相続税では民訴の知識も必要かも・・・ - 遺産相続全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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対象:遺産相続

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相続税では民訴の知識も必要かも・・・

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昨日の角田先生のご講演は、いい意味で期待を外した。

期待していた以上に役立つ角田先生のノウハウが満載された

素晴らしい発表でした。

 

現在係争中の訴訟を例にとり、先行判例を参考にして、

遺産の範囲をどのように確定していくべきなのか、実に緻密に、

裁判まで発展しても対応可能な考え方をレクチャーして頂いた。

 

多くの税理士は、税務の専門家として、税務会計を処理するのみで、

税法の専門家として対応されている方は少数派かもしれません。

一方、法律の専門家たる弁護士は、税法が法律であるにもかかわらず、

詳しくない方が圧倒的に多いのが実情です。

最高裁平成17年7月5日判決、宮岡事件(夫弁護士妻税理士事件)の

原告であった宮岡弁護士も、事件のきっかけになった事例の頃には

税法に詳しくなく、奥様も手続法には詳しくなかったそうです。

今では奥様はもとより、宮岡弁護士も日本税法学会の理事を務め、

税法のプロ中のプロになられましたが。

 

そういう現実や、きたるべき相続税法大改正を前に、

相続事案における訴訟が多発するリスクは避けられません。

 

我々税理士の多くは民事訴訟法を学んでおらず、

リーガルマインドの醸成もできていないだけに、

税務訴訟に二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、税理士賠償訴訟事件の動向を見ていると、我々自身が

訴訟にも対応し、学ぶことこそがリスクヘッジになると思えます。

 

相続の場面では、遺言を作っておけば争族になりにくい、という

俗説があるようですが、昨日の角田先生の話では、

遺言があればもめる可能性が高い、と感じるそうです。

 

確かに相続人全員が存在を了解し、内容も理解している遺言ならば、

生前の対策により、死後の争族を防ぐ効果は大きいでしょう。

しかし、一部の相続人のみが有利になる遺言が突然出てくるケースが

多いように思います。

不利になる相続人から異論が出てくるのが当然と思います。

判例が多いことからも、遺言の内容を巡っての争いが多いことが

容易に想像できますね。

 

ただ、税理士は相続税の専門家であっても、

民法(相続法)の専門家ではありません。

民法の理屈で考えてくる裁判官と意識のズレがあることを踏まえて、

遺産分割協議のアドバイスをするべきでしょうし、

相続税申告を行うべきではないでしょうか。

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