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日経記事"電力効率利用スマートメーター,東電仕様3つの課題"考察

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経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月10日付の日経新聞に『電力効率利用のスマートメーター、東電仕様3つの課題 他電力と統一せず』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
 
記事の主な内容は以下の通りです。

『電力の効率利用の切り札と期待される次世代電力計「スマートメーター」。東京電力は月内にも仕様を固め、2018年度までに管内に約1700万台を導入する計画だ。

ただ先行する関西電力など他の電力会社と仕様統一の動きはなく、このままでは「地域独占」を強めかねないとの指摘すらある。消費者が電気を安く賢く使える環境をどうつくるか。3つの課題を整理する。

「30分ごと通信」に疑問

「30分ごとに検針データを送信」「データの暗号化などで安全性を確保」――。東電と原子力損害賠償支援機構は3月、スマートメーター調達に向け仕様案を示した。4月までに企業や個人から寄せられた改良提案は482件。機能を疑問視する声が相次いだ。

従来の電力計と異なり、スマートメーターは通信機能を備える。家庭との間で電力使用データをやり取りし、検針の省力化だけでなく需給調整に役立てる狙い。

問題は原発事故後に需給調整の緊迫度が増したことだ。政府は太陽光や風力など再生可能エネルギーの普及を急ぐが、こうした電源は天候次第で出力が変動する。

供給と需要を細かく突き合わせる必要性が高まっており、精緻なデータ把握が欠かせない。従来の発想通りの「30分ごと」でピーク対策に十分なのか。改良提案では「ほぼリアルタイムの1分ごとに把握できるようにすべきだ」との意見もあった。本当にスマート(賢い)かが問われている。

低料金実現の競争阻む

仕様策定の行方は他の電力会社や新電力(特定規模電気事業者、PPS)との競争条件に大きな影響を及ぼす。例えば新電力が1分ごとに電力消費を把握し、節電度合いに応じてきめ細かく値引きするサービスを提供しようとしても、30分ごとの東電のメーターでは対応できない。

東電仕様案はインターネットで標準的に使われる「TCP/IP」と呼ぶ規格を採用しない。家を留守にしているかが分かる電力使用データは重要な個人情報で、専用回線を使い情報流出を防ぐ狙いがある。

ただ新電力が契約家庭の使用状況を把握するには東電経由で情報を集めたり、東電仕様でないメーターに取り換えたりする必要が出てきそうだ。IT(情報技術)業界には「ネット技術を使えば低コストでデータを収集・分析できる」という声も多い。

電力会社の多くは東日本大震災前からスマートメーターの導入実験を進めてきた。「地域独占」維持の思惑から他社と異なる仕様を追求してきた経緯があるとされる。

経済産業省の委員会は5月、電力小売りを家庭まで含めて全面的に自由化する方針で一致したが、このまま電力各社のスマートメーター導入がバラバラに進めば実質的な「参入障壁」になる。

東電も総合特別事業計画に他社と機器の仕様統一を進める方針を盛り込んではいるが、「長期的検討課題」の扱い。ソフトバンクは「各社の仕様を統一すべきだ。消費者の電力会社の乗り換えを容易にする必要がある」と主張する。

地域で分断、量産できず

米国や欧州ではそれぞれ域内でスマートメーターの基本仕様が標準化されている。米ゼネラル・エレクトリック(GE)は欧州にも出荷し、年200万台規模の量産体制を構築する。

送配電網事業を担うGEエナジーの幹部は「関連機器の仕様統一がスマートグリッド(次世代送電網)や電力自由化の前提だ。そうでないと膨大なコストがかかる」と指摘する。

日本は巨大市場ではあるものの、地域ごとに小分けにされれば規模が生かされず高コストになる。スマートメーターの設置費は電力会社が負担するが、電気料金の原価に算入されると消費者がツケを払うことになる。

米調査会社IDCによれば世界のスマートメーター出荷台数は約2500万台(11年)で、本格普及はこれから。

エネルギー問題に詳しい京都大学の植田和弘教授は「情報通信の制御技術をエネルギー管理に生かせば大きな世界市場が生まれる」と予測。

東電は「改良提案を検討し、最適な仕様策定に生かしたい」と話す。電力会社が独自仕様にこだわれば、国際競争力を持つ機器メーカーやサービス事業者育成の制約にもなる。』


私は、6月8日に、日経記事;『スマートメーター量産 大崎は新工場、東光はビル向け』に関する考察 のタイトルでブログ・コラムを書きました。

その時に、国内の環境事業の競争力を高めることと、低料金でスマートメーターを国民が使えるようにするため、各電力会社が導入するスマートメーターの仕様は、共通化・標準化する必要があると述べました。

本日の記事は、各電力会社が「おらが村」の発想で各会社ごとに独自の仕様を持ち、バラバラのスケジュールでスマートメーターの設置を計画している実態を伝えています。

各電力会社は、もともと大震災前に立てていた当該メーターの実施計画に則って導入しようとしています。

震災後の電力供給状況は大きく変化しました。今、スマートメーターが必要とされていますのは、インターネットを使った双方向のシステムで、電力の需給状況をみながら多面的な発電・送電方式の中から、より効率的で最適なやり方を自動的に編み出すためです。

残念ながら現在の電力会社には、スマートメーターに対してはそのような発想はなく、個別に検針の省力化などの自社負担の軽減が優先されています。

政府は環境事業を国内の成長産業の柱の一つに挙げています。現在のままでは、各電力会社は個別にスマートメーターの導入を行い、異なった仕様・方式のシステムが乱立し、有効的かつ低コストのものが出てくるのは難しいとみます。

政府、特に経済産業省は国の競争協力強化の観点から、強いリーダーシップを発揮して各電力会社に対し、今後の多面的な発電・送電方式も勘案して、スマートメーターの仕様やITの取り込み方式などを統一化するよう、働きかける必要があります。

各電力会社は「おらが国」の発想でスマートメーターの導入を図りながら、より効率的な電力の発電・送電方式の確立に協力する必要があります。

国内の仕様が統一されなければ、国内企業はスマートメーターの海外市場開拓も難しくなります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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