日経記事;"「選択と集中」のウソ 撤退に見合う投資 不可欠"考察 - 事業・企業再生全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;"「選択と集中」のウソ 撤退に見合う投資 不可欠"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月28日付の日経新聞に、『経営の視点「選択と集中」のウソ 撤退に見合う投資 不可欠』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『先週の水曜日、ある米国人技術者の訃報が流れた。ユージン・ポーリー氏。享年96歳、テレビのリモコンの生みの親だ。

米二大家電メーカーの一つゼニス・エレクトロニクスで47年間働いたポーリー氏は、1955年に光線でチャンネルを変える「フラッシュ・マチック」を開発した。いま我々がソファから離れずにテレビのチャンネルを変えられるのは、彼のおかげだ。

1950年代に進んだテレビの技術革新で、ゼニスと並び大きな役割を果たしたのがRCA。カラーテレビの標準方式を作り、1953年にはビデオレコーダー(VTR)の実験に成功している。

しかしテレビ産業の礎を築いた両社は80年代に「選択と集中」を続けた結果、エレクトロニクス産業の表舞台から姿を消した。ゼニスは韓国LG電子、RCAは仏トムソンの1ブランドに納まっている。

80年代にRCA、ゼニスがとった行動は、今の日本の電機大手にそっくりだ。安く大量に作ることが得意だった当時の日本メーカーとの競合を避け、「次世代技術」に集中した。

やがて両社からの生産受託で力をつけた日本メーカーに、世界市場を奪われ、体力を失ったため、虎の子の次世代技術を市場に広めることもできなかった。米企業が道をつけた技術で稼いだのは日本企業だった。

あのころの日本メーカーを韓国、台湾メーカー、米メーカーを日本メーカーに置き換えれば、そのまま現代の構図になる。

「パナソニック、ソニー、シャープの家電3社は前期に過去最大の赤字を出したが、『選択と集中』で社会インフラに軸足を移した日立製作所や東芝は利益を上げている」という見方もあるだろう。

家電3社が苦しむテレビ事業で、日立、東芝はいち早く海外への生産委託を進め赤字の芽を摘んだ。それ自体は迅速な経営判断と評価できる。しかし気になるのはテレビに代わる成長事業が見えないことだ。

例えば日立は、かつて世界の先端を走ったメーンフレーム(大型汎用コンピューター)や半導体事業をやめ、パソコンをやめ、米IBMから買収したハードディスク駆動装置(HDD)事業を売却し、テレビの国内生産も打ち切った。それに見合う新規事業は生まれていない。

今の日本の電機大手は「選択と集中」の名の下に「撤退」を繰り返しているように見える。「メディアも同罪」としかられそうだが、新たな投資の決断を伴わない単なる撤退を、安易に「選択と集中」と呼ぶべきではない。

「撤退」は固定費の削減で一時的な増益につながる。だが、それだけでは事業規模が縮小し、成長が止まる。持続的に成長するために経営者は「投資の決断」を下さなくてはならない。

「選択と集中」を唱えたのは経営学者のピーター・ドラッカーで、それを実践したのがゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチ元会長とされる。

ウェルチ氏が「選択と集中」で売却したのが、当時GE傘下のRCAである。撤退を繰り返したRCAは、ウェルチ氏に捨てられた。その後GEは撤退に見合う投資で復活した。』


私は、会社勤務時代に「集中と選択」の真っただ中にいました。私の先輩、同世代、或いは後輩たちも「集中と選択」の渦中におり、仕事も個人的な生活も色々と激変し、色々な意味で多くの人たちが影響を受けました。

電機業界では、まだこのような状況が続いています。

上記記事にありますように、「集中と選択」と単なる合理化は全く異なるものです。私も幾つかの中小企業の「集中と選択」を支援しています。

この「集中と選択」の過程で大事なことは、既存事業の売上拡大・新規事業立上と、合理化(コスト削減)を同時に行なうことです。

合理化を行う目的は、固定費削減と運転資金の確保です。今の金融機関は、中小企業が資金繰りに困った時に簡単に融資をしてくれないのが実態です。

従って、売り上げ減から資金繰りの悪化に直面すると、中小企業はあっという間に倒産します。
合理化は待ったなしで行う必要があります。

しかし、合理化だけを行っていては、じり貧になるだけで、売り上げ減⇒コスト削減の悪循環に陥ります。もともと、経営基盤の弱い中小企業は売り上げ減の状態を長く続けることが出来ません。

そこで、知恵を絞って自社内の潜在技術や販売能力など全ての経営インフラを見直して、差別化・差異化可能なものを導き出します。

それをてこに、他社との事業連携(アライアンス)や政府や自冶体の補助金施策などを活用しながら、既存事業の売上拡大か、新規事業の立上を短期間行うことになります。

経営者の迅速な意思決定と行動が全てです。もたもたしているとあっという間にじり貧になり、倒産する事態になります。

大手企業も実情は中小と同じです。異なる点は、資金繰りなどを含めて経営体力が中小企業よりあることだけです。

従って、大手企業も「集中と選択」は、既存事業の売上拡大・新規事業立上と、合理化(コスト削減)を同時に行なう必要があります。

実態は異なります。私が所属していた企業や他企業をみていますと、多くの企業は合理化を優先するか、又は、それのみを先行して行なっています。

このような事態になる理由は、企業毎の状況が異なりますので、一概には言えません。一つの理由として言えるのは、経営者や経営陣の能力で出来ないことです。

しょうしょう極論を言いますと、合理化は誰でも出来ます。しかし、自社の経営状況をみて、既存事業の売上拡大・新規事業立上のための施策を考え、実行できる経営は簡単ではありません。

各企業のトップは、この判断を出来る人がなる必要があります。

私は、中小企業経営者が「集中と選択」を行う時、かってIBMやGEが行なったやり方を参照するよう、アドバイスしています。

IBMやGEのやり方を学ぶのではなく、当時の経営者が「集中と選択」の過程の中で、合理化を行いながら、コア事業をどう再定義し、そこを強化していったか経営者としての方向性の出し方をみてもらいたいのです。

経営者にとって、どの分野に新規投資して事業基盤を強化していくか決めて実行することが求められています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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