日経記事;『欧州不安 企業が自衛策』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『欧州不安 企業が自衛策』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月13日付の日経新聞に、 『欧州不安 企業が自衛策 ブリヂストン、現地2割減産 リコー、ユーロ建てで部材調達 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

[大手企業が欧州不安の長期化に備え、対応に動き始めた。ブリヂストンはタイヤ需要の減速を受け、現地工場で減産に着手。リコーは急激なユーロ安・円高の打撃を緩和するため、ユーロ建ての部材調達を増やす。

グローバル企業には2008年のリーマン・ショック後の需要急減の経験などから、ここ数年で収益環境変化への対応力を高めたところが多く、迅速な動きが目立つ。

ブリヂストンは欧州販売が1~3月にリーマン・ショック直後の水準に減速。これに即応し、現地のタイヤ工場でそれまでのフル生産から約2割の減産に踏み切っている。

同時に割高な一部製品の価格見直しも進め、需要を喚起。今後の動向次第では幅広い製品で一律の価格引き下げに動く可能性もある。

欧州売り上げが伸び悩むダイキン工業は独自の危機対応計画に沿って欧州の地域統括会社や販社で重複する管理部門を統合。緊急のコスト削減に着手した。同社は足元の欧州不安を受け事態の深刻度別に3段階の対応計画を用意。危機が深刻化すれば一段の合理化に踏み切るとみられる。

日立製作所は欧州向けの火力発電システムが今後停滞するとみて電力システム事業の売り上げ目標を下方修正する。従来は15年度に1兆1000億円の目標を掲げていたが約15%減の9500億円とする。

強みを持つ石炭火力発電システムの需要が見込めるアジアや東欧など新興国で、欧州向けの減速を埋める受注に力を入れる。

1ユーロ=100円前後と今期想定(105円前後)を上回る急激なユーロ安・円高に対しても一部企業の対策は素早い。リコーはユーロ安による売り上げの目減りを相殺するためスウェーデンやベルギーでユーロ建ての部材調達を開始。ここ数年のユーロ安傾向を受け昨春に調達本部を設置しており、為替リスクの回避に取り組む。ソニーは欧州でテレビ組み立ての現地企業への委託を拡大。同様の効果を狙う。

日本の大手企業(所在地別の収益データを開示している171社)の欧州売り上げは海外全体の2割程度を占める。また、欧州不安が今後他地域にも波及し、世界的に景気が減速するリスクも否定できない。

企業はここへ来て「世界経済の予測は無理。重要なのは環境急変に即座に対応できる力だ」(コマツの野路国夫社長)との考えを強めている。コマツは欧州不安など不安定な経済情勢に対応し昨年、世界生産などの情報管理拠点を新設。余分な在庫を生じさせない能力を一段と高めた。

国内生産が多いキヤノンは金融危機後、自動化などで将来、数千億円規模のコストダウンを実現する生産技術の研究を強化。今後、世界的な販売減速や円高があっても、新しい生産技術をベースとした内外工場でのコストダウンの上積みで対応する考えだ。』


多くの国内中堅・大手企業は、海外販売比率を増やしつつあります。これは、国内市場が少子高齢化などの影響から横ばい、若しくは、縮小傾向にありますので、売り上げ拡大を行うためには必然的に海外市場開拓・強化を行う必要があるためです。

中小企業は、このような中堅・大手の動きの影響を大きく受けますので、下請けだけでなくBtoBの事業を行っているところも、感覚を研ぎ澄ましてこれらの状況を観察・分析し、今後の対応を見極める必要があります。

最近、中堅・大手は、海外市場への対応能力を向上させています。バブル崩壊やリーマンショック後の国内市場の急速な停滞から、海外進出を強化し、円高や海外企業との激しい競争を経験した結果、欧米を中心とする海外勢の国際展開力に負けない強靭さを持つようになりました。

今、国内企業で世界市場で勝ち組に入っているところは、柔軟に国際展開を行って、コスト競争力を確保し、収益を上げられるようになりつつあります。

本日の記事は、そのような大手の活動事例について書いています。

欧州市場は、金融不安が実需に影響を与えており、例えば、今まで中国は欧州向けの輸出を一つのてこにして、経済発展を続けてきましたが、当該輸出は昨年後半から急減速しています。

国内企業の場合、生産、販売面では以下のような対応を取るとのこと。

・日立製作所;新興国で電力設備の需要開拓
・ダイキン工業;欧州販社の管理部門を集約、合理化
・ブリヂストン;欧州のタイヤ工場で2割減産、など

また、ユーロ安が急激に進んでおり、為替面での対応を取っている企業もあります。例えば、東芝はユーロ建ての現地調達比率を5割程度に増加、リコーもベルギーなどでユーロ建て調達の実施などです。

更に、生産面では、すでに円高対応を取っているキャノンの場合、国内工場の更なる自動化訴求でコストダウンを図るとのこと。

コマツも先の予測は難しいとして、市場環境の変化に柔軟に対応できる体制を、IT活用によるより柔軟な生産・在庫管理体制を作るとしています。

今回の欧州状況とは直接関係ありませんが、中国をみますと異なった状況が起こっています。中国は、世界の工場から「世界の市場」に変化しつつあります。

生産の観点でみますと、中国では低コストで豊富な労働力の確保は難しくなっています。繊維産業のように労働集約型の工場では、その影響が特に大きく、複数の日系企業が工場を中国からバングラデシュ、ミャンマー、ベトナムなどの新・新興国に拠点を移し始めています。特に最近は、ミャンマーへの関心が高いようです。

海外対応力を持つ国内企業が増えるのは大いに結構なことで、日本のグローバル対応力が強化されつつあることを意味します。

消費地に近いところに工場を建てるのは基本ですが、FTAやTPPなどの自由貿易協定の枠組みも積極的に活用しながら、市場需要の変化や為替差損などのインパクトを最低限におさえるために、更に賢く、且つ、柔軟に対応できる国内企業の更なる増加を大いに期待します。

中小企業は、中堅・大手の動きを良く観察し、取るべき対応力の向上が必要です。柔軟に、且つ、知恵を絞って考え、行動しましょう。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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