日経記事;"東芝,5割増益3000億円13年3月期発電向設備伸びる"考察 - 各種の事業再生と承継・M&A - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;"東芝,5割増益3000億円13年3月期発電向設備伸びる"考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 事業再生と承継・M&A
  3. 各種の事業再生と承継・M&A
経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月8日付の日経新聞に、『東芝、5割増益の3000億円 13年3月期、発電向け設備伸びる』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東芝の2013年3月期の連結営業利益(米国会計基準)は前期推定比5割増の3000億円程度になる見通しだ。

国内電機メーカーのDRAM事業が全盛だった1990年3月期に記録した最高益(3159億円)に次ぐ水準となる。

国内外の発電向け設備の好調が持続するほか、不振のシステムLSI(大規模集積回路)や薄型テレビ事業の採算が改善する。

欧州債務問題への懸念で足元では円高が進んでいるが、東芝は為替レートを前期の平均(1ドル=約79円、1ユーロ=約110円)よりも円高で想定するとみられる。コスト削減やM&Aなどを通じて収益体質が改善している。

売上高は小幅に増えて6兆4000億円程度に達する見通し。昨年7月に買収したスイスのランディス・ギアが年間を通じて売り上げに貢献する。主力の火力発電所向け設備や送配電網向け設備も好調が続く。

今年6月にも子会社の東芝テックが米IBMから取得するPOS(販売時点情報管理)事業も増収に寄与する。

半導体事業では主力のNAND型フラッシュメモリーがスマートフォン(高機能携帯電話)向けの需要増で堅調に推移する。

システムLSI事業では今年9月末までに大分工場(大分市)の生産能力を削減するなど構造改革を実施して収益を改善する。

国内需要の急減で不振に陥った液晶テレビ事業は在庫管理の徹底で改善を目指す。

法人税率改正に伴う繰り延べ税金資産取り崩しの影響が消えるため、今期の純利益は過去最高だった11年3月期(1378億円)に近づきそうだ。』

東芝や日立は、国内電機メーカーの中でいち早く、「集中と選択」に取り組み始めました。今回の記事は、東芝の業績が、今まで行ってきた活動の結果として反映され始めていることを示しています。

東芝は、エネルギーや環境関連を核にした、システム・エネルギー・社会インフラ事業を中核にすることを明確化しました。

その象徴的な動きの一つとして表れたのが、昨年7月にスマートグリッドの中核技術を持つスイスの「ランディス・ギア」の買収です。

東芝は日本を代表する総合電機メーカーの一つですので、家電商品も扱っています。どの国内電機メーカーも液晶テレビで赤字を出す中、大きな投資を行わないで市場縮小に対応した在庫管理で大幅な収益悪化を避けたようです。

半導体事業では、事業の軸となっているスマホ向けNAND型フラッシュメモリーが好調とのこと。エルピーダの経営破たん後、東芝は他社と組んで経営支援企業として名乗り出まました。理由は東芝の顧客がNAND型フラッシュメモリーと共に、エルピーダが扱っているDRAM購入を希望することが多いためとされました。

韓国サムスンがNAND型フラッシュメモリーとDRAMを扱って、顧客要求を満たしやすい状況にありますので、東芝も同じような事業環境構築を考えたようです。

結局、東芝はエルピーダの支援企業になりませんでした。これは東芝にとって良いことであったとみています。

東芝は、半導体事業をどう扱うか未だ軸が定まっていないように見受けられます。集中と選択はまだ道半ばとの印象を持っています。

東芝が扱っている事業分野は、AVデジタル機器(パソコン、タブレット、テレビ、ブルーレイディスクレコーダーなど)、生活家電(冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、エアコン、照明、電池など)、半導体・電子デバイス・ストレージプロダクツ(半導体、SSD、HDD、二次電池、電子部品・材料など)、システム・エネルギー・社会インフラ(原子力発電、電力システム、産業用システム・製品、ITソリューション、医用機器など)と多岐にわたります。

集中と選択を行う目的は、自社のコア事業領域を再定義し、選んだ事業領域では徹底的な差別化・差異化でナンバーワンになることです。最低でもナンバーツーくらいのポジションを確保することが非常に重要です。

少なくとも、中小企業の場合は専門領域に特化しないと勝ち残れません。大手企業の場合は余裕がありますので、短期間にやらなくても倒産するリスクは小さいです。

しかし、大手企業といえども、何期も赤字を出し続けながら事業継続を行うことは困難です。現在の国内電機メーカーは、競争力を持った世界企業との激しい競争の真っただ中にあり、中途半端な経営は命取りになる可能性があります。

現在の東芝の強みは、上記事業分の中でシステム・エネルギー・社会インフラにあることは明確です。

東芝が、他の3事業分野で持つ強みを最大化する施策の明確化と早期実行を強く期待します。東芝や日立は、上記しました様に国内電機メーカーの中では、集中と選択を先行して行っており、その成果は経営業績に表れつつあります。

しかし、海外の競合メーカーの中ではまだまだ盤石な経営状況ではありません。両社にはより先鋭化した集中と選択で、コア事業分野ではナンバーワンになり、他社を圧倒する強い姿を期待します。

パナソニック、ソニーやシャープなどの他の大手電機メーカーや中小企業の先行事例となることを期待しています。

今後とも東芝や日立の動きを注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム