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日経記事"凸版100億円でデータ拠点カタログ電子化/配信受託"考察

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皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月19日付の日経新聞に、『凸版、100億円でデータ拠点 カタログ電子化・配信を受託』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『凸版印刷は2015年までに100億円を投じてデータセンターを新設する。企業から印刷物の電子化や配信を請け負う事業に活用する。

スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の普及を背景に、電子カタログなどの需要が拡大するとみて中小企業などからの受託を目指す。大日本印刷も電子カタログ事業を始めており、紙から電子への移行に対応した動きが印刷業界で広がってきた。

凸版はこれまで、電子化の分野では電子書籍の事業を始めているほか、電子チラシの作成・配信受託を手がけてきた。

今後は電子カタログの作成・配信や、企業の社内マニュアルの電子化などの受託事業を本格的に始める。金融機関の顧客データなど高度な機密性が求められるデータについても扱う考えで、この場合は暗号処理なども同時に請け負う。

データセンターを設置する場所は、国内にある工場の敷地内などを軸に詰めている。電子化したカタログなどのデータを管理・配信するクラウドサービス拠点として使う。

4月には電子化などの業務を受託するための人材を育成する新組織も設立した。必要な人員は新規採用のほか、印刷事業の人員を配置転換するなどして増やし、現状の3倍の1000人強にする。

同社の12年3月期の印刷関連事業は売上高が前期比1.8%減の8907億円。企業向けのカタログやパンフレットといった「商業印刷」事業が落ち込んでいる。紙の印刷物よりもスマホで情報を収集する消費者が増えていることが理由だ。

印刷各社は本業である印刷事業の落ち込みを補うため、電子化への対応を急いでいる。大日本印刷は紙のカタログを作成すると電子カタログも同時にできあがるサービスを5月に始めた。

共同印刷は電子書籍と動画コンテンツを多機能携帯端末(タブレット)の同一画面で閲覧できるソフトを年内にも教育機関向けに発売する。』

しょうしょう古いデータになりますが、全日本印刷工業組合連合会(全印工連)は、2010年に調査に基づいた2020年までの印刷市場規模予測を発表しました。

この調査結果によると、市場規模は年々減少の一途を辿り、2020年には2010年の24%減となる4兆6,000億円(中位予測)まで縮小するとの見方を示しました。

今後10年の市場規模を楽観的な上位予測、悲観的な下位予測、中間の中位予測の3つで示しました。上位予測でも10年後には現在の8%減の5兆5,000億円、悲観的な下位予測では現在の37%減となる3兆8,000億円にまで落ち込むとのこと。

中位予測では、2020年は市場規模が24%減になることに伴い、従業者数は27%減、事業所数は32%減少すると予想。

また、10年後に生き残った印刷会社は、1社あたりの売上高12%増、従業員数8%増、1人あたりの売上高4%増となる見込みを出しました。

生き残り組に入るには、クライアントや社会が抱える諸問題を、蓄積した技術やノウハウを持って解決する「ソリューション・プロバイダー」への進化が不可欠であるとも指摘。

この「ソリューション・プロバイダー」は、顧客志向で必ずしも特定メディアにこだわることなく、様々なメディアや手法を駆使し、顧客の課題をともに解決する存在になるとのこと。

私は、この「ソリューション・プロバイダー」を顧客の要望に合わせて、紙(アナログ)にこだわるのではなく、デジタル化(電子化・電子書籍など)対応や、電子情報の加工、配信、蓄積などのトータルサービスを提供できる企業になることと理解しています。

全印工連は、全ての印刷会社に毎年市場が縮小している従来の印刷事業だけにこだわらないで、電子情報を柔軟に扱える“メディアプロフェッショナル”になって生き残れとのメッセージを出したとみます。

この事業環境に対する認識と対応方法は、合理的です。縮小する市場で従来のやり方に固執して生き残れる企業は、ナンバーワンかナンバーツーのシェアを持っているところのみです。

あとの企業は生き残れません。何故、顧客が電子情報を使いたがるのか、理由は明確です。紙に比べて、利便性がはるかに高いことによります。

特に、昨年からiPadが火をつけたタブレット型パソコンの高速普及は、デジタル化を加速させています。

米イーストマン・コダックは、2012年1月19日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をニューヨークの連邦地裁に申請したと発表しました。約130年の歴史を持つ名門企業は、経営破綻に追い込まれました。

コダックの売り上げは1976年時点で、全米フィルム市場の90%、カメラ市場の85%を占めていました。文字通りのナンバーワン企業でした。

このコダックが倒産した理由は、フイルム市場がほぼ消滅したことによります。富士フイルムは、コダックと比較されます。もともとは、フイルム市場で事業していた企業なのに、異なるデジタル市場で、大きく成長しているからです。

既存市場でナンバーワンだった企業が、市場から撤退する理由の一つが、従来ビジネスの成功体験の影響が大きく、大胆な新規事業開拓を迅速に行なえいないことです。

コダックがその事例になります。コダックは。富士フイルムと同じように、「イメージング」「メディカル」「コミュニケーション」など、フィルム事業で培った技術をベースにしつつ、その周辺分野への展開・拡大を行なおうとしていました。

しかし、事業展開速度が遅く、フイルム市場消滅前に業態変更が出来ませんでした。

現在の印刷業界に求められていますのは、富士フイルムと同じ動きです。本日記事にあります凸版の動きは、データセンターを自前で持って、積極的に電子化事業に対応し、新規事業として成功させようとしています。

私が知っています何社かの中小印刷業者も、印刷事業の注文減と注文単価の減額に直面しています。

このうちの数社は、既存紙媒体の電子化や電子書籍の作成・配布などの事業を、データセンター事業者と契約して、新規事業として立ち上げつつあります。ITベンダーとの連携・アライアンスも有効手法の一つです。高級携帯端末の普及期に、市場参入することが重要だとして支援しています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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