雇用保険というと、失業した場合に生活補填の意味合いで支給される、いわゆる「失業保険」というイメージがなお根強いのですが、現在では、さらに一歩踏み込んで、在職中であっても高齢者となったり、育児や介護が必要となったりすれば一定の給付を受けることができることになっています。 これを、「雇用継続給付」といいます。
雇用継続給付には、60歳に達した者が60歳時の賃金月額よりも一定率減額されたような場合に支給される「高年齢雇用継続給付」のほか、育児・介護を要する者を対象に、「育児休業給付」、「介護休業給付」があります。また、専門学校等のCMで知られている「教育訓練給付」というものがあります。
さて、雇用保険料は月額給与の総支給額に保険料率を乗じることで算出されるため、給与額が変われば雇用保険料も毎月変動するようなことも生じることがあります。
この保険料率は、事業の種類によって異なっていて、一般の事業では1000分の15、農林水産畜業や清酒の製造業などは1000分の17、建設業などでは1000分の18とされています。
労使の負担割合は、一般の事業を例にすると、被保険者負担分は1000分の6。事業主は1000分の9で被保険者よりも負担額は多くなっています。
これは、雇用安定事業および能力開発事業に利用されていて、それらは、主に労働者の失業の予防や能力の開発などを目的としています。
とりわけ、興味深いものは助成金制度です。あまり周知されていないことや、手続きが煩わしいことなどから利用実績は予算に遠く及ばないのが現状です。助成金の原資は事業主が納付する雇用保険料ですから、保険料を少しでも取り返す意味でも積極的に活用すべきでしょう。