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村田 英幸
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閲覧数順 2016年12月02日更新

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オーナー社長が土地を自社に安く土地を譲渡した場合の課税

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所得税

【譲渡所得質疑応答 オーナー社長が土地を自社に安く土地を譲渡した場合の課税】

<事例>
オーナー社長であるX氏は、自らが代表取締である甲社の経営基盤を強化するため
X氏所有の土地を、売却することにしました。

そこで甲氏は、できるだけ安く売却することを考えた結果
時価が5000万円の土地を2600万円で売却することに決めました。

この場合の課税関係について教えてください
なお、甲社の株主構成はX氏が60%・残りの40%の株主は配偶者と長男です。

<解説>
X氏名義の時価5000万円の土地を、2600万円で甲社に譲渡することについては
実際の売買金額である2600万円を基にした所得税が課税されます。

ここで、注意すべきポイントは個人から法人へ時価の1/2未満の対価で資産を譲渡した
場合には、時価で譲渡したとみなして所得税が課税されます。(所得税法59条)

つまり、今回の場合X氏がこの土地を甲社に対して2000万円(時価の40%)で
譲渡した場合は、5000万円で譲渡したとみまして所得税が課税されるということです。


次に、時価が5000万円の土地を2600万円で取得した場合の甲社の他の株主に対する
影響を検討すると、時価と実際の売買価額との差額が株価の上昇要因となります。

株価の立場からすると、X氏の配偶者と長男の所有する甲社株の株価の上昇分は
X氏から配偶者と長男へ贈与されたものとして扱われます。

根拠は、相続税法基本通達9-2です(参考のために以下で全文を紹介します)


(相続税法基本通達9-2)
同族会社の株式又は出資の価額が、例えば、次に掲げる場合に該当して増加したとき
においては、その株主又は社員が当該株式又は出資の価額のうち増加した部分に相当
する金額を、それぞれ次に掲げる者から贈与によって取得したものとして取り扱うも
のとする。この場合における贈与による財産の取得の時期は、財産の提供があった時、
債務の免除があった時又は財産の譲渡があった時によるものとする。

(1) 会社に対し無償で財産の提供があった場合 当該財産を提供した者

(2) 時価より著しく低い価額で現物出資があった場合 当該現物出資をした者

(3) 対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があった場合 
   当該債務の免除、引受け又は弁済をした者

(4) 会社に対し時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡をした場合 
   当該財産の譲渡をした者

ここで注意すべきポイントは、時価の50% 以上の売買価額であっても上記の相続税法
基本通達9-2に記載されている「著しく低い価額」に該当する場合があるということです。


さらに、冒頭で時価の50%以上の価額で売買すればみなし所得税は課税されないという
所得税法59条をご紹介しましたが、たとえ50%以上の価格による売買でも

X氏の所得税を不当に減少される行為であると税務署長から認定されると
時価による売買があったものとして、所得税の再計算を行わなければなりません。


(所得税法基本通達59-3)
山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産を
法人に対し時価の2分の1以上の対価で譲渡した場合には、法第59条第1項第2号の規定の
適用はないが、時価の2分の1以上の対価による法人に対する譲渡であっても、
その譲渡が法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認》の規定に該当する場合には、
同条の規定により、税務署長の認めるところによって、当該資産の時価に相当する
金額により山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算することができる。


オーナー一族と同族会社との不動産取引には、様々な税務上の問題があります。
実際の取引に当たっては、事前に充分に検討する必要があります。


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