FPに必要な証券4要素 - お金と資産の運用全般 - 専門家プロファイル

小林 治行
株式会社コバヤシアセットマネージメント 代表
ファイナンシャルプランナー

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FPに必要な証券4要素

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                                              FPに必要な証券4要素

                                                                                                             執筆 小林 治行

 

1. 実務家FPにσ(シグマ)が必要!!

貴方は実務家FPを目指しますか?
Yes!という方、貴方は金融は得意分野ですか?
Yes!という方、A株とB株はどのくらいの割合で保有したら良いでしょうか?
いきなり、証券の話になりましたが、実務家FPを目指すという方は多いのに、金融は得意ではないという方が多いことは実務家ー所謂プロFP業界の今後の発展には問題です。
毎年アメリカに行き、FP事務所を訪問しておりますが、Fee OnlyのFP事務所の収益基盤は顧客のマネージメントFeeによって決まります。
顧客の資産が仮に100万ドルの方には年間0.8~1.0%をFeeとして顧問契約料を頂く仕組みです。
この時、大切なことは証券知識です。
アセットアロケーションの良し悪しの判断をしなければなりません。
私達FPは証券のプロではありませんから、所謂メーカー的テクニックを知る必要もなければ証券用語を屈指できるだけの知識を持つ必要もありません。
ただ視点は顧客の保有する証券が適正か適正でないかの見極め、それが出来なくてはFee Onlyが出来ないという言うことです。
でも、証券の評価は複雑で、どれが良いのか分かりづらい点が得意という人が少ない点だとおもっています。
そこで頼もしい味方がいます。
毎度おなじみ標準偏差σ(シグマ)君です。
それに相関係数ρ(ロー)君です。

計算例
             証券A    証券B
期待リターン     4%     10%
リスク(標準偏差) 10%     15%
相関係数      -0.6
投資比率      40%     60%

これを数式におき替える。
σp2(二乗)=σA2・WA2+σB2・WB2+2・WA・WB・ρ・σA・σBの式。
WAとはA証券の比率、WBとはB証券の比率、ρは相関係数を示します。
この結果を効率的フロンティアに置き換えてグラフを作ると、実は証券Aは60%、証券Bは40%が
ベターといういう評価になります。
このテクニックこそFPが知らなくてはならぬ金融知識で顧客へのアドバイスに必須です。 

2. FPにはβ(べータ)が必要!

 前回はシグマの必要性を書きました。
FPにとって必要なことはβ(ベータ)も必須です。
FPにとってはファンドの銘柄まで求められることはありません。銘柄の選択は顧客からアドバイスを求められれば、個別の銘柄をアドバイスをする事ではなく、原理・原則を教授してそれ以降は顧客の意向に任せるべきです。
顧客が保有する証券の評価はしなければなりません。
本日の講座のポイントは昨日と同じように証券Aと証券Bの保有割合の評価をβ(ベータ)でする事を覚えて置きましょうという点です。
「ベータ値」とは、市場の変動に対する株価の感応度を言います。
個別証券の収益が証券市場全体の動きに対してどの程度敏感に反応して変動するかを示す数値で、現代ポートフォリオ理論でよく用いられています。
例えば、ある銘柄のβ値が1.5ということは、市場全体が10%上昇するとその銘柄は15%上昇し、逆に市場全体が10%下落するとその銘柄は15%下落することを意味します。

例題
証券AとBの投資割合がも最も適切な割合を求めよ。
  証券Aのβ  -0.5
  証券Bのβ   1.5

回答
(1=βp)=ー0.5wA+1.5wB
1=wA+wB
この二つの連立方程式をとくと証券Aに25%、証券Bに75%の時がベストとなります。
こうした時ベータを知らなければベストの割合のアドバイスが出来ません。
ベータの求め方は
βA=証券Aの収益率と市場収益率の関係の度合い(共分散)÷市場収益率の散らばり(分散)
=Cov(RA,RM)÷σM²=ρAMσA÷σMで求められます。
いろいろ難しい数式が出て来ますが、それを全部覚えなければアドバイスが出来ない訳ではありません。
私はFPは顧客の資産の安全化のためにσ(シグマ)とβ(ベータ)を使いこなそうと提案しています。

3. FPにはρ(ロー:相関係数)が必要!

 FPに必要なポートフォリオ理論、三つ目はρ(ロー:相関係数)です。
リスクとリターンの評価する時に使うのが標準偏差です。標準偏差が大きいほど将来のリターンが読み難くなり、一方それが小さければ、リターンの予測を絞り込むことができる。
証券1と証券2を合計してリスクとリターンの適切な比率を求める時に使うのが相関係数です。
相関係数は共分散から求めます。
この計算式は金融のテキストをご覧頂くとして、FPとしてσ(シグマ)、β(ベータ)、そして今回のρ(ロー)の三つの関連式を習得しておく必要があります。
次回はCAPMです。

 

4. FPに必要シリーズ最終回はCAPM

CAPMとはCapital Asset Pricing Model(資本資産価格モデル)

ある資産の分散可能でないリスクが既に分かっていて、その資産をすでによく分散されたポートフォリオに組み入れる時に、要求されるリターンの理論的に適切な値(および、その資産の将来のキャッシュフローの期待値を見積もることができるならばその資産の価格)を決定するために用いられる。
「ウィキペディア」より)

用語の説明も難しい金融用語ですが、計算式は単純です。
E[R1]=Rf+(E[Rm]-Rf)β1
但しβ1=Cov(R1,R2)÷σm²=ρimσi÷σm

ここでβiは市場ポートフォリオの期待収益率1単位の変化に対するリスク証券iの期待収益率の変化を示すリスク概念である。
ベータが1であれば市場ポートフォリオの期待収益率1%の変化に対するリスク証券iの変化は1%でありリスクは市場と同水準である。
ベータが1よりも大きければリスク証券iの期待収益率は市場ポートフォリオよりも大きく変化するので、ハイリスクとなり、ベータが1より少なければローリスクとなる。
FPとしては、個別証券の選別までは踏み込みべきではなく、顧客の保有資産の保有比率のアドバイスを積極的にしなくてはならない。

 

以上で4要素紙上講座を終えますが、勿論この先は底が見えないくらいの理論がまっています。勉強の為の勉強にならない程度で勉強を続けて下さい。

 

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