日経記事;"ホンダ、ハイブリッド技術を中国企業に供与"考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;"ホンダ、ハイブリッド技術を中国企業に供与"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月22日付日経新聞に、『ホンダ、ハイブリッド技術を中国企業に供与 エコカー普及主導』
のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ホンダはハイブリッド車(HV)の基幹技術を中国の自動車メーカーに供与する。合弁事業で組む東風汽車(湖北省)のほか幅広いメーカーを対象に供与先を検討。

現地メーカーがHVに参入するのを促し、世界最大の自動車市場で普及を目指す。エネルギー消費国としても最大の中国は政府がエコカーの普及を進める計画を打ち出している。ホンダはHVを軸に中国で先行する米欧勢への巻き返しを狙う。

日本車メーカーではトヨタ自動車が中国でHVの生産のほか、電池など基幹部品の生産も始める見通し。エコカーで世界の二大メーカーが中国戦略を本格化することで、日米などにとどまっているHVの普及に拍車がかかる可能性が出てきた。

ホンダは「IMA」と呼ぶ独自のHVシステムを展開する。エンジンによる走行を主体とし、発進・加速時にモーターがエンジンの動力を補う簡素な仕組みだ。ガソリン車にモーターと電池を追加するだけで済むため、軽量、低コストで燃費性能を向上させられる。

IMAはHVの専用車「インサイト」を皮切りにセダンの「シビック」「アコード」、小型車「フィット」などに搭載している。販売実績は日米欧を中心に累計で80万台以上。生産はすべて日本でしている。

これまでは技術流出を懸念し競争力を左右する先端技術を他社に供与することに慎重だった。だが「HVを中国で本格的に普及させるには技術を使ってもらうのが有効」(ホンダ幹部)との方針に転換。

世界最大市場となった中国の企業に有償で技術供与を始める。供与先は今後探るが、まずは東風汽車や広州汽車(広東省)など合弁での提携先が候補となりそう。

HVはトヨタ自動車も量産しているが、駆動する際のシステムは違う。トヨタ式はエンジンとモーターを効果的に使い分ける仕組みで複雑。コストもかさみ中国メーカーが生産するのは難しいとされる。

一方、ホンダのHVシステムは簡易型で「対価などの条件次第で手を挙げる企業はある」(中国自動車メーカー関係者)との見方が多い。

HVは2011年に国内で約45万台が販売されたが中国では割高なことから普及が遅れている。トヨタの中国での販売台数は推定1000台超、ホンダはシビックハイブリッド4台だった。

しかし、中国は自動車の普及などで09年に米国を抜き世界最大のエネルギー消費国になった。足元は経済成長が減速しているが、自動車の保有台数は20年に1億6000万台と09年実績の約3倍に達し石油が大幅に不足する事態が予想される。エコカーへの転換が加速する可能性は高い。

中国政府は18日に次世代エコカーの発展計画を発表、HVなどの普及に力を入れると表明した。市場は今後、本格的に立ち上がる見通しで、ホンダは現地メーカーにIMAを広く搭載してもらい市場の創出を主導する。

ホンダの11年の中国での新車販売台数は前年比5%減の約62万台。中国全体の販売台数が1851万台と2.5%増える中、苦戦が目立った。』


中国の乗用車市場は、現在のところ、生産台数が市場需要を上回る過剰状態にあります。中国の乗用車メーカーは他産業のメーカーと同様に、大量に作り廉価で市場に出してシェアを確保する傾向が強いためです。

その結果、現地メーカーは赤字に陥ります。中国市場は、現時点で減速傾向が明確に出ており乗用車市場でも販売台数が低迷しています。

中国政府は、過剰生産の状態を調整するため、外資メーカーの新規生産を規制し始めました。

一方、短期間に市場が拡大した乗用車により、国内のガソリン消費量は飛躍的に増えています。石油の輸入量を抑える必要があるため、燃費効率の良い乗用車開発が必要となっています。

中国では、HVや電気自動車(EV)の技術がまだ確立されておらず、中国政府は外資メーカーに環境技術の供与を要求してきました。

このような背景から、中国政府は外資メーカーによるガソリンエンジン車の新規生産申請には慎重な対応を行いながら、環境対応車の生産申請は積極的に認可する姿勢を持っています。

例えば、4月21日付の日経新聞に、富士重工業が中国で計画している乗用車の合弁工場について、2013年からの生産開始を断念したと報じられました。

中国政府の認可が下りないためです。富士重工業はHVやEVの技術を持っていないため、中国政府は認可しなかったと推測されます。

片一方、日産自は20日に「インフィニティ」に関して2014年から中国で現地生産することを発表しました。日産自は国内メーカーの中で、中国への現地化が一番進んでいる企業であり、販売台数でもナンバーワンの座を確保しています。

日産自は、EVの技術も持っており、世界市場で販売している実績があります。中国政府の対応が富士重工業と日産自に対して異なったのは、HVやEVの技術の有無に一因があるとみれます。

ホンダの場合、今までHVの技術供与だけでなく、中国生産についても日産自やトヨタに比べて消極的でした。

結果として、ホンダは中国市場で日産自やトヨタに遅れを取って販売数量が伸びない事態に直面しています。トヨタの場合、日産自に比べて遅れていましたが、昨年来から中国での国内生産を強化したり、HV技術の供与など積極策を取り始め、中国市場での巻き返しを開始しています。

ホンダは世界最大市場となった中国の乗用車売上の拡大を目指すため、HV技術の供与と現地生産化を決めました。

ホンダの企業文化を考慮しますと、かなり内部で色々な議論・検討を行って今回の新方針を決めたとみています。

ホンダは、供与するHV技術の内容や供与の仕方など、慎重に工夫しながら実行していくと予想します。これは、日産自やトヨタも同じはずです。

中国は貪欲に最新技術の導入を目指していますので、中国市場での販売拡大と技術供与・開示のバランスを取りながら各社は実行していくはずです。

国内中小企業も同じです。中国市場に進出する時は、自社のコア技術の扱いについて、賢く且つ柔軟に対応しながら事業展開することが重要です。日産自、トヨタ、ホンダの動きは参考事例の一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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