日経記事;"パナソニック、脱「テレビ依存」で背水の陣"考察 - 各種の事業再生と承継・M&A - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:事業再生と承継・M&A

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;"パナソニック、脱「テレビ依存」で背水の陣"考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 事業再生と承継・M&A
  3. 各種の事業再生と承継・M&A
経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月12日付の日経新聞に、『パナソニック、脱「テレビ依存」で背水の陣 13年3月期、500億円の黒字見込む』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『パナソニックは11日、2013年3月期の事業方針を発表した。白物家電や電池などの事業を拡大し、最終損益を前期の7721億円の赤字から500億円の黒字に転換させる計画。

テレビなど不採算部門の改革も急ぐが、テレビ事業は販売減を見込み、赤字も残る。6月末に就任する津賀一宏次期社長ら新経営陣は、脱“テレビ依存”の収益モデルの確立へ、背水の陣で挑む。

「今年度はかつてないほど成果が問われる。何としてもV字回復を実現する」。11日夕、最後の方針発表会に臨んだ大坪文雄社長は、やや硬い表情で語った。0

6年の社長就任時に2000円を超えていた株価は、直近では570円台と4分の1の水準で低迷している。こうした状況の中で「次なる成長の手を打ってきた」と強調した。

今期の回復の原動力は赤字の主因となったテレビ事業の改革と、海外での白物家電の拡販だ。

テレビは今期、営業損益ベースで約1300億円の改善を見込む。すでに決めた設備縮小など構造改革の効果が出るうえ、機種の絞り込みや、液晶パネルの医療機器、電子黒板などでの用途開拓を進める。

韓国サムスン電子などライバルが製品化を進める有機ELテレビについて、大坪社長は「すべて自前で投資する可能性は極めて低い」と述べ、他社と協力する姿勢を示した。

ただ市場環境は厳しい。テレビ販売台数は前期に13%減の1752万台だったが、今期は1550万台とさらに減る。テレビ事業の営業損益は今期も赤字を見込む。

足元の稼ぎ頭は前期に800億円超の営業利益を計上した白物家電。今期は海外売上高を20%伸ばす計画だ。エアコンなどの白物で「現地に根付いた事業展開を図る」(大坪社長)ため、今後はドバイやロシアなど新興国に研究拠点を設ける。

リチウムイオン電池などのエネルギー事業も伸ばす。同電池では先行する自動車用に加え、中国生産によるコスト低減、スマートフォンやタブレット端末など民生用の強化で黒字化を目指す。

ただこうした施策を打っても、今期に見込む最終黒字はピーク時の5分の1以下。ようやく“止血”できるにすぎない。

成長分野と位置付ける製品もすべて順風とはいえない。例えば三洋電機の買収で手に入れた電池。モバイル機器向けのリチウムイオン電池では韓国サムスン電子が猛追、太陽電池では中国勢の安値攻勢を受け「収益性は厳しくなる」(幹部)。コスト競争力や技術力の一段の向上が不可欠だ。

それでもパナソニックは自動車部品や電子部品などで隠れた世界シェア1位の製品を多く持つ。旧パナソニック電工が得意とした電材・住設機器も、環境・エネルギーを軸とする新たな事業モデルに欠かせない。こうした“黒子”事業をいかに伸ばすかが課題となる。

新経営陣に求められるのは中長期的な成長経路を具体的に示すこと。しかし、テレビの工場や三洋買収などに巨費をつぎ込み、投資余力は限られている。

「スピード感をもってやる」。こう語る津賀次期社長は、数々の制約の中でパナソニックという会社の再定義に挑まなければならない。』

現在国内企業は決算発表を行っています。決算結果は各企業の通信簿です。各企業は、黒字を出すことは当然のことで、赤字を出すことは学校でいえば、落第と認識する必要があります。

企業は黒字を出してこそ、その企業の社会的な存在意義があります。

この観点から国内電機業界をみますと、現時点での勝ち組と負け組の差が明確に出ています。勝ち組は、以前から集中と選択を行ってきた東芝と日立などで、負け組は、パナソニック、ソニー、シャープなどです。

パナソニック、ソニー、シャープは、すでに行っている集中と選択をより一層先鋭化して行う必要があります。

しょうしょう極論していいますと、経営者トップは中小企業を経営するような感覚で、集中と選択を行わないと、経営の屋台骨が根本から崩れてしまう可能性があります。

大手企業と中小企業の大きな違いの一つが、経営資本の大きさです。中小企業の場合は、赤字を何期か続けると資金繰りが行き詰まります。多くの金融機関は決して赤字の中小企業に融資を行わないからです。

大手企業の場合、赤字状態が多少続いても直ぐに経営破たんに追い込まれません。しかし、大手といえども、赤字事業を立て直すか売却などして継続的な赤字状態からら抜け出さないと、エルピーダメモリのような経営破綻に追い込まれるリスクがあります。

パナソニックにとって、最短で行う必要のある課題はテレビ事業の扱いです。今までの事業のやり方を徹底的に見直して、この汎用化し価格勝負になった事業領域に対する経営姿勢を明確にする必要があります。

世界市場でナンバーワンは難しいとしても、少なとも、ナンバーツーかスリーを確保できる見通しを確保できなければ、継続する事業価値はありません。

ソニーやシャープのテレビ事業も同じです。事業撤退も考える必要のある選択肢です。

私は、中小企業の経営者と、集中と選択や新規事業立上などの経営支援や事業計画作成アドバイスなどの時に、現在活動している事業領域での自社のシェアなどを客観的且つ、冷静にみることを勧めています。

現在の事業領域で今後の見通しがつかない場合、自社のコア・経営資産などを棚卸して、「強み」を見直して、徹底的な差別化・差異化を図って、大手や中堅企業が入ってこないニッチ市場でナンバーワンを確保出来る新規事業立上を狙います。

この時、良く事例に出すのは、IBMのソフトウエア事業への集中と選択です。パソコンなどのハードウエア事業を売却し、得意分野に集中して結果を出しています。

パナソニックの場合、コア事業として白物家電と蓄電池事業を想定しています。新経営陣は、迅速に、世界ナンバーワンになるための経営施策を推し進め、両事業分野で他社を圧倒することが必要です。

今後のパナソニックの事業展開に注目していきます。IBMのように中小企業にとって良い事例になることを大いに期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム

このコラムに類似したコラム