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日経記事;"パネル復活へ日本勢動く 提携戦略を加速"に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月25日付の日経新聞に、『パネル復活へ日本勢動く 提携戦略を加速』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主内容は以下の通りです。

『テレビ事業の不振にあえぐ電機大手が、経営再建に向けた提携戦略を加速する。シャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と、中国でスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末向け液晶パネルの共同事業を始める。

ソニーとパナソニックも有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルの早期量産を狙い、提携交渉に入った。韓国サムスン電子に対抗できる勢力となるか。

シャープは鴻海グループが中国・成都に建設する中小型液晶パネルの工場に、先端技術を供与する方向で最終調整している。

2013年の稼働を目指す新工場に、シャープが社員を派遣し、高精細パネルの表示方法や生産管理技術などを供与する案が有力だ。

「規模」を味方に

鴻海グループがシャープに9.9%を出資し、事実上の筆頭株主となることで合意したのは3月末。それから約2カ月で、協業の舞台はシャープの液晶パネル工場がある堺市から、中国に広がることになった。

シャープの危機感は強い。2012年3月期には過去最大となる3760億円の最終赤字を計上した。今期も300億円の赤字を見込む。

再建には電子機器の受託製造サービス(EMS)で世界最大手である鴻海の「規模」を味方につけるしかない、と判断した。中国のスマートフォン事業でも協力を検討している。

鴻海グループとの協業に突き進むシャープは24日、テレビ用液晶パネルの生産体制を見直すと発表した。

堺工場の運営会社であるシャープディスプレイプロダクト(SDP)に7%を出資するソニーは、6月末までに持ち株をSDPに100億円で売却。

SDPは大日本印刷と凸版印刷へ新株を発行する。シャープのSDPへの出資比率は現在の93%から最終的に38%に下がり、鴻海との共同運営に切り替える。

ソニーも交渉

ソニーも前期は4566億円の最終赤字となった。同社は1月にサムスンと液晶パネルの合弁事業を解消。有機ELテレビの早期量産に向けて、パナソニックと技術提携交渉を進めている。

ソニーとパナソニックが研究してきた有機ELパネルの生産方式は異なる。両社が成果を分かち合うことで、コスト負担の軽減を狙う。

低コストで大型パネルを量産できる技術を確立できれば、年内の有機ELテレビ発売を表明しているサムスンやLG電子に対抗できるとみている。

復活をかけたそれぞれの提携交渉。どれだけ速やかに実行に移せるか、日本勢が競争力を取り戻すカギとなる。』

上記記事から、ソニーとパナソニックの提携について考えを述べます。

自動車業界は、ホンダを除く全ての企業が他社と提携して、環境対応などの高額投資を抑えるなどのリスク分散を行っています。

自動車業界では、1社単独で巨額になる投資をカバーすることは、ほとんど不可能な状況になっているためです。

従って、各高度技術を持っている企業同士がお互いに持っていない部分を補完し合う形で、勝者連合になるような組み合わせを行っているケースが多い状況です。

自動車も家電のデジタル機器と同じように、水平分業型の事業構造になりつつあるとみています。

国内の家電業界の場合、今まで製品レベルで大手企業同士が提携をしたことはほとんど例がありません。

有機ELテレビ事業で、ソニーとパナソニックが提携し共同で事業化することになると、家電の歴史上では画期的なことになります。

この提携でソニーとパナソニックが目指す必要があるのは、『勝者連合』になることです。勝者連合とは提携した企業が、当該事業分野でナンバーワンになることです。

言わば勝利の方程式を提携で作り実現することです。サムスンなどの韓国勢に打ち勝つ必要があります。

注意すべきことは、中途半端な形での提携を行わないことです。単に開発コストを抑える、或いは開発期間を短縮する、生産コストやリスクを下げるなどの目的で、提携すると失敗する可能性があります。

液晶テレビで圧倒的なシェアと売上を確保しているサムスンと戦って、有機ELテレビで勝者になるには、開発、設計、生産、販売の全ての分野で提携して、1台でも多くのテレビや関連機器を売るための施策が必要です。

液晶テレビは、汎用化し値下げしないと売れない価格勝負の製品になりました。この製品に新規投資を行わない、或いは、製品数を減らしていくやり方は合理的です。液晶テレビはソニーやパナソニックの主力事業にはならないでしょう。

有機ELテレビを再び両社のテレビ事業の柱にするのか、或いは、タブレット型パソコンやスマホなどのディスプレイに特化して、付加価値を高めて事業するのか、または、両方を共に行なって相乗効果を出していくのか、明確化する必要があります。

有機ELテレビも将来、液晶テレビと同じように、汎用化します。ソニーとパナソニックが有機ELテレビを本格的に行うのであれば、市場が飽和した時に、残存者利益を出せるようにナンバーワンとなっていることが非常に大事です。

もしナンバーワンになるためのシナリオ作成が困難であれば、有機ELテレビ事業を行うことは得策ではありません。サムスンを上回るような生産量を確保できなければ自社生産で採算を確保し続けるのは難しい状況になります。

事業再生を行いながらナンバーワンにるには、ソニーとパナソニックが持っているものを全て共有、且つ、活用するような思い切った大きな青写真となる提携が効果的です。

現在、ソニーとパナソニックは、提携シナリオを交渉中とのこと。両社の強みを最大化する大型提携になることを期待しつつ、引き続き注目していきます。

何度もいいますが、小型の中途半端な提携では時間とコストのムダ使いになります。
ソニーとパナソニックの復活を期待して。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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