薪ストーブの危険性 その3 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

鈴木 克彦
株式会社マクス 代表取締役
建築家

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対象:住宅設計・構造

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薪ストーブの危険性 その3

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住宅に関する最新情報 薪ストーブ
引き続き、薪ストーブの危険性についてです。
正しい知識を持って、薪ストーブライフをエンジョイしましょう!

今回は、煙突からの火の粉や煙についてです。


住宅地において、煙突から煙や灰や火の粉が出れば、当然近所からクレームが来ます。

この問題に関しても、欧米産の薪ストーブは、ほぼ解消してくれています。

これらストーブでは、燃焼した煙が直接煙突を上って排出される訳ではなく、煙が二次燃焼室という薪が燃える部分とは違う場所に煙が運ばれ、そこに新たに流入した空気と一緒に、完全燃焼させて排出させる方式''(クリーンバーン方式)''を採用しているため、適正な操作法内で、煙突から近所迷惑になる様な煙や灰や火の粉が出ることはありません。

上記の構造のため、暖炉が発生した熱量の十数パーセントしか室内に留まらずに煙突から排出されるのに比べ、薪ストーブでは70%以上の熱を室内で利用出来ることから見ても、煙突から火の粉が出る様なことはないと思います。
もちろん、過剰に燃焼させるなど誤った使用をした場合はこの限りではありません。


ただし、特に着火時等の燃焼初期には、この二次燃焼が起こりづらく、この際に煙が出ます。

つまり、煙や火の粉が煙突の排煙部分(煙突先端)に見える可能性がある訳です。
法的に薪ストーブの設置が許されない場所はないと思いますが、無用なトラブル回避のため、近所への事前の挨拶は、絶対にしておくべきでしょう。


ちなみに、「触媒式」という燃焼方式の薪ストーブは、この二次燃焼をかなり初期段階から行ってくれます。
ただし、触媒式特有の「コンバスター」と言う部分のメンテナンスが必要で、結構面倒です。


薪ストーブの危険性は、次のその4で最後です。
もう少し頑張りましょう!