日経記事;"トヨタ、BMWにハイブリッド車技術を供与"に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;"トヨタ、BMWにハイブリッド車技術を供与"に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月25日付の日経新聞に、『トヨタ、BMWにハイブリッド車技術を供与 燃料電池車でも提携』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
 
記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車と独BMWは環境分野の提携を拡大する。トヨタがハイブリッド車(HV)と燃料電池車の技術を供与する。燃料電池車技術を他社に提供するのは初めて。

両社は昨年、ディーゼルエンジンの調達とリチウムイオン電池の共同研究で合意したが、今回は中核技術まで踏み込み環境技術面で包括的な協力関係を築く。エコカー分野で世界大手の主導権争いが激しさを増しそうだ。

トヨタの豊田章男社長が近くドイツに赴き、BMWのノーベルト・ライトホファー社長と週内に共同記者会見して発表する。両社長が中長期の協力関係構築について表明する見通しだ。

トヨタはHVシステムや燃料電池車など先行するエコカー技術を広範囲にBMWに供与する。トヨタはHVシステムを普及させるため、昨夏に米フォード・モーターと共同開発で合意。

マツダにも技術供与するなど、提携関係の構築に積極的だ。BMWとの提携を通じてHV普及に向けた日米欧の3極体制を築く。

燃料電池車は水素を使ってモーターを動かす仕組みで、次世代エコカーの本命と目される。トヨタは2015年をめどに燃料電池車を発売する計画で、HVに続き燃料電池車でも世界規模の陣営づくりにとりかかる。

BMWからは、燃費改善につながる車体の軽量化技術の供与を受ける。BMWは炭素繊維を使った超軽量の車体開発で優れた実績がある。高強度で従来より重量を減らせる材料の開発や、効率が高い加工技術についてノウハウを共有する。

トヨタは昨年12月、排気量1600ccと2000ccの中型車向けディーゼルエンジンの調達と、エコカーに搭載する次世代リチウムイオン電池の共同研究でBMWと合意した。

今回の提携範囲拡大により、協力分野がエコカー全般に広がる。世界的に環境規制の強化が進むなか、特に規制が厳しい欧州ではBMWと組んでいち早く対応する。

欧州での現地報道によると、BMWはHV技術に関する仏プジョーシトロエングループ(PSA)との提携関係を見直す方向で検討を始めたとされる。トヨタがBMWのHV開発での新たなパートナーとなる可能性が高い。

HVや電気自動車(EV)などエコカー技術の開発には、数千億円単位の研究開発費がかかるため、世界の自動車大手は提携を通じて互いの技術を持ち寄り、自前で開発するコストを抑える動きを強めている。

2月には米ゼネラル・モーターズ(GM)がPSAに7%出資すると発表。独ダイムラーも日産自動車・仏ルノー連合とプラットホーム(車台)の共通化を計画している。』


トヨタの動きは、本ブログ・コラムでたびたび取り上げています。トヨタ、日産、ホンダ、三菱自、富士重工などの自動車企業の動き方は、中小製造業者が新規事業や成長分野で勝ち組になって、オンリーワンの世界を作るためのヒントを与えるからです。

特に、トヨタ、日産、ホンダ、富士重工には注目しており、常にウオッチしています。自動車産業が今の国内経済を支える大きな原動力の一つになっていることも理由の一つです。

トヨタは、現在、フォルクスワーゲン(VW)、GM、日産自などの世界企業と激しく競争しています。特にVW、GMとの競争は熾烈です。

昨年、国内企業は大震災、原発事故による電力供給量の制限、タイでの大洪水などの対策に追われたため、VWやGMの伸張を許してしまいました。特に、新興国市場で出遅れたため、現在、多くの施策の実行で巻き返しを図っています。

このような事業環境下、トヨタは環境対応車事業を強化する必要がある、欧州市場対策を行いました。その一環として、昨年12月、トヨタは、次世代環境車と環境技術をテーマに中長期の協力関係を築く目的でBMWと覚書を締結し、次世代リチウムイオン電池技術の共同研究について基本合意していました。

更に、トヨタは3月27日に、BMWとEVなどに搭載する次世代リチウムイオン電池の共同研究で正式契約したと発表しました。電池性能の向上を目指し、主要部品である正極と負極、電解液のそれぞれの材料を研究するとのこと。

本日の記事は、その契約内容の具体的な動きを述べています。トヨタとBMWは、直接競合する車種は少なく、顧客層の観点からも大きく競争する分野が小さい関係になります。

トヨタの狙いは、次世代環境対応車となるHV及びEVの欧州市場での売上拡大です。欧州市場では、未だディーゼル車が主流ですが、今後HVやEVの普及が進むとみられています。

更に、現時点では最適な環境対応車と言われています燃料電池車の普及も視野に入れています。

BMWにHV/EV/燃料電池車の最新技術を提供し、BMWからは炭素繊維を使った超軽量の車体開発で優れた実績がある、高強度で従来より重量を減らせる材料の開発や、効率が高い加工技術について提供されるようです。

トヨタの真の狙いは、環境対応車による欧州市場の獲得であり、これをBMWと協力して行うことです。

米国市場については、フォード・モーターと同様な提携を行おうとしており、両社との提携をてこに環境対応車で欧州及び米国市場での売上拡大を実現させようとしています。

BMWとフォードは、環境対応車のコア技術を持っていませんので、トヨタとの提携には前向きです。
トヨタとの協力で、欧米だけでなく、世界市場での勝者を狙っているのは当然のことです。

環境対応車の開発コストは、数千億円単位の巨額になると言われており、トヨタといえども単独でカバーするのは難しい状況です。BMWやフォードとの提携は、開発コストの分担も含まれています。
トヨタが組むBMWとフォードは、両社とも経営状態が良く、世界市場での「勝者連合」となる可能性があります。

例えば、BMWの2012年1~3月期の純利益は、前年同期比18%増の13億4200万ユーロ(約1410億円)だった。新車販売が11%増の42万5500台と1~3月期として過去最高。売上高は14%増の182億9300万ユーロとなっています。

お互いの強みを最大化する提携;アライアンスが非常に重要です。トヨタは現時点で最適な相手先を確保しているとみます。

今後の動きを引き続き注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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