日経記事;"電機各社、工場を多重活用 投資抑え需給に即応"考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;"電機各社、工場を多重活用 投資抑え需給に即応"考察

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皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月22日付の日経新聞に、『電機各社、工場を多重活用 投資抑え需給に即応東芝、洗濯機・TVを同じ従業員で ソニー、複数種の生産運営を統合』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『電機各社は少ない投資で生産品目や人の配置を柔軟に組み替えられる生産体制をつくる。東芝はインドネシアで液晶テレビを増産するため洗濯機工場の建屋を使う。

ソニーはテレビやビデオカメラの国内7工場の運営を一体化、複数品目を柔軟につくり分ける。自動車の混流生産に似た発想を取り入れ、設備投資を抑えつつ需給変動の影響も受けにくくする狙いだ。

東芝は、ジャカルタ近郊にある液晶テレビ工場の敷地内に現在、洗濯機工場を建設中。12年夏に完成する予定で、同年末に稼働した後は同じ従業員で洗濯機とテレビの両方をつくれるようにする。

同社はインドネシアからの液晶テレビの出荷台数を2015年度までに年700万台と11年度の2.3倍に増やす計画を打ち出している。12年度中に月産能力を30万台から50万台に引き上げるが、建屋は今回、新築せず余剰スペースと洗濯機工場を有効活用する。

テレビの増産投資は約10億円と低く抑えることができるという。テレビと洗濯機は繁忙期が異なるため、従業員の配置を柔軟に変えれば余剰人員を抱え込まずに済む利点もある。

ソニーは4月から生産子会社のソニーイーエムシーエス(ソニーEMCS、東京・港)に国内7工場の生産管理機能を統合した。

これまで3つの組織に分散していたソニーEMCSの管理機能をまとめることで工場間の連携を強化。個別品目の需給変動に応じ効率的な生産体制を築く。

最近ではブルーレイ・ディスク(BD)録画再生機や家庭用ゲーム機を手がける木更津サイト(千葉県木更津市)でゴーグルのように頭に装着して映像を楽しむヘッドマウントディスプレーの生産を始めた。

すでに各拠点は少量多品種の生産体制だが、生産管理の一本化で機動的に混流生産ができるようにする。

キヤノンは昨年、中国広東省のコンパクトデジタルカメラ工場でビデオカメラの生産を始めた。国内の中核拠点である大分キヤノン(大分県国東市)からデジカメとビデオカメラの混流生産ノウハウを移した。

キヤノンは15年までに、大分など国内2工場で、デジカメ本体や交換レンズの一部機種を対象にロボットだけで組み立てる完全自動化ラインの構築を目指している。それまでは混流生産の仕組みを海外にも広げる方針で、必要な多能工の育成に力を入れる。』


5月14日に、日経記事;『キヤノン、デジカメ生産無人化 世界初』に関する考察 [ビジネス雑感] のタイトルでブログ・コラムを書きました。

キャノンがデジカメの無人化工場を作り、労働コストを下げて国内を含めて、低コストでデジカメを作れるようにする積極的な動きについて述べました。

本日の記事では、キャノンを含む大手電機メーカーが、生産方式を多様化して、効率向上により製造コストを下げる攻めのやり方を取り始めたことについて書かれています。

理由は、液晶テレビに代表されるように汎用化した製品の事業から、海外企業や他社との競争に打ち勝って利益を出すには、生産コストを徹底的に下げる必要があるためです。

デジカメも、現時点ではキャノンやソニーの国内勢が世界トップシェアを持っていますが、海外企業が力をつけて商品力が向上してきますと、価格競争が起こります。韓国、台湾、中国メーカーは、市場シェア獲得のため、一定程度の商品力を確保すると安値攻勢をかけてきます。

この安値攻勢に耐えられる生産方式の検討と実行が始まっています。

また、新興国や新・新興国に電機製品を売るためには、当該市場にあった機能・性能・価格を持ったものを提供する必要があります。

一般的には、よりシンプルで使いやすく、安い製品となります。

各電機メーカーが上記生産方式のやり方を変えるもう一つの理由は、当該市場が要求する製品を柔軟に且つ低価格で提供することにあります。


さて、この新しい生産方式を現地で実施し効果を上げるには幾つかの課題があります。

先ず、各工場の労働者が複数の生産品目や作業内容に習熟する必要があります。また、作業内容を可能な限り単純化して、労働者が苦労しなくても複数の異なった作業を出来るようにする必要があります。

或いは、工場全体の労働者数を減らして、少数の熟練工で複数の生産品目や作業を行う方法もあります。この熟練工には一定程度の賃金を払います。

どちらのやり方を取るにしろ、一定程度の労働者は辞めていき、何時も新規雇用と訓練が必要でるあるとの前提で事業計画を立てることが重要です。

工場で同じ労働者が安定して作業するのは、日本だけであるとの前提が必要です。勿論、上記記事にあります大手電機メーカーは多くの海外工場を稼働していますので、このことは織り込み済みと理解しています。

また、電機製品で混流生産や工場の多重・多用活用のメリットを最大限に出すには、開発・設計の上流までさかのぼって考えることが大事です。

部品やブロックの共通化、部品やブロックの取り付け方法を含む組立方法の簡素化・共通化などが必要になります。

製造作業方法や品質検査項目や内容なども上記した通り簡略化・標準化しておき、新人でも短期間の訓練で習得できるようにしておきます。

同じ労働者が可能な限り長期間働くような人事制度の工夫も必要になるでしょう。

このように現時点で想定したただけでも多くの課題が列挙できます。しかし、現在の国内電機メーカーがおかれている状況をみた場合、このような積極策を考え、実行すると各企業の足腰を強くすることが期待できます。

先進国市場での汎用化対策と、新興国や新・新興国市場開拓の大きな武器の一つになります。

キャノンは、記事によると、デジカメについては完全自動化を目指しており、この混流生産はそれまでの過渡的な方法とのこと。たくましさを感じます。

各企業の対応を今後も注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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