日経記事;"ルネサス最大1.4万人削減台湾企業に主力工場売却"考察 - 各種の事業再生と承継・M&A - 専門家プロファイル

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日経記事;"ルネサス最大1.4万人削減台湾企業に主力工場売却"考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月26日付の日経新聞に、『ルネサス、最大1.4万人削減 台湾企業に主力工場売却』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『業績が悪化している半導体大手のルネサスエレクトロニクスは、主力の鶴岡工場(山形県鶴岡市)を台湾企業に売却するとともに、従業員の約3割にあたる最大約1万4千人を削減する方針を固めた。

退職金などリストラ費用をまかなうには1千億円超の資本増強が必要で、主要株主のNECや日立製作所などに支援を要請する。世界首位のマイコン事業に経営資源を集中し、再建を図る。

半導体業界ではDRAM大手のエルピーダメモリが法的整理に追い込まれ、米マイクロン・テクノロジーによる買収交渉が進んでいる。ルネサスもシステムLSI(大規模集積回路)の最先端工場を外資に売却することになり、日本の半導体産業の苦境が一段と深まってきた。

ルネサスは鶴岡工場を台湾積体電路製造(TSMC)に売却する方針で、交渉を進めている。TSMCは半導体メーカーから委託を受けて生産に特化するファウンドリーの世界最大手。鶴岡工場の従業員約1400人は同社が引き継ぐ。

システムLSIで最大の生産拠点である鶴岡工場では、薄型テレビやデジタルカメラなどデジタル機器向けの半導体を生産している。国内テレビ市場の縮小などで稼働率が低下。固定費の負担が重くのしかかり、業績悪化の要因になってきた。

製品や主要顧客ごとに仕様が異なるシステムLSIは、少量多品種で生産効率が悪い。鶴岡工場売却を機に、製品を大幅に絞り採算改善を急ぐ。任天堂のゲーム機向けなど重要な製品はTSMCに生産を委託し、供給を続ける。

富士通、パナソニックと続けてきたシステムLSI事業の統合交渉を加速し、6月末までの合意を目指す。ルネサスは3社の事業を統合してつくる新会社に、スマートフォン(高機能携帯電話)用半導体を開発する子会社の従業員など、1千人超を移す方針。

液晶テレビ用半導体をつくる福井工場(福井県坂井市)など、複数の拠点の閉鎖も検討している。ルネサスの従業員は4万2800人。これら事業や拠点の統廃合に加え早期退職の募集などにより、人員削減の合計は全体の約3割にあたる1万2千~1万4千人に達する見込み。

ルネサスはリストラ案を主取引銀行に提示した。人員削減や工場閉鎖にかかる費用として、主要株主などに対し1千億円超の増資引き受け要請を検討している。議決権ベースで合計9割を握る日立製作所、三菱電機、NECの電機3社のほか、海外のファンドにも出資を打診する。』


米国の市場調査会社であるIC Insightsが2012年2月に発表しました資料によると、2012年は、世界半導体市場統計(WSTS:World Semiconductor Trade Statistics)が定義した33の半導体製品分野(カテゴリ)の中で下記マイコンが成長を維持するとのこと。

・NAND型フラッシュメモリ⇒15%の成長
・無線通信向けロジックIC⇒15%の成長
・32ビットマイコン⇒15%の成長

上記三つのカテゴリは何れも2011年比15%の成長が見込まれています。

NAND型フラッシュメモリ市場は、ここ数年の間、最も高い成長を達成しています。これは、モバイル機器、とりわけスマートフォンやタブレット端末の市場が大きく成長しているため。SSD(Solid State Drive)の需要の高まりを受けて、NAND型フラッシュメモリ市場は2012年もそのメリットを享受し、成長するとみられています。

無線通信向けロジックICには、スマートフォンおよびタブレット端末向けのアプリケーションプロセッサなどが含まれ、ここも成長分野となるとのこと。

これらのマイコン市場で、ルネサスは、約30%のシェアを有し世界トップメーカーとなっています。

本日の記事は、ルネサスが得意分野のマイコンに経営資源を集中して勝ち残りを図るやり方について書いています。

収益の足を引っ張っていたシステムLSI事業の大幅な合理化を行います。システムLSIの主力工場をTSMCに売却するための交渉に入っているとのこと。

システムLSIは、かってルネサスの主力製品でしたが、顧客ごとのカスタム品に特化した結果、競合他社の汎用品との価格競争に負けて巨額の赤字に直面していました。

たびたび、日経などでシステムLSIの赤字脱却策について報じられていました。富士通やパナソニックなどもシステムLSI事業の赤字に直面しており、ルネサスと事業統合が話されていました。

システムLSIは、家電業界の液晶テレビと同じで完全な汎用品となっており、価格競争の状態に入っています。

仮に、ルネサス、富士通及びパナソニックの3社連合が出来たとしても、システムLSIの製品群を大幅に見直して、収益の上がらないカスタム品は撤退し、競争力のある汎用品で勝負することが必要です。

システムLSI事業に関しては、このような集中と選択が出来ない場合、全面撤退することも考える必要があります。

何れにせよ、ルネサスはシステムLSIを主力事業から切り離して、身軽になる必要があります。また、液晶テレビ用半導体事業も売却や撤退を考える必要があるとみます。

ルネサスが得意のマイコン事業に経営資源を集中させるやり方は合理的です。現在、約30%の世界シェアを持っていますが、今後は、マイコン専業メーカーとして当該シェアを倍増させるくらいの高い目標を持って行なう徹底さが重要です。

マイコン事業をさらに深化させて、世界の競合他社を寄せ付けない不動の地位を確保することが大事です。

大手企業といえども、幅広い製品群で勝負する時代ではなく、専業メーカーとして世界市場で勝ち残っていく必要があります。それが半導体や電機業界に求められています。

ルネサスは、迅速、且つ、徹底的な集中と選択を行って世界最強のマイコン専業メーカーとして、勝ち組になることを大いに期待します。

ルネサスが集中と選択の成功事例と一つなることを希望します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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