日経記事;"日曜に考える 日本の電機、復活できる?"に関する考察 - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

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日経記事;"日曜に考える 日本の電機、復活できる?"に関する考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月8日付の日経新聞に、『日曜に考える 日本の電機、復活できる? 巨大市場にこだわるな
神戸大教授 三品和広氏』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『一時は世界を席巻した日本の電機産業が危機に直面している。パナソニックやソニーなど家電大手はそろって巨額の赤字を計上した。電機が弱体化した理由と再生への道筋を、企業戦略に詳しい神戸大の三品和広教授に聞いた。

小粒の成功 重ねて強く

―日本の電機産業が危機を迎えています。

「かつて日本のテレビメーカーは米国企業を駆逐したが、それと同じことが立場を変えて日韓企業の間で起こっている。『歴史は繰り返す』という言葉通りの展開だ」

「日本企業は決断力不足といわれるが、テレビについてはパナソニックのプラズマやシャープの液晶など巨額の投資を実行した。だが、それだけでは不十分。動きの速い市場で成功するには、どんな宣伝広告を展開するか、どんな流通チャネルに売り込むか、時々刻々の意思決定、時には朝令暮改も必要だ」

「カリスマ経営者のいる韓国サムスン電子などはこうした決定や方針変更が簡単にできる。鴻海精密工業など台湾勢も創業者が健在で迷いがない。一方、日本企業は既存の計画に縛られ途中で方向転換すると大混乱が生じる。

日本勢が輝いた時代はソニーの盛田昭夫さんのような創業経営者が指揮を執り、米国の“操業(サラリーマン)経営者”を圧倒したが、今は逆の事態が生じている」

―リーダーシップの劣化ですね。

「これを克服するには二つ道がある。一つは強力なリーダーの再来を希求することだが、実際は難しい。パナソニックの中村邦夫前会長はこの上ないカリスマ性の持ち主だが、それでも勝てなかった」

「もう一つはカリスマの不在を逆手に取る戦略だ。韓国や台湾企業は偉大なリーダーがいて、周りはイエスマンの集団。日本は絶対的なトップはいないが、事業部長クラスに優秀な人材が育っている。

彼らに例えば売上高1000億円程度の事業を任せ、自律的に経営できる体制をつくれば、大いに力を発揮するだろう。売上高100億円程度まで組織を小さくしてもいい。その規模なら事業の隅々まで把握でき、経営者自らが顧客のもとに日参できる」

―テレビのような巨大市場をあきらめてニッチで稼げ、ということですか。

「1兆円のビジネスが一つあるより、100億円の事業は100あるほうが会社として安定感が出る。あるいはサムスンのようなライバルに対しては、一つの正面で闘うと力負けしかねないので、なるべく局面を複雑化し、多正面で向きあう必要がある」

「かつて選択と集中という経営方針がもてはやされたが、これはばくちで、間違った事業に集中した時の打撃は大きい。この言葉をはやらせたのは米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウエルチ前会長だが、GE自身が重電から放送まで多様な事業を抱えている。日本企業も『液晶にかける』といった単一の大型目標を掲げるのはやめた方がいい」

―それで成長できますか。

「日本の電機企業も細かく見れば、面白い技術や商品がある。例えばパナソニックには周りをゴムで防御し、落としても壊れない"タフブック"というパソコンがある。日本ではそれほど有名でないが、米国では警察や建設現場向けなど屋外使用の多い顧客に人気だ。こうした小さな成功の積み重ねで企業は輝く」

―日本企業は自前主義が強すぎる、とも言われます。

「米国企業が復活した理由の一つに、鴻海など台湾の受託生産企業をうまく使い、米台連合を形成したことがある。さらに台湾企業は中国の労働力を活用することで米中の連携を媒介した。日本企業はこうした流れとは無縁の孤立した場所にいた。

今後は自分とは異なる能力を持ったパートナーを見付ける必要がある。日本勢同士の似たもの同士の結婚では展望は開けない。ただし、パートナー選びは経営に余裕のあるうちにお早めに。経営危機になってから慌てて相手を探しても、理想の結婚は難しい」』


集中と選択は、自社の強みを再確認し、強みを最大限発揮し差別化・差異化できるところに経営資源を集中し専門化することと、競争力が弱く、当該市場でのシェアが低い分野は合理化して、売却か撤退するやり方の総称です。

少なくとも、会社勤務時代及び、経営コンサルタントして中小企業支援を行っているときの集中と選択は、上記考えに基づいて行っています。

中小企業の場合は、事業分野が広くないので、集中と選択は必然的に少数の事業分野間で行われることが多くなります。最も大事なことは、小さい市場でもナンバーワンになる事業領域でビジネスすることです。

その視点からみますと、集中と選択は中小企業にとっては、単一若しくは二つくらいの事業分野に絞って事業することが多くなります。

大手企業の場合、集中と選択は必ずしも単一の大型目標に特化して行うケースは少ないとみます。それは三品さんが言われるように大ばくちです。

IBMやGEなどは、集中と選択をたびたび行っていますが、決して単一事業に特化して事業していません。

国内企業の場合、日立や東芝はすでに集中と選択を開始しています。これらの企業は、エネルギーや環境対応の観点から社会インフラ事業分野を強化しつつ、ITや白物を中心とした家電事業も堅調に行っています。

パナソニックの場合、蓄電池をコアに家庭用エネルギー分野を最重点事業にする方向性を出しつつ、白物を中心とした家電や電子部品など強みを持っている分野も強化しようとしています。

決して大ばくちはしていません。

自前主義から他社との連携で、事業を再構築・強化するやり方は、三品さんのお考えと私の理解は同じです。

変化が激しく、競合が大きくなっている事業環境で中小企業が勝ち残るには、異業種他社との連携を上手く活用することが一つのやり方です。

大手の場合、今までは異業種他社に限定して連携して行う必要がありませんでしたが、環境が激変している家電を含む電機業界の場合、異業種他社との連携が必要になってくる可能性があります。

連携を組む各企業の強みを最大化するやり方です。

本日はここまでとします。

別の機会に更に考えを述べます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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