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日経記事;"パナソニック、本社人員半減 次期社長が実施"』考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月29日付の日経新聞に、『パナソニック、本社人員半減 次期社長が実施へ 3000~4000人、配転や希望退職』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
 
『パナソニックは2012年度中をメドに、本社の従業員約7000人を半減する方向で調整に入った。配置転換や希望退職を募り、3000~4000人を削減する。

テレビ、半導体事業や三洋電機のリストラに続き、手つかずだった本社のスリム化にも踏み切り、意思決定を速める。一連の事業構造改革に区切りをつけ、成長分野の環境へ経営の軸足を移す。

パナソニックが本社の人員を大幅に削減するのは初めて。業績のV字回復へ、聖域を設けず組織を見直す。

削減対象となるのはパナソニックの国内従業員約10万人のうち、本社部門に所属する約7000人。調達や品質保証、情報システムなど事務部門4000人と研究開発部門2000人、生産技術部門1000人が主な対象になる見通しだ。

早ければ7月にも、早期退職の募集や子会社への異動などについて、労使協議入りする見通し。その上で今秋にも早期退職者を募る。13年3月末までに数百人程度を募集するとみられる。

研究開発や生産技術などの機能を分社し、本社から新会社に従業員を異動させることも検討している。調達部門などでは関連が深い事業に配置転換する案も出ている。

本社のスリム化は、6月末に就任する津賀一宏次期社長が手がける最初の経営改革になる。本社体制の見直しを踏まえ、13年3月期に連結最終黒字で500億円という計画の必達を目指す。今後、役員の削減や事業部門の再編などに乗り出す可能性もある。

パナソニックは12年3月期に7721億円と過去最大の連結最終赤字を計上した。前期はテレビや半導体などの不振事業で人員を削減したほか、三洋電機の白物家電を中国ハイアールに売却。グループの従業員数は12年3月期末で約33万人と、期初に比べて約3万人減った。

事業部門の再編や整理を進める一方で、本社は「聖域」扱いされてきた。「破壊と創造」を掲げた中村邦夫社長(現会長)や、大坪文雄社長の時代も改革は進まなかった。

パナソニックは長年にわたり商品開発などで事業部が強い権限を持ってきた。01年度に上場以来初の最終赤字となったのを受け、本社機能を強めた。各事業部に共通する機能を本社で一括管理したこともあり、人員が増えた面がある。

電機業界では韓国勢など海外メーカーとの競争が激しく、意思決定のスピードが業績を左右する。過大な本社組織は、事業部門との連携・調整に時間がかかるといった弊害が目立つようになってきた。』

このところ、毎日のように、「集中と選択」に関する記事が報じられています。特に不振が続く電機業界が目立ちます。

本日のパナソニックに関する本社人員削減記事もその一つ。今回の記事のポイントは、本社機能を見直し、機能・組織を簡略化して、意思決定のスピードを速める狙いがあるとのこと。

この本社機能・組織の簡略化は必要なことであり、積極的に行うべきです。このことを突き詰めると、パナソニックのような国内に基盤を置くグローバル企業が、世界市場でどのような事業展開を行っていくかということと深いつながりが出てきます。

本社機能は、グループ機能の経営方針を決め、内部調整しながら実行することと、会社全体の動きを統括・管理する機能が求められます。

パナソニックはもともと、事業部の権限が強い企業でした。記事にありますように、2001年に赤字に陥った時に、事業部間で持っていた共通機能を本社に移しました。

各事業部の管理人員は減って、本社機能と人員は増えたことになります。パナソニック全体では間接部門の人員が減少出来たとみます。

それまで、各事業部は自分でコントロールしていた機能を本社に移しましたので、事業部は本社との調整に時間と手間を今まで以上に取られることになります。

しかし、パナソニック全体でみると、管理費用の圧縮を図ることが出来るので、その面を優先したのでしょう。

集中した本社機能を有効に生かすには、世界市場への事業展開方法と各事業部コア部分を明確化して、企業としての事業の方向性を決めた後は、各事業部にその実行の部分を任せることが必要です。

本社機能と各事業部の役割分担を明確化した後は、各事業部の役割と権限を増やした方が速い意思決定が出来るようになります。

しかし、過度に事業部に権限が集中し過ぎると、事業の重複や不合理な部分が出てくる傾向があります。

本社機能は、各事業部の役割と自主性を尊重しながらグループ全体の経営を上手く行うことになります。

本社機能と事業部間のバランスは、事業環境などでも変化していきますので、常に最適なやり方を意識しながら、やり方を工夫していくことが肝要です。

以前、本ブログ・コラムでも書きました様に、日立は合理化を行う過程でそれまで集中していた中央研究所の機能を、市場や事業現場に近いところに移しました。これは、研究開発の成果と売上を直結することを狙ったことによります。

本社機能と人員が増えると、一般的にグループ総体としての意思決定を行うまでに時間を要するようになる傾向があります。これは、内部調整が増えることによります。

パナソニックは、今後、環境事業を成長の柱に置こうとしています。この分野では、欧米及びアジアに強力なライバルが存在しています。

また、他の記事ではパナソニックは、新興国や新・新興国市場で白物家電の売上を拡大する方針と報じられています。

本社機能は、今後、これらの成長可能事業を最強にするための支援に徹する必要があります。単に人員を減らすのではなく、成長エンジンを最速にして、競合他社に打ち勝つやり方にする必要があります。

迅速な意思決定を阻む要因は、徹底的に排除することが大事です。集中と選択にメリハリをつけて、成長分野に特化したスリムな本社機能を打ち出すことを強く期待します。

欧米やアジア勢は例外なく、迅速な意思決定を行なって果敢に世界市場を攻めています。パナソニックは、環境事業などでこの競合他社のスピードに打ち勝つ必要があります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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