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日経記事;『丸紅、5位からのメジャーデビュー』に関する考察

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M&Aコンサルタントとしての活動 M&Aの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月12日付の日経電子版に、『丸紅、5位からのメジャーデビュー』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『丸紅がM&A(合併・買収)をテコに姿を大きく変えようとしている。収益力で見ると国内総合商社では三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事に次ぐ「5番手」で、当の丸紅社員の間からも「5位商社ですから」というフレーズが枕ことばのように聞かれた。

しかし米穀物3位のガビロン(ネブラスカ州)の買収で、穀物貿易量や保管能力で米カーギルなどと並ぶ立ち位置を手に入れる。丸紅の枕ことばは「穀物メジャー」に変わるのかもしれない。

確かに4位の背中はまだまだ遠い。丸紅の純利益は2012年3月期に過去最高を更新したとはいえ1700億円台。三菱商と三井物が4000億円台の利益を確保し、伊藤忠は前期に3000億円の壁を初めて突破した。

住友商も2000億円台の利益水準を誇る。丸紅が他社と競合した投資案件で一番札を他社に持って行かれたりすると、丸紅の社員からは自嘲気味に冒頭のフレーズが飛び出てくるという。

しかし、ガビロン買収でムードは変わりそうだ。なにしろ3000億円近くを投じる過去最大の投資先は、丸紅の世界における知名度を大幅に向上させそうだからだ。ガビロンは世界有数の穀物生産地の米国で3位の規模で、米国内で140を超える集荷拠点を持つ。

丸紅とガビロンを合わせた米国内の穀物保管能力は穀物メジャーのカーギルよりも50万トン多い950万トンに達し、ADMに次ぐ2位に浮上する。

またガビロンは3800万トンの穀物調達能力のうち800万トン程度を輸出に回せる。丸紅の今期の穀物貿易量見通しは2500万トン。

ここに800万トンが加われば3300万トンで、世界の穀物貿易量(推定2億4000万トン程度)に占める丸紅のシェアは14%程度に高まる。名実ともにカーギルやADMと並ぶ穀物メジャーの仲間入りだ。

三井物と伊藤忠は鉄鉱石、三菱商は原料炭の権益を多く抱えて収益源にしているとはいえ、豪英BHPビリトンや英豪リオ・ティント、ブラジルのヴァーレなど資源メジャーと肩を並べたわけではない。

そういう意味では、カーギルなど穀物メジャーと同じ土俵で戦える力を身につけたというのは、大きな存在感につながる。

収益面でも穀物ビジネスは大きな存在感を示すことになりそう。買収完了は9月を予定しているためガビロンが丸紅の連結純利益にフルに貢献するのは14年3月期から。

来期は純利益で200億円程度の貢献が期待できそうだ。丸紅の食料部門の今期の純利益は225億円の見通し。仮にこれに200億円が加われば、エネルギー部門(今期見通し370億円)や金属部門(同525億円)の純利益に匹敵することになる。。。

穀物メジャーの地位を手に入れれば、話は別だ。世界の人口増が続いていることもあり、「鉱物・エネルギー資源に代わり、食糧はいずれ第2の資源として台頭する」という期待は大きい。。。』

最近、国内の大手企業はM&Aを活用し、世界市場で勝ち組になる事業展開を強化しています。例えば、6月12日付の日経新聞には、日清製粉、三菱食品、日本水産、ハウス食品などの食品大手がM&Aに向け、成長投資枠の設定・拡大を進めていると報じています。

基本的には海外市場を成長分野と捉えて、海外企業を買収して足場を強化するやり方です。国内市場は少子高齢化などの影響で、横ばい若しくは縮小傾向にありますので、成長している海外で勝ち組になるための事業展開方法の一つとして、M&Aを活用します。

三菱食品の場合は、国内を含む低温の食品物流事業を成長領域と位置付け、同分野で事業投資や企業買収を検討する、としています。

丸紅は、大手総合商社の中では、収益力で見ると三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事に次ぐ「5番手」であり、この順位は現在まで大きく変わっていません。

現在、総合商社は多くの商材・サービスを扱っていますが、上位商社は資源やエネルギー関連事業が稼ぎ頭になっています。

例えば、三井物と伊藤忠は鉄鉱石、三菱商は原料炭の権益を多く抱えて収益源にしています。これに対して、丸紅は当該分野では特に大きな強みを持っていません。

丸紅は、今回、食料事業に注目し、今後も継続する人口増加により、当該事業を成長市場と位置付けて投資することを決定しました。

丸紅は、米穀物3位のガビロンの買収で、穀物貿易量や保管能力で、世界最大手の米カーギルなどと並ぶ立ち位置を手に入れられます。

記事によると、買収で世界の穀物貿易量(推定2億4000万トン程度)に占める丸紅のシェアは14%程度に高まり、カーギルやADMと並ぶ穀物メジャーになります。

丸紅は、収益源を買収で食糧事業分野の専門性を高め、一気に世界市場でトップ企業となる方法を選びました。上記食品大手と同じやり方です。

このように、M&Aは、資金力と買収後の組織融合力や活用能力があれば、短期間にある特定事業分野で、オンリーワン、或いは、ナンバーワンになることが出来る極めて有効な方法です。

最近は、大手だけでなく、中堅や中小企業もM&Aを活用して、新事業立ち上げや売り上げ拡大などを行うところが増えてきています。

しかしながら、中小企業は、人材や他の経営資源が大手・中堅に比べて脆弱ですので、いきなりM&Aを活用しようとしても難しいのが実情です。

特に難しいことの一つが、買収後の組織融合や有効活用です。せっかく買っても宝の持ち腐れになることがあります。

なお、M&Aは後継者がいない中小企業が事業承継を行う場合、有効な選択肢の一つすが、事業承継もM&Aも思いついたらすぐ出来るものでは、ありません。事前に入念な準備と検討が必要です。

以前に、ブログ・コラムで述べましたように、事業承継に絡むM&A相談件数が増えていますので、中小企業経営者に両方のことを学んでもらうためのセミナー (『中小企業事業承継の課題と実践的対応~ 後継者不在時のM&A活用と課題への対応 ~』) を、6月17日(日)に横浜関内で行うことにしました。

ご関心のある方は、セミナータイトルをクリックしてご確認ください。中小企業経営の一助になれればと考えています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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