日経記事;『マクドナルド、全3300店で自動仕入れ』に関する考察 - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:経営コンサルティング

丹多 弘一
丹多 弘一
(経営コンサルタント)
西野 泰広
西野 泰広
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2016年12月10日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『マクドナルド、全3300店で自動仕入れ』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 経営コンサルティング
  3. 経営戦略・事業ビジョン
情報・知識 ビジネス雑感

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月30日付の日経新聞に、『マクドナルド、全3300店で自動仕入れ 在庫通知で食材到着 作業時間8割減 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『日本マクドナルドホールディングスは2013年をめどに店舗からの食材などの発注業務を全3300店で廃止する。

店舗の在庫を物流会社に知らせるだけで、必要な食材が自動的に届く仕組みに切り替え、仕入れに関する作業時間を従来よりも8割削減する。従業員の慢性的な人手不足の中で作業を効率化し、待ち時間の短縮など接客サービスを向上する。

マクドナルドの各店で必要な食材や資材はパンやコーヒー豆、カップなど約160種類。これまでは従業員がネット経由で週あたり平均5回程度の頻度で発注していた。

今回の新システムを導入すれば、各店が在庫量を物流業者に知らせるだけで済む。物流業者は過去にマクドナルドの各店から発注を受けた膨大なデータをもとに需要を予測し、必要な分の食材や資材を各店に納品する。

マクドナルドの卸・物流業務を請け負っているフジパングループ本社の子会社、富士エコーなどが手掛ける。

新システムにより仕入れにかかる店舗側の作業時間を8割程度削減できる見通し。すでに導入している一部の店舗では、これまで発注時間に1時間程度かかっていたが、数分程度にまで短縮できたという。

これまで店側は発注内容を確認するのに手間がかかったり、従業員の熟練度によって発注精度にばらつきが出たりしていた。このため店舗によっては必要な量を調達できずに従業員が近隣の店まで取りに行くこともあった。

こうしたケースが1店舗あたり月16件程度(10年)発生していたが、これを新システムの導入によって15年までに10年比で6割減らす。

外食業界は慢性的な人手不足に陥っており、少人数で店舗を運営して収益を上げる仕組み作りが求められている。店舗での発注作業をなくせば、その分の時間を接客サービスに振り向けられるほか、コスト削減にもつながる。

小売業界では一部の大手スーパーなどが商品の自動納品システムを導入している。飲料水や加工品などの在庫量が一定水準を下回ると店舗に自動納品される仕組みだが、外食業界では珍しい。』
 

現在、日本は人口減少が起こっており、2005年をピークに毎年15~20万人のペースで人口が減少しています。今後、経済状態が好転してくると、若い世代を中心に人手不足の問題が発生する可能性があります。

外食業界は、記事にありますように慢性的な人手不足に直面しています。同時に離職率も他業界に比べて高い状況です。

慢性的な人手不足、離職率の高さは今や業界を揺るがす深刻な問題です。アルバイトを募集しても、全く人が集まらないことが頻繁にあるとのこと。「1年間でほとんどのアルバイトが入れ替わることもある」と言われているのが外食産業です。

人手不足が顧客サービスの質に影響しますと、顧客満足度を下げると客離れを起こし、売上減少になります。

同時に、管理業務の質も上げないと、記事にありますように食材の在庫切れを起こすような致命的な問題も出てきます。

人手不足に加えて、離職率も高いため仕事を良く知った従業員の確保が難しい状態になります。

このような慢性的な人手不足と、高い離職率の二重苦の問題を解決するため、マクドナルドが選んだのは、自動発注方式です。

在庫数量のみを冷凍物流倉庫業者に連絡すれば、今までの出荷実績をベースに、必要出荷量を自動計算して、出荷する仕組みです。

製造業で採用している「定量発注方式」に近い考えです。「定量発注方式」とは、製品を作ることで資材在庫が減り、在庫がある水準(発注点といいます)に達したときに発注する仕組みです。この時の発注量を一定にするので、定量発注方式といいます。

発注点=1日あたりの平均使用量x調達期間+安全在庫 の式で計算されます。

メリットは、発注経費の削減、欠品の防止、事務処理が簡単になる、発注回数が減るなどです。この方式が適用されるのは、一般的に単価の安いもの、需要が安定しているもの、手配期間が短いもの、安定して手に入るものが対象です。 

定量発注方式の質を維持・向上するためには、定期的な在庫量チェックと、発注点の定期的な見直しが必要になります。

また、季節商品のように一時期に需要が急拡大するような場合には使えません。

マクドナルドの場合は、定量発注方式の質の維持・向上を従業員に頼らないで、冷凍物流倉庫業者が持つ過去の出荷実績データに依存するようにしました。

マクドナルドの食材は、通常固定化されており、また、需要も一定水準にありますので、今までの出荷実績データを使って推測しやすい環境になっています。

更に、この出荷実績は、過去のプロモーションや季節限定商品のデータも含まれているとみますので、劇的な環境変化が起こらない限り信頼度の高いものになります。

マクドナルドの先見性は、定量発注方式を食材に適用した点で、外食産業では初めてとのこと。今後の他社にも適用されていくとみます。

上記しましたように、製造業者が定量発注方式のメリットを享受するためには、定期的な在庫量チェックと、発注点の定期的な見直しが必要になります。

この点は、従業員のスキルに依存する形になります。製造業の場合は、従業員の離職率が低いのでこのスキルへの依存が可能になりますが、外食産業は高い離職率のため難しいことになります。

より徹底した定量発注方式の開発・導入が必要と判断します。在庫数量の確認と発注点の見直しを全て自動化して、そこに従業員の関与を必要としない仕組みにするやり方です。

ITを使って、販売数量、入庫数量、在庫数量を自動的に管理して、在庫数量がある水準になったら、冷凍物流倉庫業者に自動的に発注するやり方です。

製造業の自動化倉庫では既に適用されています。多くの外食企業では、販売数量や入庫数量は、バーコードなどを使って既にデータ管理されていますので、大きな投資なしに導入可能とみます。

外食産業もネット通販と同様に、ITと物流倉庫を含めたサプライチェーンを徹底的に活用しないと勝ち残れない状況になりつつとみています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「情報・知識」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;"いすゞ,国内で生産増強 トラックなど330億円投資"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/08/05 11:02)

日経記事;安川電機、産業用ロボで北九州に新工場 に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/01/28 07:04)

日経記事;富士通・日本MS 低コスト情報システム に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/10/08 10:27)

業務の効率化や標準化 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2016/10/27 10:25)