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日経記事;"中国の通販サイト閉鎖へ楽天,百度との提携解消も"考察

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皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月21日付の日経新聞に、『中国の通販サイト閉鎖へ、楽天、百度との提携解消も』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『楽天は20日、中国のインターネット検索大手、百度(バイドゥ)との合弁企業を通じて運営していた中国本土の仮想商店街を5月末に閉鎖すると発表した。中国では知名度を上げあれなかった。

楽天は仮想商店街事業でグローバル化を進め、9カ国・地域に参入済みだが、海外の進出先でサービスを停止するのは初めて。百度との提携も解消する方向とみられる。

打ち切りを決めたのは、2010年10月にサービスを始めた中国の通販サイト「楽酷天(楽天)」。数千以上の加盟店を集めたが、売り上げが伸び悩んだ。

中国ではネット通販サイトが乱立し、加盟店が仕入れ価格を下回る販売価格で売らざるを得ない状況が続いているという。

楽天は10年に共同出資で設立した百度との合弁会社を当面維持するとしているが、中国での仮想商店街事業の枠組みについて抜本的に見直し、自前での再参入を検討する。

北京に置く開発拠点や旅行予約サイトの運営は従来通り続ける。

中国の電子商取引(EC)市場は高成長を続けているが、首位のアリババ・グループが運営する「淘宝網(タオバオ)」がシェア8割を握る。

楽天は国内では仮想商店街の「楽天市場」が11年に年間流通総額で1兆円の大台を超えるなど拡大を続けるが、海外事業は伸び悩んでいる。

百度との合弁事業には累計で約8億6000万円を投じており、12年1~3月期決算で子会社株や固定資産の減損処理を実施する。』


市場が急拡大している国や地域では、後発参入企業も一定程度の品質・機能・仕様・価格を持った商品やサービスを提供出来れば、ある程度のシェアと売上確保が出来る場合が多いです。

しかし、中国のネット関連市場は、事情は異なるようです。検索事業では、世界市場で圧倒的なシェアを持つグーグルが、中国のインターネット検索事業から撤退しました。中国政府とのあつれきも要因の一つですが、最大の原因は中国国内最大手の百度との競争に勝てなかったこととみます。

中国のネット通販市場の状況をみてみると以下のことが判ります。参考情報は、経済産業省が2011年2月に発表しました「平成22年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」から抜粋しています。

この調査結果からみる中国のネット通販市場の特徴は以下の通りです。

・2010年末現在、ネットユーザーの規模は4億5,730万人に達している。同国人口に占めるネット利用率は34.3%に上昇し、前年に比べ5.4ポイント上昇。右上に関連したグラフを表示。

・ネットにおける代表的な娯楽系アプリケーションである音楽配信、ゲーム、動画の利用率が、前年度に比べ、それぞれ4.2ポイント、2.4ポイント、0.4ポイント減少している一方で、消費者向けECの利用率は前年度の28.1%から7ポイント増加し、35.1%に達している。

・2010年における消費者向けEC市場規模は、対前年比89.4%の成長を遂げ、4,980億人民元(1元/13円で換算すると、約6.5兆円)に達した。これは、同国の社会消費財小売総額の3.2%を占めている。中国消費者向けEC市場は今後も成長を継続し、2012年の時点で、社会消費財小売総額の5%を超過すると予測、と急拡大中。右上に関連したグラフを表示。

・品目別のEC購入経験者の割合(過去1年間における当該品目購入者数の、EC利用者数に対するに対する割合)をみると、最も大きいのは衣料・アクセサリーの72.7%。次いで雑誌・書籍(電子書籍のダウンロードは含まない)の61.3%、食料、飲料、酒類の48.0%、雑貨、玩具、インテリアの43.0%が続く。

・従来、食料、飲料、酒類の購入率は低かったが、2010年、急激にECによる購入が拡大。
食品の安全・安心への関心が高まっているといわれており、様々な情報を確認してから購入することが可能なECが拡大したと予想。

・1人当たりの年間EC利用金額をみると、3,000人民元(39000円)以上5,000人民元(65000円)未満が最も多く15.5%であった。次いで5,000人民元(65000円)以上10,000人民元(13万円)未満が14.8%、2,000人民元(26000円)以上3,000人民元(39000円)未満が10.3%となっている。

・ECを利用する理由は、、実店舗で買うより価格が安いとの回答であり75.5%。次いで、店舗までの移動時間、営業時間を気にせずに買い物ができるとの回答が63.3%、検索機能などにより、購入したい商品を探しやすいからとの回答が44.0%と続く。

・現在EC上では、低価格キャンペーンが盛んに行われており、店舗での販売額よりも、相当低価格で販売されているケースが多いという。アンケート調査の結果で、実店舗より安いという理由が最上位に来るのは、これらキャンペーンの影響が大きい可能性もある。

⇒このことは、記事にあります「中国ではネット通販サイトが乱立し、加盟店が仕入れ価格を下回る販売価格で売らざるを得ない状況が続いている」と関連があるとみます。

・消費者の認知媒体としては、テレビ広告、雑誌広告、屋外広告、インターネット、口コミサイトの評判、ブログ、ラジオ、さらには他人からの口コミ風評、店舗の販売員の説明等、多様な媒体がある。

日本の場合は、認知媒体はネット広告が最も多くであり、次いで検索エンジンによる検索結果、TV広告が続くので、中国の方が多様な情報源から情報収集している。

・ECサイトの選択に関しては、価格が安いという回答が最多で、5割を超えている。次いでセキュリティ対策が行われていること、送料がかからない/安い/割引になることが続く。

また、購入者の評価コメント、レビューコメント等を表示する機能が設けられていること、大手のサイトである/有名なサイトであること、商品数が豊富であることなどがECサイトの選択要因になっている。

大手のECサイトに対する信頼感は高く、楽天が淘宝網の市場を奪えなかった要因の一つになります。

詳細は、上記電子商取引に関する市場調査をみて下さい。この調査結果からみますと、楽天が中国市場に単独で再参入するには、顧客の支持をを得て急速にシェアを伸ばすやり方を考え、実行しないと難しいと判断します。

楽天の次の一手に期待し注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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