ご覧になった方もたくさんいらっしゃると思いますが、先日放送されたテレビ番組で、日本マクドナルドCEOの原田泳幸氏が、「座右の銘はないし、尊敬する人もいない」とおっしゃっていました。
「あっ・・・自分と同じ・・・。」と思ってしまいました。「どんな人にもいいところと悪いところがある。この人のここは好きというのはあるけど、だからといってその人の全部が尊敬できるわけでは無い」という理由も同じでした。
でも私は今まで「座右の銘は?」「尊敬する人は?」と聞かれると、それなりに答えていました。“無い”、“いない”というのが恥ずかしいことのように思っていたからです。(世の中で認められている人や偉いと言われる人は、皆さん必ず何かおっしゃいますし・・・。)
「尊敬する人」がいないというのは、“全面的に他人に依存ずるのはイヤ”という自分の性格のせいもあります。そうは言いながらも、「“この人について行こう!”と思う人に出会えればなぁ・・・」とか「“師匠”と呼べる人がいればなぁ・・・」などと思うこともありました。「尊敬する人ぐらいいた方がいいよなぁ」と漠然と思っていました。
それを原田さんのように、能力があって実績も認められた方が、「座右の銘はない」「尊敬する人はいない」とおっしゃったので、すごく新鮮で、なおかつ安心してしまいました。
私は「尊敬する人」はいなくても、「この人のここを尊敬している」というところはいっぱいあります。また、100%尊敬できる人はいない代わりに、絶対に会いたくない人、大嫌いで顔も見たくない人、100%全面的に嫌だという人もいません。もちろんあまり好きになれない人も苦手な人もいますが、良いところを一つも感じられない人には出会ったことがないからです。
結局は、自分が相手に対して、好きな所や共感する所や認めている所と、嫌な所や考えが違う所や直して欲しい所の、それぞれの比率がどうかということであって、前者の比率が100%の人はいないというだけのことです。逆にそのおかげで、いろんな人とストレスなく接する事ができているように思います。
原田さんのおかげで、「尊敬する人がいないのも悪い事ばかりではない」と思うようになりました。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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