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日経記事;『データセンター 涼求め北海道へ』に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月2日付の日経新聞に、『データセンター 涼求め北海道へ 電力最大6割減 NECやさくら、節電需要に対応』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『インターネット上のデータを保存するインフラのひとつ、データセンターの先端拠点開設が北海道で相次いでいる。夏でも涼しい気候を生かし、さくらインターネットやNECが電力消費を最大6割減らす施設を開設。

北海道なら広い敷地の確保が容易で、大規模な施設もつくりやすい。夏場の電力不足を背景に、首都圏などからデータを移す動きに対応する。

札幌市中心部から車で北に1時間弱。緑豊かな道を走ると銀色の大型建築物が姿を表す。インターネット向け専用のデータセンター運営会社、さくらインターネットが昨年11月に開いた「石狩データセンター」だ。

敷地面積は東京ドームとほぼ同じ約5万平方メートルで、2棟の建屋にサーバー収納用の箱を1000個配置できる。作動時に大量の熱を出すサーバーを冷やすため、北海道の涼しい外気を取り入れる「外気空調」と呼ぶ仕組みを採用。エアコンだけで冷やす一般的な施設と比べ、施設全体の電力消費を4割減らした。

施設の一角ではNTTデータの子会社が電気の無駄を減らす新技術を試験中。電気を使う際に、交流と直流を何度も切り替えるのをやめ、1度の変換で済むようにする。実現すれば電力消費がさらに2割程度減り、外気空調と合わせた節電効果は6割になる。宮下頼央センター長は「電気代を節約しサービス料金を引き下げる原資にしたい」と話す。

NECは今年3月、札幌市郊外の丘陵地に敷地面積約4万1000平方メートルのデータセンターを開設した。北海道では4カ所目のセンターで、省エネ性能を徹底追求した。

サーバーは廃熱口のある背面が熱くなりやすい。そこで、2つのサーバーを向かい合わせに置き、その間からそれぞれの背面に向かって冷気を流す手法を導入。少ない冷気で効率的に熱を逃がす仕組みだ。エアコンも効率の高いタイプにし、空調の電力消費を従来より6割削減する。

具体的な利用企業名は明らかにしないが、ネット関連企業のほか、一般企業や自治体が運営するサイトのコンテンツを格納する例が多いという。

地元企業も参入をうかがう。旭川市のシステム開発会社、コンピューター・ビジネスは今年4月、本社の一部を改装してデータセンターにした。低い外気温の効果で電力消費を首都圏より2~3割削減。専用棟の建設も視野に、外気空調など最新設備の導入を検討する。』


昨年の大震災以降、データセンターの需要は急増しています。データセンターを使えば、企業は自社内でサーバーを管理する必要はなくなり、IT管理専任者も置く必要がないので、IT機器やシステムの保守運営コストを削減できます。

また、火災、地震、津波などの事故があっても、データセンターにデータが保管されていることにより、手元にパソコンとインタネットがつながる環境があれば、何時でもどこでも必要な時に必要な情報を見たり加工できます。

データセンターの価値が理解され、国内では多くの自冶体や企業などが活用を開始しており、社会の重要なライフラインになりつつあります。このようにデータセンターの需要は、伸びていきます。

このように良いことづくめのデータセンターですが、一つ大きな課題があります。巨大な電力消費量です。

巨大な電力消費は、二つ理由があります。一つは、データセンター内で使用されるサーバーです。
もう一つは、サーバーを守るための冷房装置です。

サーバー本体の電力消費量は、ハードウエア及びソフトウエアメーカーの努力で、従来製品に比べると、単体レベルでは低下してきています。

しかし、データセンターの需要増を反映して、サーバーの設置台数は増えていますので、サーバー全体の電力消費量の削減は難しいのが実情です。

サーバーは熱に弱く、セ氏40度以上になると「熱暴走」と呼ぶ誤作動を起こしやすくなります。サーバーを収めた部屋は熱い夏でも室温をセ氏20度台に抑えなければならず、空調に大量の電力を使うとのこと。

サーバー本体からでる発熱が原因です。この発熱量をおさえる工夫は色々とメーカーで検討・実行されています。

上記と同様にサーバー本体の設置台数が増えますと、発熱量の合計はどうしても巨大なものになります。

東大のスーパーコンピュータを使用しているデータセンターが昨年稼働できなかったのは、電力消費量が巨大になるからでした。

データセンター運営会社は、電力消費量を下げるための施策の一つとして、記事にありますように、北の方の寒冷地に置くことを始めました。

これは、空調のための電力消費量を抑えるためです。都心にある標準的なデータセンターの場合、サーバーを入れる高さ2メートルの箱1台につき月平均1万キロワット時の電力を消費すると言われています。

記事によると、札幌の最高気温は年間の平均で22.0度。東京(27.1度)や大阪(28.4度)より5度以上低く、特に夏場には電力節約の効果が大きいとのこと。

しかし、国内のデータセンターが、例えば、北海道に数多く集中すると、地震や津波などの大震災が起こった場合のリスクヘッジや、巨大な電力消費量になり、電力供給量の制約を受ける可能性に対することを考える必要性がでてきます。

データセンターの一極集中化は好ましいことではありません。巨大電力消費量の原因の一つとなっている、空調にかかる大量の電力量削減の工夫をして、国内に分散させる工夫が必要です。

エアコンや冷凍機本体の低消費電力化対応は、今後もメーカーの努力で続けられますが、それ以外に、より効果的な断熱材の使用やエアコン・冷凍機間の配管方法の改善などで、大きな投資なしに電力消費量を削減できる方法が世の中に存在しています。

多くのすぐれた技術やノウハウが、中小企業から提案・実行されつつあります。これらの技術を積極的に取り入れて、データセンターを北に偏らないで設置・運営する工夫が必要です。

中小企業にとっても大きな事業機会が生まれます。環境対応しながら、売上拡大を可能とます。

データセンター運営会社のより柔軟な発想と行動力を期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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