この画像で、一番上に乗っているのは、木造住宅の基礎です。一番下に見えている直線は木造住宅の屋根です。つまりこの家は根こそぎ浮き上がって転倒しています。
見えている窓は二階の窓で上下が逆です。一階は原型を留めていません。
木造住宅の重量は平均で40トン前後あります。その重量を軽々と持ち上げる力が竜巻にはあるのです。日本の建築技術では津波同様、耐え得る手立てがありません。
幸い竜巻はごく局地的にしか発生しませんので、台風や地震に比べ被害は限定的です。警報が出たら家を守る事は諦めて命を守る事に専念することです。
ここ数年、日本でもアメリカ並みの竜巻被害が起こるようになりました。竜巻はスーパーセルと云う巨大な積乱雲が発生したときに起こる可能性が高くなります。真夏のイメージがある積乱雲ですが昨日の様に、地表面と上層部の大気の温度差が激しい時の方が危険だと云えます。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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