推定)  12年度計画 11年度実績
ダイハツ工業          64     60.3
ス ズ キ            56     51.6
ホ ン ダ            35.6    16.6
日産自動車           15程度※  15.2
三菱自動車           8.4     9.1
トヨタ自動車          6※     1.7
富士重工業                                     5.1                9.5
マ ツ ダ                                        5程度※       4.9
合 計                                          195程度※    168.9

。。。。

「軽で台数を稼がなければ、日本に工場を残せない」。あるホンダ幹部は本音を打ち明ける。ホンダは08年の金融危機以降、それまで好調だった北米向け輸出が、現地市場の冷え込みと円高で激減。国内輸出はピーク時の3分の1に減った。

 そこで、国内で生産するクルマは国内で売りさばく方針に転換。堅調な需要を持つ軽に注力することにした。子会社の八千代工業に委託していた軽生産も自社工場に変更。「攻勢」の背後には、国内生産を何とか死守しようとする思いがある。

ホンダだけではない。スズキの幹部も「軽は業界全体の国内生産を維持する最後の牙城かもしれない」と分析する。

。。。

もともと軽は利益率が数%とされる「薄利多売」の車種。エコカー補助金も遅くとも8月中に予算が底をつく見通しで、「補助金後の反動も大きいかもしれない」(関東地域の販売店首脳)とされる。それでも各社が注力するのはなぜか。

一方、先進国でも環境意識の高まりにつれ車体、エンジンの小型化が進む。独フォルクスワーゲン(VW)や伊フィアットなど欧州各社は軒並み1千cc未満の小型エンジンの開発を進めている。

小型エンジンに過給機を付属し、同じ出力で燃費を改善する。各社はこんな戦略を掲げるが、実はこれは軽ですでに採用されてきた手法。軽で培った技術は世界で戦う際の武器になり得る。。。』


現在の国内自動車市場は、エコカー補助金の後押しを受けて、ハイブリッド車や軽自動車の環境対応車の販売が好調です。

軽の場合、記事にありますように、2012年度の国内市場の各社の販売計画台数を合計すると195万台になります。

国内市場の大きさは、175万台程と見込まれていますので、各社とも強気の計画を持っていることは明確です。特にホンダが前年の倍以上の積極的な計画を持っています。

エコカー補助金は、8月中に原資がなくなると見込まれていますので、9月以降は需要減が予想されます。

各社が軽の積極的な販売を行っているのは、エコカー補助金をてこに売上を伸ばし、国内生産を確保する思惑が強いとされています。

軽というジャンルは、国内のみで行われているクラス分けで、海外にはありません。排気量からみますと、660cc以下の車と定義されます。

スズキは、軽の技術を応用してインドで長期間小型自動車(排気量800~1000ccのエンジン)の開発・製造を行ってきて成功しています。

スズキだけでなく上記国内メーカーは、国内市場で軽の実力を磨いてきました。今回、ホンダが積極的な展開をしているのは、海外市場の動きを想定して動いているとみます。

今後、世界市場では低燃費車の需要がますます高まります。1000cc以下の小型自動車の需要が伸びていくとみられ、記事にありますようにVWやフィアットの海外企業も当該排気量車用エンジンの開発を進めているとのこと。

小型エンジンの開発は、過給機を付属し、同じ出力で燃費を改善するやり方が一般的であり、この方法は国内企業が軽の経験で多くのノウハウを持っています。

今回のホンダの攻勢は、海外市場を見据えての対応。小型車の需要は、低燃費及び低価格の観点から、今後、新興国、新・新興国で増えることが見込まれますので、軽のノウハウを生かして積極的な動きを取るとみます。

国内市場で軽の売上を伸ばし、採算を良くした上で、現地生産による小型車の新興市場開拓をするやり方です。新興国や新・新興国市場で小型車を売るには、現地生産が基本になります。日本から輸出しては採算が取れません。

スズキやダイハツなどの他企業も、エコカー補助金後の市場環境をみていますので、海外市場開拓により一層動きだすとみられます。

例えば、スズキは昨年、インドネシアで開かれた自動車ショーに、軽「アルト」(660cc)の塗装を変えただけのコンセプト車を出展し、市場の様子をみたとのこと。

もし、軽クラスの自動車が複数の新興市場で需要があれば、国内企業は極めて容易にこのクラスの海外展開が可能になります。

新興市場開拓の切り札の一つとして、軽のノウハウは大きく貢献しますので、市場動向をみながら国内企業の積極的な展開を大いに期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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