日経記事;"日本企業の海外M&A、22年ぶり最多 1~6月262件"考察 - 事業再生と承継・M&A全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;"日本企業の海外M&A、22年ぶり最多 1~6月262件"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月3日付の日経新聞に、『日本企業の海外M&A、22年ぶり最多 1~6月262件』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)が一段と拡大している。1~6月の件数は262件と前年同期比15%増え、バブル経済期の1990年(247件)を上回って22年ぶりに過去最高となった。

円高や潤沢な手元資金を背景に大企業だけでなく、地方の中堅企業にも買い手の裾野が広がってきた。

M&A助言のレコフ(東京・千代田)によると1~6月は金額ベースで3兆4904億円と9%増えた。2006年1~6月の4兆4681億円に次ぐ過去2番目の高水準だ。

個別案件では商社による大型買収が目立つ。三菱商事はカナダで新型ガスの権益を2300億円で取得。丸紅も米穀物大手のガビロンを約3千億円で買収するなど豊富な資金力を生かした形だ。

地方の中堅企業による買収が増えたのも特徴だ。自動車部品の大豊工業(愛知県豊田市)は中国最大手のアルミ軸受けメーカーを買収。

中部薬品(岐阜県多治見市)は中国でドラッグストアを展開する企業に資本参加した。成長が続くアジア・新興国の需要を取り込むのが狙いだ。ネット関連のベンチャー企業による買収も増えている。

金額が公表されているM&Aのうち、10億円未満が全体の4割弱を占めるなど小規模案件が増えており、「取引先企業の海外展開などで下請け企業の危機感が強まっている」(日本貿易振興機構)との指摘が聞かれた。

米調査会社トムソン・ロイターによると、世界全体の1~6月のM&A額は欧州債務危機の影響で前年同期に比べ約2割減少。レコフと集計手法が異なるため単純比較はできないが、日本勢の存在感が高まっている。

年後半も海外M&Aの勢いは続くとの見方もある。三菱UFJモルガン・スタンレー証券投資銀行本部の別所賢作マネージング・ディレクターは「買収先の株価が下がり割安感が出てくれば日本企業にとって好機になる」とみている。』

国内の中堅・大手企業が行うM&A件数は、記事にありますように増えています。特に、円高で海外企業を買収しやすくなったことや、手元資金が豊富にあることがM&Aを加速させているようです。

企業や事業買収の最大のメリットは、短期間に新事業を自社内に取り込めたり、取り扱い事業群を拡大できることです。

買収後の最大の課題は、新旧組織間の融合です。国内中堅・大手企業は、数多くのM&Aを経験した結果、この組織融合を上手く行えるようになってきています。

事業・企業買収まで行かなくても、経営権を取らない程度に相手先に出資して、自社役員を送り込むなどして、事業連携;アライアンスを巧みに行う企業も数多く出ています。

国内の中堅・大手企業は、急変し競争が激化する世界市場で戦うために、更にM&Aや事業連携を巧みにかつ積極的に行う必要が出てくると共に、成功する可能性が高い企業も多くなるとみています。

一方、中小企業をみますと、しょうしょう異なる景色がみえます。確かに、中小企業同士、或いはベンチャー同士のM&A案件は増えていると実感しています。

M&Aする目的は、事業拡大が多く、国内市場では規模の拡大を目指して同業他社を買収する案件も多くなっています。

また、事業範囲を拡大する、或いは、新規事業分野を拡大する積極性が増え、攻めの経営を行う目的でM&Aを活用しています。

売る側は、新規投資の原資作りや、既存企業からの廃業など、様々な理由から売却を実行しています。最近増えていますのが、コア事業への集中や競争力強化のための売却です。売却益から新規投資を行うやり方です。

これは、中小企業は金融機関からの融資を受けることが困難になっていることにも因ります。

もう一つ特徴的なのは、IT業界を中心としたベンチャー同士のM&Aです。米国企業と同じように、M&Aで事業・企業を大きくしたり、売却益で新企業を立ち上げたりと、様々な目的のためにフットワーク良くM&Aを行う企業が増えています。

売却したい企業から時々相談を受けます。その中で、売却する目的が、集客の確保が困難であったりして赤字状態になっており、赤字状態からの脱却や売却益で新規事業立ち上げを目指すことにある企業があります。

しかし、例えば、過去3期連続で営業利益の段階で赤字である企業の場合、売却は極めて難しいのが実情です。

もう一つの動きとして、ここ2~3年以内の間に、10社以上の中小企業経営者から事業承継や事業承継に関わるM&A、特に事業・会社売却についてご相談を受けるようになっています。

そのうち、80%以上の企業に対して、後継者がいない場合の選択肢としての事業売却は成立しないと判断し、現時点での売却を見送るようにアドバイししました。

大きな理由の一つが、ご相談受けた企業の経営状態でした。例えば、前期3期までの営業利益が出ていない状態では、通常、売却が成立しません。赤字状態でのM&Aは基本的に成立しません。

たとえ成立しても、ほとんど二束三文的な金額でしか売却できず、売却主にはほとんどお金が残らない事態になります。

特許で担保した圧倒的に差別化・差異化可能な技術力を持っているとか、価値のある固定資産などがある、或いは、強固な商圏を持っているとかの特別条件があれば別ですが、通常のケースでは、営業利益・経常利益が赤字では、満足のいく売却が成立しないとみた方が良いです。

事業承継は、後継者がいても数年の期間をかけて、現世代経営者から次世代に引き継いで行くのが基本です。

後継者がいない場合の、事業・会社売却による事業承継も同じです。ある日、突然思い立って事業承継を短絡的に進めても上手く行きません。

最悪の場合は廃業になります。

売却するには、その前に会社経営を軌道に乗せて黒字が出る状態にしておく必要があります。会社を内面からきれいにしておくことが、満足のいく売却益を出す最善策です。

M&A、特に売却する側は、事前の十分な準備が必要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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