日経記事;"日立12年3月期、純利益3500億円 予想上回る"考察 - 事業・企業再生全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;"日立12年3月期、純利益3500億円 予想上回る"考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

2012年5月10日
皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月10日付の日経新聞に、『日立12年3月期、純利益3500億円 予想上回る 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日立製作所の2012年3月期の連結純利益(米国会計基準)は前の期に比べ5割増の3500億円程度になったもようだ。今年3月時点の予想(2800億円)を700億円ほど上回り、2期連続で最高益を更新した。

産業機器など社会インフラ事業が好調だった。ハードディスク駆動装置(HDD)や中小型液晶パネルの事業売却益も純利益を押し上げた。

日立は13年3月期も収益の改善が続き、中期経営計画で目標とする5%の売上高営業利益率を達成する見通しだ。

前期の連結売上高は前の期に比べ3%増の9兆6000億円程度になったとみられる。予想を1000億円ほど上回った。

社会インフラ事業や情報・通信システム事業が堅調で、日立建機などのグループ企業も好調だった。連結営業利益は4100億円程度と前の期から8%ほど減少したが、従来予想(4000億円)は上回った。

日立は今年3月にHDD事業を米ウエスタン・デジタル(WD)社に売却。中小型液晶事業を官民ファンドの産業革新機構や東芝、ソニーなどと共同出資するジャパンディスプレイ(東京・港)に譲渡した。

HDD事業の売却益増加を見込んで3月に業績予想を修正したが、中小型液晶事業の売却益などでさらに純利益が積み上がった。

13年3月期の営業利益は前期推定比1割増の4600億円程度となりそうで、営業利益率は前期の約4.3%から5%強になる見通し。日立は13年3月期を最終年度とする中期経営計画で連結売上高10兆円、営業利益率5%を目標に掲げているが、利益率目標は達成できる公算が大きい。』


5月8日に、日経記事;『東芝、5割増益の3000億円 13年3月期、発電向け設備伸びる』に関する考察 [事業再生、集中と選択] のタイトルでブログ・コラムを書きました。

東芝の収益改善は、強みであるシステム・エネルギー・社会インフラに事業のコアを集中させていることが要因の一つであると述べました。

日立も東芝と同じように、社会インフラ事業や情報・通信システム事業に経営の軸足を移しつつ、他のコアとしない事業の売却や譲渡などを行ってきました。

記事にありますように、HDD事業は米ウエスタン・デジタル(WD)社に売却しました。中小型液晶事業もソニーなどと共同で設立しましたジャパンディスプレイに譲渡するなどしています。

また、数多くあった中央研究所などの研究・開発体制も見直し、事業化・市場化を見込んで技術開発を行う仕組みに変えることも行ってきました。

これらの作業は、ここ1~2年以内に集中して行ってきました。2012年3月27日には、以下の方針を発表しています。

「日立製作所は2015年度までに年間約9兆円のコストの5%に相当する4500億円を削減する。売り上げが伸び悩むなか、生産機能の集約や原材料の共同購買など全社的にコスト構造を見直し、投資余力を高める。。。」

日立も東芝と同じように、2年前から総合電機メーカーの看板をおろし、環境対応事業に集中するやり方を取ってきました。収益力を上げるため、合理化を強化してコスト圧縮を図ってきました。相当なスピードで集中と選択を行ってきました。今回の収益改善は、その結果を反映しています。

日立と東芝の業績改善は、コスト削減のための合理化とコア事業の見直し及び再強化で、再生しつつある姿を表しています。

両社にとって大きなポイントは、総合電機メーカーという百貨店的な事業形態から、事業領域の集中と選択を進めて、特定領域に専門化しつつあることです。

かっての総合電機メーカーのように多くの商品・サービス群を持っていることは強みになりません。

他の大手家電メーカーである、パナソニック、ソニー、シャープも同じ課題に直面しています。液晶テレビのように汎用化して単なる価格競争に入っている商品に多額の投資をしても資金回収は出来ません。

テレビを企業の顔として自社ブランド品として持っておいて事業することが重要であれば、ハードウエアとしての当該商品の開発などの投資は止めて、ソフトウエアやインターネット対応などで付加価値を付けて事業する方法もあります。

思い切った集中と選択を行い、強みを最大限に発揮できる事業領域で勝負することが必要です。す。

ハードウエアは、他社との連携で開発する方法が有効な選択肢の一つです。他社から購入する方法もあります。柔軟な発想で事業の見直しを行うことが、集中と選択を上手く行うコツの一つで全ての商品群に自社技術で開発することにこだわっていては、海外企業との競争に勝てません。

パナソニックの場合、家庭用市場での環境事業強化を打ち出しています。今後の課題は日立と東芝と同じように、環境事業へ特化しつつ、テレビに代表される赤字事業の立て直しを短期間に完了させる必要があります。

実行力が大事です。ソニーやシャープも同じであり、今後の集中と選択を明確化して実行することが課題解決の唯一の方法です。

日立と東芝は、良い先行例になります。
頑張れ、パナソニック、ソニー、シャープ。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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