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山中 伸枝
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閲覧数順 2016年12月04日更新

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日本国債格下げの影響について

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既にご承知の通り、2012年5月22日(火曜日)に、欧米格付け会社フィッチ・レーティングスが、日本の円建て長期国債の格付けを、「ダブルAマイナス」から、「シングルAプラス」に1段階引き下げたと発表しました。また、見通しについては「ネガティブ(弱含み)」としています。このシングルAプラスは、フィッチの格付けでは、上から5番目のランクです。

ちなみに、シングルA格は、中国(AAマイナス)より下で、韓国(AA)とは二段階下になっています。今回の格下げはフィッチとして2002年11月以来の9年半ぶりで、格下げの理由は「日本の財政健全化に向けた取り組みが切迫感に賭けると思われ、計画の遂行は政治リスクが伴う」消費税の増税についても「依然として政治的な論争の的になっている」としています。5月30日の野田首相と小沢一郎氏の面談、そして民主党内の動きを見ていると、フィッチの分析の正しさが解ります。

日本国債の格付けは、既に米国スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が昨年1月に1段階引き下げ、上から4番目の[AAマイナス]に、米国ムーディーズ・インベスターズ・サービスも昨年8月に上から4番目の「Aa3」に1段階下げています。日本の財政改革の進捗が父していれば、両社のさらなる格下げは避けられないと考えます。

現時点(2012年5月31日)では欧州の債務問題、ギリシャのユーロ脱退等の影響で、欧米の投資家は、米国債券、英国債券、ドイツ債券に資金を移動するなどの対応で、日本への関心が付すれています。そのお陰もあり、当面の破綻も予想されていないことから、日本国債に資金は流れています。ただし、6月17日のギリシャの選挙結果で一応の決着が見えた時には、日本の財政問題、政府債務の1,000兆円越えに関心が向かうと考えています。


また、国債に関わる問題として、金利ボーナスの消滅がクローズアップされています。これは、今までは以前に発行した国債の金利よりも、借り換えのために発行する国債の金利が低いことから発生する、支払利子総額の減少が先細りになってきたという問題です。


ご承知の通り、現在は史上まれにみる低金利で、長期金利の指標となる10年国債の金利は5月30日では、0.835%ですが、これは現況のユーロ危機で起こされたもので、現在は1.0%程度で推移していました。1%でも十分低いのですが、

1.今後、格付けの低下による、国債の金利上昇。
格付けが下がれば金利は上昇します。無理に抑え込むには、日銀の国債の買い入れなど副作用の大きな対策が必要になります。
2.借り換え対象の高金利時発行国債の減少による、発行額の増加。

の影響で、借り換えによる差益が減少またはマイナスなる状況に追い込まれています。
従来は借り換え対象の国債の金利>借換のために発行する国債の金利=金利差がプラスで、利払いが減少
⇒借り換え対象の国債の金利<借換のために発行する国債の金利=金利差がマイナスで、利払いが増加することになります。

何しろ、気発行分の国債の額が大きいため、平成24年の発行予定では、国債の予定発行額1,742,313億円の内、借換債券の発行額が1,123,050億円、率にして約64.45%も占めていますので、0.1%上がるだけでも、利息は単年度では1,123億円増加します。1%上がりましたら、112,305億円です。そしてそれだけのものを税収で支払う訳ではありませんから、国債を発行します。もし、全てが10年国債で賄う場合には金利だけで1%上昇で、112,305億円国債の発行額が増加することになります。
スペインやイタリア並みの6%になりましたら、673,830億円の支払い増になります。空恐ろしい金額です。

それでも、消費税を上げない、景気対策だけで増収を図ろう、社会保障も削らずに増やそうと云うのは、将来を考えていないのではと思わざるを得ません。持続不可能な状況を続ければ続けるほど、クラッシュした際の影響は大きくなります。

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