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日経記事;"オリンパス、生産拠点を4割削減 医療などに集中"考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
 
6月9日付の日経新聞に、『オリンパス、生産拠点を4割削減 医療などに集中』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『オリンパスは8日、内視鏡や顕微鏡、カメラの主力3事業に経営資源を集中する中期経営計画を発表した。

世界30カ所の生産拠点を3年間で約4割減らし、2年間でグループ従業員を約2700人削減する。巨額損失隠しで2012年3月期末に4.6%まで低下した自己資本比率を早期に10%に高めるため、資本提携先選びを急ぐ。

同日発表したのは17年3月期までの計画。期間中に営業利益率を10%以上(12年3月期は4.2%)、自己資本比率を30%以上に高める。

経営資源を集中するのは内視鏡を中心とする「医療」と顕微鏡などの「ライフ・産業」。デジタルカメラを手掛ける映像事業は前期まで2期連続の営業赤字。採算性を高めるのは難しいが、高価格帯の機種に絞り込んで事業を継続する。

3事業との関連が薄い情報通信事業、旧経営陣が損失隠しに活用した子会社などは、売却や縮小・撤退の対象とする。

★オリンパスの構造改革の概要
・2014年3月期末までにグループ従業員の約7%に当たる約2700人を削減
・2015年3月期末までに、海外を中心に世界にある30の生産拠点の約4割を閉鎖
・医療など主力3事業以外の子会社を売却、清算
・低価格帯デジタルカメラの機種削減
・遊休不動産を売却
・構造改革費用は2017年3月期末までに150億円を想定
 
コスト構造の改善に向けて閉鎖する生産拠点は主に海外で、15年3月期までに完了する。人員削減は国内外で3万9千人にのぼるグループ従業員の7%に相当。一連のリストラで5年間で合計約150億円の構造改革費用を計上する。

低迷する自己資本比率について同日会見した笹宏行社長は、「4%台は極めて危険な状態」との認識を示した。5年間で30%以上に高める計画だが、「喫緊の目安は10%」とし、資本提携先選びを急ぐ考えを示した。10%達成に必要な資本は約500億円にのぼる。

もっとも提携先として浮上しているソニーやパナソニック、富士フイルムホールディングス、テルモなどは今年初めから提案をしている。絞り込みに時間がかかっているのは、損失隠しの責任を取って前経営陣が退任し、新体制となった4月20日以降に検討を本格化したためという。

同日発表した13年3月期の連結最終損益予想は70億円の黒字(前期は489億円の赤字)。カメラ事業のリストラや内視鏡の販売増が寄与、リストラに伴う約50億円の特別損失を吸収する。売上高は前期比8%増の9200億円、営業利益は41%増の500億円の見通し。財務体質の改善を優先し年間配当は前期に続き無配とする。

あわせて同日、損失隠し問題の疑惑を指摘されて解任したマイケル・ウッドフォード元社長と和解したと発表した。和解金としてオリンパスが1000万ポンド(約12億4500万円)を支払う。』


オリンパスは、8日、2013年3月期の連結最終損益が70億円の黒字(前期は489億円の赤字)になりそうだと発表しました。

新経営陣は、13年3月期の連結最終損益が黒字になるとのことであり、一連の負の遺産からの脱却を目指すためにはまずまずの船出となります。

また、オリンパスは8日、マイケル・ウッドフォード元社長と和解すると発表しました。ウッドフォード氏は英労働審判所に申し立てを起こしていたが取り下げるとともに、オリンパスがウッドフォード氏に対し約12億4500万円を支払うとのこと。

これで当面の訴訟案件は無くなり、会社経営に集中できます。今後の課題は、迅速な集中と選択です。

約150億円の費用で海外を中心とした工場の合理化を行うとしています。また、本業との相乗効果が薄い事業や会社も清算するとのこと。

本業事業は、内視鏡を中心とする「医療」と顕微鏡などの「ライフ・産業」、及びデジタルカメラを手掛ける映像事業としています。

医療及びライフ・産業は、オリンパスの強みを発揮できる分野であり、世界市場は今後も成長していきますので、中核事業とする考えは合理的です。

デジタルカメラは、競合他社が多く存在し、中級機及び低価格機帯ゾーンでは、オリンパスは苦戦しています。

そこで、オリンパスは高級機帯での高収益確保を行う計画を持っていますが、デジタルカメラ市場は、スマホに搭載されたカメラ機能の高性能化などの影響もあって、汎用化が進んでいます。

もし、オリンパスが高級機帯のみでデジタルカメラ事業を行おうとすると、汎用化の波に押されて足元をすくなわれる可能性があります。

オリンパスは、短期的に低下する自己資本比率を上げるため500億円規模の資本提携先を探しています。同時にこの提携先と本業とする事業分野で強みを強化するとの方針を発表しています。

年初より、オリンパスには、ソニーやパナソニックのほか富士フイルムホールディングスとテルモなどの国内企業から提携提案が出されています。

今回の提携は、新経営陣体制下で検討するとのことで、本格的な動きはこれからになります。記事によると、9月末までに相手先企業を選定する方針であり、提携先を選ぶ際には不振のデジタルカメラ事業の立て直しにつながるなど、業務提携で十分な成果を出せる企業を優先するとのこと。

提携希望表明企業として名前が出ていますところは、どこも500億円程度の出資は可能です。これらの企業は、成長市場である医療分野でオリンパスと提携;アライアンスを組みたいのではないかと推測しています。

もしオリンパスが、デジタルカメラ事業の強化を主目的にアライアンス先を探すとすると、相手先とのミスマッチングが起こる可能性があります。

どの事業分野であれ、世界市場で勝ち残るにはナンバーワンになることが基本です。オリンパスにとってアライアンスを組む相手は、双方の相乗効果でデジタルカメラ事業でナンバーワンになれるところが重要です。

同時に、相手先にとっては、例えば医療分野の特定事業分野でナンバーワンになれるシナリオが重要になります。

双方にとってナンバーワンになれるメリットがないと、「Win/Win」の関係は成立しません。

オリンパスの今後の動きを注目しています。中小企業にとって参考事例になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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