日経記事;『全量買い取り、太陽電池の雲行きは?』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『全量買い取り、太陽電池の雲行きは?』に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月1日付の日経新聞に、『全量買い取り、太陽電池の雲行きは? 京セラ社長 久芳徹夫氏に聞く 政策に頼らず企業努力』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『再生可能エネルギーの全量買い取り制度が1日、始まる。原子力発電所事故で日本のエネルギー政策が問われるなか、国内では7月以降、発電能力1000キロワット以上のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設計画が110件以上も計画されている。太陽光パネル大手の一社、京セラの久芳徹夫社長に市場の展望などを聞いた。

―全量買い取り制度で太陽光パネルの国内市場はどうなる。

「数量面では追い風に乗るだろう。住宅向けの伸びもあり、メガソーラーをはじめとした産業用と合わせた国内市場は2倍に拡大するとの予測もある」
 
―京セラの太陽電池事業の見通しは。

 「前期の太陽電池事業の収支は赤字だった。だが今期は黒字化し、営業利益率で最低でも5%以上を達成したい。海外製のパネルとの競争は続くが、太陽電池は耐久消費財であるがゆえに信頼性が何より大切だ。当社は37年前から太陽電池事業に取り組んできた実績があり、消費者の信頼を得られるはずだ」

―需要が拡大するなら、生産能力を増強する必要はないのか。

「今のところその必要はない。海外製品との競争が激化する一方、欧州向けの輸出も減ったため、生産能力には余力がある。全量買い取り制度が始まり、国内向けが足りなくなる場合は、欧州のチェコ工場で組み立てたものを逆輸入するなど工夫して対応する」

―定款を変更し、発電事業にも参入した。

「7月に鹿児島県で太陽光パネルを約29万枚敷き詰め、7万キロワット級の発電能力を持つメガソーラーを着工する。製品から施工、事業運営まで一貫して自社で完結する当社の特長を生かし、パネルの新規受注にうまくつなげたい。発電事業はリスクが高い面もあり、メガソーラーそのものを主体にする考えはない」

―欧州では電力会社の買い取り価格が下がり、経営破綻する太陽電池メーカーも出た。

「ドイツの問題は最初の買い取り価格を高く設定し、消費者や企業の電力料金負担が重くなった点だ。それを是正しようと政府が買い取り価格を下げた結果、パネルの需要が急激に減少した。政策と普及の兼ね合いを調整するのがいかに難しいかということだ」

「日本市場はまだ太陽光発電所の規模が小さく、買い取り価格が変動したとしても、影響は少ないだろう。国が政策でコントロールし、再生エネの将来像をきちんと描くことが重要だ。我々メーカーとしては、政策に頼らず、中長期では自立できるよう、コストダウンや変換効率の向上など今まで以上の企業努力を続けるしかない」』


本日、7月1日より、再生可能エネルギーの全量買い取り制度が実施されます。6月28日付のブログ・コラム(タイトル名;日経記事;『再生エネ新設、原発2基分 メガソーラーや風力』に関する考察)で書きました様に、当面主流となる再生可能エネルギーは、太陽光と風力です。

現時点では、メガソーラー(大規模太陽光発電所)や風力発電所の新規事業計画は、全国で計200万キロワット超に達し、これは原発2基分に相当します。

同日付の日経記事によると、電力業界は現在の送電インフラで受け入れ可能な太陽光は1千万キロワットとしているとされます。原発10基分であり、現在の計画量の5倍に相当します。

太陽光などによる電力を電力会社が買い取った費用は電気料金に上乗せされ、電力会社によって異なりますが、標準的な家庭ではことし8月から1か月当たり75円から111円が上乗せされます。

日本の再生可能エネルギーの全量買い取り制度は、ドイツが手本の一つになっています。ドイツでは、再生可能エネルギーの買い取り価格のうち、既存エネルギーの売電価格との差額分を消費者負担によりカバーしています。日本の制度も同じです。

ドイツでは、消費者負担は固定価格化した2000年から10年間で10倍以上に増加しました。10年間で約100円強/月の負担額が1000円強/まで上昇しました。

この結果、消費者の不満が高まり、ドイツ政府は全量買い取りをやめ、買い取り価格も段階的に引き下げています。

スペインでも太陽光“バブル”が発生。電力会社の料金を低く抑え、買い取り価格との差額を財政負担している同国政府はこれに耐えられず、価格引き下げや新規買い取り凍結などに追い込まれている状況です。

日本でも、買い取り価格は通常の電気料金に比べ割高に設定されています。投資回収を容易にするためですが、再生エネの普及が一気に加速すれば、ドイツやスペインと同様の事態に陥る可能性があります。

本日の記事で、有力太陽光パネルメーカーの一つである京セラの久芳さんが、メーカーとしては政策に頼らず、中長期では自立できるよう、コストダウンや変換効率の向上など今まで以上の企業努力を続けるしかない」と述べていることに共感すると共に、他社を含めた国内メーカーの実行に大きく期待します。

消費者が再生可能エネルギーによるコストをカバーし続ける仕組みは、長続きしません。再生可能エネルギーの拡大に応じて、コストダウン、信頼性向上、熱変換効率の向上や、維持運営コストの低減化など努力を継続して行い、超伝導による送電技術の改良やスマートグリッドとの組み合わせによる最適な発電・使用方式の確立などを積極的に行うことが必要です。

この分野には大きな成長性が見込まれますので、国内市場で勝ち抜いた企業は世界市場で勝ち残れることになります。

京セラのほか、シャープ、東芝、日立、パナソニックなどの有力企業がこの業界で技術革新を、材料メーカーや発電事業者などと共に行っていくとみています。

また、電気機器の節電対応も更に継続・強化していきます。国内企業の総合力で、再生可能エネルギーを既存エネルギーと同等なコストレベルにする開発ロードマップの作成が必要です。

政府が再生可能エネルギーの買い取り価格の低減スケジュールを明確化して、官民挙げて、例えば太陽光発電のコストを火力など既存の電力と同等の料金水準まで下げることの早期実現が重要となります。

ここに大きな新規市場が生まれます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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