日経記事;『中堅企業の技術、中国で脚光』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『中堅企業の技術、中国で脚光』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月4日付の日経新聞に、『中堅企業の技術、中国で脚光 地下水浄化や工場排出物測定 成長機会 海外に 』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『地下水浄化、大気汚染物質測定、廃油処理など環境関連のニッチ分野で独自技術を持つ中堅企業が中国でビジネス拡大に動き出した。

環境対策が一巡した国内では需要が限られる技術も、水不足や環境汚染問題の深刻化で政府が対策に取り組み始めた中国では「稼げる技術」になる。電機、プラント大手が省エネ設備などで新興国進出を加速しているが、中堅企業にも商機が広がっている。

水処理装置のナガオカ(大阪府泉大津市、三村等社長)は年内にも中国東北部の遼寧省瀋陽市で工場を稼働させる。上下水道事業を運営する瀋陽水務集団などと資本金約3億円で合弁会社を設立。地下水をくみ上げる取水装置や、地下水に含まれる不純物を取り除く装置を生産する。

降水量が少ない東北部では水不足の懸念が強く、地下水を使う場合も水質管理が課題。ナガオカの技術は表面が網目状になった金属管を地中に埋め込み、地下水を集める。くみ上げた水は空気を混ぜて不純物の鉄やマンガンを取り除く。

ナガオカの2011年6月期の水関連装置の売上高は約10億円。中国では1億円程度だが、将来15億~20億円を見込む。瀋陽市を足がかりに、今後は上水施設の整備が見込まれる「地方農村部の需要を開拓していく」(三村社長)方針だ。

工場廃液などの処理装置を製造する大和化学工業(大阪市、土井潤一社長)は工場が排出する揮発性有機化合物(VOC)の測定を始める。VOCは光化学スモッグの原因物質の一つだ。

7月にも中国南部の広東省仏山市に環境計測会社と合弁会社を設立する。資本金120万元(約1440万円)の45%を大和化学が出資する見通し。現地では家具工場の塗装工程からVOCが大量に出る。測定した濃度のデータを環境保護局に逐次送信する。

同社は廃液の処理過程で生じるVOCガスを活性炭で回収する装置を製品化しており、VOC測定を装置売り込みのきっかけにする狙いもある。

自動車の使用済みエンジンオイルを回収・再生する東亜オイル興業所(千葉県八千代市、碩孝光社長)は、瀋陽市郊外にプラントを建設する計画だ。回収後に油と水分を分離し、微細なゴミを取り除いて重油などに再生。ボイラー燃料などとして販売する。

プラントは来春にも着工し、秋には完成する見通し。プラントの規模は未定だが、採算ラインに乗せるためには年間6千トン以上の生産が必要という。同市内の自動車販売店と組んで廃オイルを安定調達する考えだ。

国内では自動車保有台数の減少に伴い「廃オイルが手に入りにくくなり、今後も成長が期待できない」(経営企画室)ため、自動車市場が拡大する中国に活路を求める。』

環境対応技術は、国内企業が世界市場で高い競争力を持っている分野の一つです。中小・中堅から大手までの多様な国内企業が、独自の環境対応技術を開発・実用化しています。

環境対応技術は、着実に技術改良を重ねて、機能・性能を向上させるやり方で進歩・進化していきます。国内企業が得意とするやり方であり、顧客から出される強い改善要求に鍛えられてきたことも一因です。

このようにして鍛えられて改善・進歩してきた国内企業の環境対応技術は、世界ナンバーワンのものが多く存在し、且つ、日々進化しています。

環境対応事業は、国内企業にとって世界市場で展開できる成長産業の一つです。この観点からみますと、上記記事にある、国内中小企業が差別化・差異化可能な技術を持って中国進出することは多いに意義があります。

今後は、中国だけでなく同じように環境悪化の事態改善を行う必要がある、インド、タイ、インドネシア、ベトナムなどの国々にも進出することが大事です。

国内で培った技術で世界市場で事業拡大を目指す姿勢は必要、且つ、重要です。国内だけにとどまっていては、売り上げ拡大が見込めないためです。

中小企業の中国進出に関しては、気を付ける必要のあることが幾つかあります。最も重要なことは、ノウハウ・技術の流出です。

一般的に、中国企業は他社が持っている技術を盗んだり、模倣したりすることについて罪悪感が乏しいです。

中国企業の基本的姿勢は、「ボクのものはボクのもの。キミのものもボクのもの。」的な姿勢という前提であると仮定した方が安全です。

私は、以前、国内中小企業と上海にある中国企業とのアライアンス支援を行いました。その時に、国内企業が持っていた技術・ノウハウの機密保持や使用許諾のやり方に関し疑問があり、最終的にはこれらの知的財産の流出や模倣を避けるため、協業を解消しました。

中国企業と付き合う時は、疑問点を徹底的に明確化して行うことが重要です。私が国内企業を支援する時は、「性悪説」を前提に、知的財産を守る工夫を最大限行いながら、中国企業と付き合うようにしています。

契約の視点からは、機密保持契約、覚書、ライセンス契約、売買契約などを相手側としっかり会話して、当方に不利にならないように締結します。

中国は経済発展に伴って起こっている環境悪化を認識しており、例えば、中国政府は昨年発表した第12次5カ年計画で環境・省エネ対策を柱の一つに位置付け、関連産業を戦略的に育成する方針を盛り込んでいます。

このため、天津、大連などの大型都市計画では日本で説明会を開き、企業誘致にも力を入れているとのこと。

中国政府のもくろみは、国内企業の誘致に加えて、環境対応に応用される自前技術の確立にあります。

中国に進出する中小企業は、相手側の中国企業が中国政府の意向を受けてアライアンスを組んだり、合弁することを前提に付き合う必要があります。

是々非々ベースで付き合います。例えば、合理的な条件でライセンス契約を結んで、技術・ノウハウを供与することは問題ありません。

また、技術供与や部品・製品の販売に際しては、技術・ノウハウのコア部分を可能な限りブラックボックス化して提供する工夫も必要です。更に、事業分野によっては中国で特許取得する必要もあります。

各企業ごとに色々工夫して、積極且つ、慎重に中国などの海外市場に進出しましょう。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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