阪神大震災以降、ベタ基礎が主流になっています。果たして布基礎が弱くてベタ基礎が強いと妄信して良いのでしょうか?
基礎全体を耐圧版で形成して立ち上がりを地中梁として扱うベタ基礎は、施工精度の向上や、地震時に一体で抵抗する構造のため、現在では基礎の主流となっています。
一概にこの表現で間違いは無いのですが、例外的に布基礎に無いベタ基礎特有の欠点もあります。
耐圧板の一区画の面積が大きくなり過ぎると、地震とか通常でない応力が掛かっていなくても、建物の自重だけで、耐圧板が割れてしまう事があります。板チョコを割るのと同じ原理です。
これは布基礎では発生しない異常な現象です。
これを解消するためには、勘と経験に頼らず数値で構造強度を検証することです。木造住宅の場合、建築確認申請に構造計算書を添付する義務が無い為、現場では数値による検証を行う事なく勘と経験で施工されてしまうことが今でもまかり通っています。
度々発生する事故ではありませんが、一生に一度の大事業ですので勘と経験に頼らず、数値で示せる項目については、施工者さんから検討書を戴いて、数値を確認して安全を検証しましょう。内容は詳細までは判らなくても数値で安全を検証した証拠を持つことだけで、安心感は随分と違います。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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