日経記事;"プリウス 米中で年10万台生産 トヨタ,基幹部品も"考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;"プリウス 米中で年10万台生産 トヨタ,基幹部品も"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月9日付の日経新聞に、『「プリウス」米中で年10万台生産 トヨタ、基幹部品も 現地化で円高抵抗力 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車は2015年をめどに米国と中国でハイブリッド車(HV)を基幹部品から一貫生産する。生産規模は合わせて年間約10万台。

米国で主力車種「プリウス」の生産を始めるほか、すでに組み立てをしている中国で電池の現地生産も始める。

トヨタはこれまで技術流出を懸念して環境対応車の柱に位置づけるHVは国内生産が中心だった。だが円高などで普及が遅れる懸念があり、生産を分散して本格的な普及を目指す。

HVは日本ではエコカー補助金などの効果もあって販売が新車全体の2割に達している。だが日本以外での普及は遅れていた。

トヨタは世界の自動車市場で1、2位の中・米を押さえ、低公害ディーゼル車などでシェアを伸ばす欧米や韓国勢への巻き返しに出る。

米国では次期型プリウスを発売する15年前後に生産を始め、日本からの輸出から現地生産に順次切り替える。昨年秋に稼働したミシシッピ工場など既存工場を活用する見通し。インバーターなど一部を除き基幹部品も現地で自社生産、または米国に拠点を持つ部品メーカーから調達する。

トヨタは昨年、北米で約14万台のプリウスを販売した。販売の規模では日本の25万台に次いでおり、足元も原油高で環境性能に対する関心の高まりから、前年実績を上回るペースで売れている。だが、円高で採算性は悪化していた。

中国では現地の研究開発拠点でプリウスの基幹部品を開発する。中国政府の認可を得られれば現地メーカーと電池の合弁生産にも乗り出す。

組み立て生産はすでに昨年から合弁会社で始めており、15年前後にはHVの新型車種を生産する方針も打ち出している。基幹部品の現地化もこれに合わせるもよう。現地生産に伴う投資額は米中を合わせ数百億円規模とみられる。

トヨタは11年にHVを63万台販売し、このうち海外での販売は半分弱を占めた。だが、世界最大の自動車市場、中国では低迷している。低迷の一因は価格にあり、現地生産に切り替えて円高などへの抵抗力をつけ、販売の拡大を目指す。

トヨタは先端技術の流出を防ぐため、HVはこれまで国内を中心に生産していた。ただ中国政府は石油などのエネルギー消費を抑える狙いから環境対応車の普及を進める方針を打ち出しており、トヨタはHVを普及する好機と判断した。

トヨタは販売の増加が見込まれる車種の生産は可能な限り需要地に移管する方針を掲げており、HVでもタイでプリウス、英国では小型車「オーリスHV」の組み立てを始めている。今後は欧州、アジアでも基幹部品の現地化を視野に入れる。

HVでは最近、ホンダも自社技術を中国の自動車メーカーに供与する方針を打ち出しており、普及に向けた日本の自動車大手の動きが活発になってきた。』


HVや電気自動車(EV)普及の大きな要因は、二酸化炭素(CO2)排出量と石油消費量の削減効果です。ディーゼルエンジン車と共に、環境対応車と呼ばれています。

このうち、国内自動車メーカーが得意としていますHVやEVは世界最高水準の技術を持っています。

環境対応車としては、HVやEV以外に欧州自動車メーカーが得意とする、燃費性能を高めたディーゼルエンジン車もその存在感を高めてきました。

ディーゼルエンジン車に関しては、国内企業は得意ではなく欧州企業との連携・提携で当該技術の獲得を行っています。

将来、環境対応車は、HV・EVとディーゼルエンジン車で一定シェアを分け合うことになるとみられています。その先には燃料電池自動車(搭載した燃料電池から水素又は改質水素を燃料とし、空気中の酸素を反応させて発電して電動機を駆動する)の普及が予想されています。

国内自動車メーカーは、当然のごとく、HVやEVの普及を加速させる必要があり、将来の環境対応車市場で主導権をとり、世界市場で大きく売り上げを伸ばす事業展開を行いますし、行う必要があります。

HVやEVの販売数量が増えればさらに新規開発投資が行われ、技術革新を継続的に行うことが出来る事業環境が作れます。

CO2排出量と石油消費量の削減に貢献しながら、HVやEVを売りまくる事業環境を作ることがとても重要です。

当面、重点市場となるのが米国と中国です。トヨタのHVは、日本市場以外ではまだ販売数量が米国や中国では伸びていません。

ディーゼルエンジン車への対抗も含めて、二つの巨大市場での早期拡販が必要になっています。今まで、トヨタやホンダなどの国内勢は、HVやEVの最新技術の流出リスクを避けるため、国内生産を中心に行ってきました。

トヨタは国内中心の生産方式を変更して、米国と中国にHVやEVの製造拠点を作って市場開拓を本格化させる姿勢を明確に打ち出しました。

米国では、環境対応車への関心が高まっています。トヨタが米国内生産を本格化させ、価格競争力を高めていけば、環境に関心が高いカリフォルニア州などから、HVやEVの販売が活性化する可能性が高いとみています。

中国の場合、トヨタやホンダは、現地生産などの対応が遅れ欧米自動車メーカーや日産自などに売り上げ台数で差をつけられていました。

中国政府は、環境対応車の国内業界への技術移転を強く望んでおり、HVやEVの開発・製造拠点の設置を優先して認可する姿勢を明確化しています。

トヨタのHVの中国展開は、中国政府の要求に合せたものになっており、現地生産化でHVの普及を促進する狙いです。

HVの最新技術の流出リスクはありますが、中国や新興国市場を開拓するためには、現地生産化を行う必要があるのは明確です。国内勢では、日産自が現地生産を先行しており、販売実績を伸ばしています。

ホンダも今後HVの中国生産展開を進めていきます。

現地生産の現場ではHVやEVの技術流出リスクを抑えながら、より高度化した技術開発を国内で行っていく柔軟、かつ、したたかなやり方がより一層重要になります。

国内自動車メーカーの一層の奮起に期待します。頑張れ!

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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