国債の販売(消化)はどのように為されるのか - 投資計画・ポートフォリオ作成 - 専門家プロファイル

吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:お金と資産の運用

柴垣 和哉
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2024年04月24日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

国債の販売(消化)はどのように為されるのか

- good

  1. マネー
  2. お金と資産の運用
  3. 投資計画・ポートフォリオ作成

前回は、日本国債はどのような法律に基づいて発行されているのかをご紹介しました。
では、それらの国債は誰でも購入できるのでしょうか、実は我々一般投資家が購入できる国債と、機関投資家が購入できるものとの違いがあります。

表をご覧ください。最初に市中発行分として、平成24年度は1,545,313億円が予定されています。通常は、カレンダーベース市中発行額が機関投資家の入札によって購入するものです。
カレンダーベース市中発行額とは、予め額を定めた入札により、定期的に発行する国債の4月から翌年3月までの発行予定額の総額を云います。

どのようなものが発行・入札されるのかが次表です。


例えば、24年度は40年債は、1回につき0.4兆円を4回発行する予定と書かれています。2年債は2.7兆円ずつ12回入札する予定です。2年債の総額は32.4兆円に為ります。この1回ごとに機関投資家が入札に応じます。
従いまして、夫々の機関投資家によって、価格も価格も異なります。例えば、券面が100円として、1.0%の国債でも、99.55円で200億円、99.57円で100億円、99.45円で200億円等、一つの金融機関でも価格と量を異なって札をふり、自社ができるだけ有利な価格で必要な量を手に入れるよう、担当者の腕が競われる場でもあります。

回が記載されている予定だけで、年間72回、月にすると6回ですので、営業日ベースでは、3~4日に1回のペースで入札が行われています。もし、これが不調に終わると大変です。それがギリシャで起きている事柄です。ドイツでは、かなりな頻度で未達(目標より少ない落札金額)になることが度々あるそうです。日本では過去に1回あっただけと記憶しています。

金融機関は購入できない国債の1つが、個人向け国債です。10年変動国債は3、6、9、12月に募集があり、翌月に販売・購入できます。その他窓販用にも発行されています。24年度の予定は5,000億円です。表を見て解りますように、我々からすると想像のつかない3兆円ですが、個人向けへの販売は発行予定額の約1.7%に過ぎません。
殆どが機関投資家によって落札されています。

個人が国債を購入する場合、個人向け国債は固定3年債、固定5年債、変動10年債のほかに、証券会社等で、2年、5年、10年、20年の利付国債(固定金利)が購入できます。
その他に、国内債券を対象とする投資信託を購入することで、間接的ですが、国債を購入する事になります。
以前にコラムを書きましたが、MMFも短期・中期の国債が含まれています。

参考としている主な資料、財務省HPとダウンロード可能な資料、日本銀行HPとダウンロード可能な資料、川北隆雄著「日本国は幾ら借金できるのか?」「国際ドミノ」文春新書刊、カーメン・M・ラインハート&ケネス・S・ロゴフ著「国家は破綻する」「金融危機の800年」日経BP社刊、野口悠紀夫著「大震災からの出発」東洋経済者刊、野口悠紀夫著「日本を破滅から救うための経済学」ダイヤモンド社刊など

face bookページ オフィス マイ エフ・ピーを開設しています。
http://www.facebook.com/#!/officemyfp

宜しければご一読ください。

☆セミナーやご相談は根拠の明示及び実証データをもとにご説明します。
お気軽にお問い合わせください。

★毎月資産運用・ライフプランのセミナーを開催しています。
宜しければご参加ください
http://www.officemyfp.com/seminerannai.htm

文責
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP(R)
宅地建物取引主任者
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー 
吉 野 充 巨
独立系顧問料制アドバイザーの紹介
http://profile.ne.jp/w/c-64005/
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html

『このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべてご相談者及び読者ご自身に帰属いたします。
投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』

このコラムに類似したコラム

「増加する金融詐欺」 荒川 雄一 - 投資アドバイザー(2024/04/25 14:27)

「日本国債の売買動向」 荒川 雄一 - 投資アドバイザー(2023/09/14 16:13)

「新たな“顧客利益ルール”」 荒川 雄一 - 投資アドバイザー(2023/04/13 15:37)

「家計の金融資産残高 1845兆円に!」 荒川 雄一 - 投資アドバイザー(2018/01/04 16:54)

「家計の金融資産1151万円に!」 荒川 雄一 - 投資アドバイザー(2017/12/14 16:28)