日経記事;"(下)日本の人材 どう守る 電機の技術流出 教訓に"考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;"(下)日本の人材 どう守る 電機の技術流出 教訓に"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月13日付の日経新聞に、『(下)日本の人材 どう守る 電機の技術流出 教訓に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

「5月末。韓国の知識経済部(日本の経済産業省に相当)傘下の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が都内である催しを開く。日本の自動車メーカーなどを退職した技術者を対象にした人材募集イベントだ。

「燃費向上のための軽量化新素材やエコカーの心臓部であるバッテリー。それらの開発を担う人材は日本が世界一豊富だ」とKOTRAの幹部は話す。同公社は日本人技術者の獲得を「戦略事業」と位置づけ、日本の拠点に専門のスタッフも置いたという。

日韓間の貿易収支は円高が進んだここ2、3年も韓国が2兆~3兆円の赤字。そのうち4割は部品や素材の分野が占めており、「韓国の現代自動車などが国産化を狙い、日本の強い分野を狙っている」と国内自動車大手の幹部はみる。

日本の技術者に熱い視線を送るのは韓国メーカーだけではない。

米ゼネラル・モーターズ(GM)は昨年、日本支社に「サイエンス・オフィス」を開設した。日本発の技術の取り込みや米国への橋渡し、さらには人材の獲得が目的だ。

GMは昨年12月、帝人と炭素繊維の共同開発プロジェクトを立ち上げた。そのきっかけをつくったのがこのオフィスだった。帝人と3月に設立した共同開発拠点はGMの本拠地である米デトロイトの近郊。日本からの最先端技術の誘致は実を結びつつある。

「日本のメーカーは技術者への処遇が悪すぎだ」。GM幹部は指摘する。GMは今後も米本社に置く「GMベンチャー」という投資部隊と連携し、人材や技術の取得に資金をつける。サイエンス・オフィスでは日本人スタッフも採用し、全国を回って高度な技術を担う開発者の引き抜きに力を入れる。

海外の自動車メーカーはなぜ日本を狙うのか。GMは法的整理を機に力を盛り返し、韓国勢も通貨安などで業績がいい。だが、米国も韓国も日本ほどは部品や素材産業の裾野が広くない。さらに自動車産業そのものが技術の大転換期を迎え、日本の強いエコカーの時代へと向かっている。

思い出されるのは液晶テレビなどで過去に起きた日本人技術者の引き抜きだ。日本の電機メーカーはIT(情報技術)バブル崩壊などで抱えきれなくなった技術者をリストラなどの名目で放出した。

高額報酬を提示され、海外メーカーの求めに応じて転職した技術者も多かった。そうした人材流出で技術も海を渡り、韓国、台湾企業の台頭を許したのは間違いない。

手をこまぬけば電機の二の舞いを演じる。日本の自動車メーカーにもそうした危機感は高まる。

日産自動車は1月、「シニア・イノベーション・リサーチャー(SIR)」という制度を始めた。燃料電池などの素材開発やIT、ロボット技術など中長期的な基礎研究に専念してもらう。公募制で、3年間に一定の成果をあげれば高額報酬を支払う。その第1期生として3人が最近、SIRに認定された。

「社内に限らず埋もれた能力は最大限発掘する」と話すのは志賀俊之最高執行責任者(COO)。今後は社外にも目を向け、日本発技術の取り込みを急ぐ。

トヨタ自動車も1月、現場の要となる課長クラス(基幹職3級)を対象に「技範」と呼ぶ新しい資格制度を設けた。特定の専門分野を極めた人材だと見なされた3級社員に対し、通常の水準より報酬を高くする。

リーマン・ショックを機にトヨタは受注量に応じて長さを変えられる生産ラインなどを開発、設備投資を4割削減しても同じ効果が得られる体制を築いた。原動力となったのが3級など熟練の社員たちだった。

円高や電力不足などにあえぐ国内自動車メーカー。人材をどうつなぎとめ能力を開花させるか。未来がかかった模索は続く。』


技術者の海外企業への流出問題は、短期に解決が難しいものの一つです。かって私が勤務していました家電会社でも、集中と選択を行う中で、当時、事業縮小した或いは撤退した事業領域では多くの技術者が職を失いました。

また、社内の配置転換で興味を持てない事業に異動させられた技術者も、多くの人が会社を辞めました。

これらの動きは家電他社も同じ状況でした。その後、多くの技術者が韓国や台湾などの海外企業から好条件で雇われたと聞いています。

これらの海外企業に雇われた技術者のうち、多くの人たちは1~3年で辞めたとも聞いています。

記事にありますように、これらの日本人技術者が持っていた高度の技術ノウハウを吸収した後は不要となったのか、労働条件が合わなかったのでしょう。

何れにせよ多くの高度技術が流出しました。現在の家電メーカーの苦境の要因の一つになっていることは間違いありません。

売上が極端に下がると固定費を支え切れなくなりますので、固定費の大きな要因となる人材カットを行う必要が出てきます。この人材カットの中に多くの技術者が含まれと、上記家電業界の問題が再現します。

優秀な技術者を社内に確保していくための方法の一つが、世界市場での売上拡大です。新規事業の立上と、既存事業では未開拓な世界市場で展開し売上拡大を図りります。

売上拡大が世界市場で可能であれば、トヨタや日産自などが行う優秀な技術者の囲い込みが可能になります。

自動車業界の場合、国内メーカーの環境対応能力は世界ナンバーワンです。この技術を関連する国内素材・部品メーカーと共に、維持・強化し続けられれば、国内メーカーは優秀な技術者を育成強化しつつ世界市場で勝ち残れます。

攻めの経営で世界市場で勝ち抜いていくことが、上記のように優秀な技術者確保と競争力の維持という、ポジティブスパイラルの関係構築が可能になる最善策の一つです。

売上拡大をしつつ、優秀な技術者に世界市場で自由闊達に活躍してもらう環境を作ることが重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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