日経記事"スマートメーター量産,大崎 新工場,東光 ビル向け"考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事"スマートメーター量産,大崎 新工場,東光 ビル向け"考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. アライアンス・事業提携
経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月8日付の日経新聞に、『スマートメーター量産 大崎は新工場、東光はビル向け』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『電力計各社は次世代電力計「スマートメーター」を量産する。最大手の大崎電気工業は年産100万台の工場を年内に新設。東光電気と東芝は共同出資会社を通じてビル向けの新製品を販売する。

電力使用データを家庭と電力会社が通信でやり取りし、節電につなげやすいスマートメーターは国内で7千万台の需要があるといわれる。積極投資や新商品の投入で成長市場を巡る攻防が激しくなる。

大崎電気は年内に埼玉事業所(埼玉県三芳町)で東京電力向けのスマートメーターを生産する新工場を建設する。東電が仕様を決めて正式発注すれば量産時期を決める。

10月にも東電が家庭用などのスマートメーターの購入先を決める第1次入札を実施、大崎電気など電力計各社が参加する見込み。

東電はその後も入札を継続し、2018年度までに家庭向け契約数の約9割に当たる1700万台の機械式電力計をスマートメーターに転換する方針だ。大崎電気は落札状況に合わせて、生産を年100万台にまで増やしていく。

関西電力へは大崎電気の子会社、エネゲート(大阪市)が実証試験用のスマートメーターを納入している。今後、同社は量産設備を設置して、年100万台規模での生産を始める。大崎電気グループの年産規模は将来200万台になる。量産へ向けて今年度はグループで約50億円を投資する。

東光電気と東芝が出資する東光東芝メーターシステムズ(東京・港)は、高電圧で一括受電を行う商業ビルやマンション向けのスマートメーターを開発し、販売を始める。

この分野は電力小売りが自由化されており、電力会社の入札とは別枠で、いち早くスマートメーターの普及が進み始めている。まず、野村不動産が13年に売り出す省エネ型マンション向けの専用メーターを販売する。

分譲マンションの各戸に空調や照明などの用途別電力使用量と電力料金を表示するパネルを設置し、電力の使いすぎがすぐ分かるようにする仕組み。各家庭が使用量の上限を自由に設定し、その範囲に収まるよう家電などの利用を管理できる。

三菱電機も試験的にスマートメーターの生産を始めており、量産することを検討している。米ゼネラル・エレクトリック(GE)と富士電機の合弁会社であるGE富士電機メーターは、試験的に導入する関電などへ納入している。

国内の電力計市場は大崎電気が約5割のシェアを持つほか東光東芝、三菱電機、GE富士電機メーターの合計4社が通信機能のない従来型の機械式製品を供給してきた。』

スマートメーターは、従来の電力計とは異なり、光ファイバーや無線などにつなぎ、通信機能を持たせた電子式の電力計のことです。

電力計本体の中に、通信装置や電力測定に必要な半導体やプリント基板を搭載し、家庭やオフィスの電力消費状況を30分おきなどに電力会社へ送信する機能を持っています。

電力消費のピーク抑制に役立つほか、電力会社が検針業務を自動化できますので、コスト削減にもつながります。

国内の既存電力計の置き換え需要中心に、7000万台の市場規模があるとされています。東芝が2011年7月にスマートメーターの世界大手企業である、スイスに本拠を置くランディス・ギア社を買収したことは話題になりました。

国内では、大崎電子が50%のシェアを持ち、その他は東光東芝、三菱電機、GE富士電機メーターの合計4社が市場を分け合う構図になっています。

各社はこれからスマートメーターの量産に入ります。しかし、その前に解決する必要のある課題が存在しています。

データ通信方法などのスマートメーターに対する要求仕様の共通化・標準化です。欧米市場では仕様の標準化が進んでいるため、海外メーカーは量産効果でコスト競争力を高めています。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)の場合、250万台以上の出荷実績があり、通信部品を除いた価格は1台1万円程度で日本よりも安いとされています。

国内のスマートメーターを携帯電話と同じ、ガラパゴス状態にしてはいけません。現在、各電力会社は、スマートメーターの仕様を個別に検討しているようです。

東京電力の場合、現在、通信を無線にするのか有線にするのか、検針を何分おきにするのかなどといった仕様を検討しており、6月中にも固めるとされています。

記事によりますと、「東電の当初案では検針が30分ごと。各家庭の電力消費量をきめ細かく分析し、蓄電池などと連携して電力消費のピークを抑制するには、欧米の一部で実施しているようにインターネットを通じてほぼリアルタイムでデータを送受信する必要があるとの指摘もある。」と書かれています。

電力会社、メーカー、他の関連企業も含めた横断的なつながりをもって、スマートメーターの仕様を、早急に共通化・標準化する動きを開始する必要があります。

また、国内の共通化・標準化される仕様は、先行する欧米仕様も参考にしながら、可能な限り独自仕様にしない工夫も必要です。

スマートメーターを世界市場で売るには、国内メーカーが量産効果を上げられるようにして低価格品を供給できる事業環境にすることが必要です。

スマートメーターは、今後国内企業が世界市場で勝ち組になれる環境事業の一翼を担う製品である、価格競争力を持つことは極めて重要です。

本来は、スマートメーターの主需要者である電力会社(例えば、東京電力)に仕様の共通化・標準化の旗を振ってもらうのがベストですが、今まで「おらが村」的に個別で動いてきた企業文化をみると現状では困難とみます。

各個別企業が動けないのであれば、政府や経団連のような組織が横串機能を発揮して、早急に対応する必要があります。

再度言いますが、携帯電話の二の舞は断じて避ける必要があります。国内メーカーのスマートメーターを世界に普及させるための、熱意と知恵、及び、行動力が必要です。

関連企業や団体は、横断的なアライアンスを組んでスマートメーターが日本のライフライン(プラットフォーム)の一つであるとの認識を持って事業することが重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム