日経記事;"車部品、メキシコに新工場 河西工業やタチエス"考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;"車部品、メキシコに新工場 河西工業やタチエス"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
 
4月19日付の日経新聞に、『車部品、メキシコに新工場 河西工業やタチエス 日産の増産投資に対応』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主なな内容は以下の通りです。


『自動車部品メーカーがメキシコへの投資を増やす。河西工業は2013年秋にもスペイン企業と合弁で内装部品の生産を始める。タチエスはシート工場、ヨロズはサスペンション部品の新工場を同年中に稼働させる。

メキシコでは日産自動車など完成車メーカーの増産投資が活発。部品メーカーの投資もそれに合わせて急速に拡大しており、メキシコが裾野の広い自動車産業の集積地になりつつある。

メキシコは米国、カナダをはじめ、40カ国以上と自由貿易協定(FTA)を結ぶ。人件費も米国と比べて大幅に安いことから日産のほか、ホンダ、マツダ、米フォード・モーターなどがメキシコを米国、南米への供給基地と位置づけ、積極的に投資している。

河西はグアナファト州でスペインの自動車部品大手グルポアントリンイラウサと折半出資でドアトリムなどの生産を始める。投資額は20億~30億円。

新工場が稼働すればメキシコでの生産能力は5割増える。グルポ社は独フォルクスワーゲン(VW)など欧州自動車大手が主要な取引先。天井トリムなどに強く、河西とは顧客や製品で相互補完できると判断した。

タチエスはアグアスカリエンテス州で新工場の立地選定を始めた。投資額は最大100億円程度。シートのフレーム(骨格)を製造する専用ラインとフレームにカバーなどを合わせる組み立てラインを建設する。フレーム用ラインは年100万台、組み立てラインは同40万台の能力になる見通し。13年秋から段階的に稼働させる。

ヨロズも13年秋をメドにグアナファト州で新工場を稼働させる。総投資額は約50億円。メキシコ国内の工場は2拠点目。商社や現地企業などにも出資を呼びかける。

3社はいずれも日産との取引が多い。日産は昨年、中国や南米などの新興国市場で現地生産を拡大する方針を表明した。メキシコでは13年後半以降、アグアスカリエンテス州で年産能力60万台の新工場を稼働する。

これにより既存工場を含めたメキシコ国内の生産能力は、日本国内を超える約130万台に増える見通しだ。』

記事によると、日・欧・米の主要自動車メーカーは以下のようにメキシコに投資するとのこと。

・日産;2013年後半以降に年産60万台の新工場を稼働
・ホンダ;2014年に年産20万台の新工場を稼働
・マツダ;2013年に年産14万台の新工場を稼働
・米フォード・モーター;既存工場で13億ドル(約1060億円)の改装投資工事
・独フォルクスワーゲン(VW);2013年に新たなエンジン工場を稼働

メキシコは、米国やカナダを含む北米、南米地域など40カ国以上とFTAを結んでおり、自動車だけでなく各種製造企業が工場進出しています。

日産、ホンダ、マツダなどの国内自動車メーカーも、米国や新興国向けの市場に対する輸出拠点として位置づけて上記のように積極的に投資しています。

最近では、FTAに加盟しているブラジルが自国産業保護のため、メキシコからの輸入に対し制限をかけるとして問題になっています。

ブラジルのような個別問題は今後も出てきますが、FTAやTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)などに加わると域内の貿易や取引に関する関税などが撤廃されるか、かなり低くなることから、域内事業が活性化し市場が大きくなる効果が期待できます。

域内の企業にとっては、多くの海外企業との競争にさらされますので、当然競争は激化します。その競争下で、自社の強みを最大化して、差別化・差異化を図れば勝ち残れますので、新規事業機会を拡大した市場で獲得できます。

現時点でみますと、メキシコは各企業から最適な投資先の一つとして判断されており、外資の導入に成功しています。

関税などの制約条件をなくすか低くして、40カ国と取引する国の強みが出ています。勿論、農業やサービス業の国内産業への打撃など、マイナス面もあります。

しかし、FTAやTPPによる大きな市場で企業が他社と同じ条件化の土俵で戦えるのは、合理的であり差別化・差異化も発揮しやすいことです。各自動車メーカーがメキシコに投資するのは極めて合理的です。

中小企業の海外進出の課題と対応

中小企業が海外進出する時の理由の一つに、現取引先が工場移管したり、上記日産のように新工場を稼働するなどがあります。

このまま国内に残っていても注文数量が極端に落ち込んだり、新規顧客の開拓が難しいと判断して、海外進出を決める企業が多いのは、中小企業庁が毎年発行しています「中小企業白書」にも記載されています。

海外進出後の多くの中小企業が直面するのは、集客や販路開拓です。進出当初取引のあった企業からの注文がなくなったり、取引先が倒産するなどの事態が起こるためです。

従いまして、中小企業が海外進出する前に進出先の市場状況、潜在顧客の有無、販売会社や代理店などの有無や状況などを詳細に調査・確認して、必要な事前準備(行動計画の作成など)を行うことが非常に大事です。

例えば、上記記事に出てきます河西工業は、日産との取引が多い企業ですが、メキシコへの進出は、スペインの自動車部品大手グルポアントリンイラウサと折半出資して新工場を立上げています。

グルポ社は独VWなど欧州自動車大手が主要な取引先でありますので、河西工業は日産だけでなく欧州企業も顧客にするやり方でリスクを低くしています。

河西のやり方は賢く、海外進出を考える中小企業にとって参考になります。進出済みの国内企業がどのような方法で現地で事業しているのか調査することも情報収集の観点から有効な方法の一つです。

中小企業は、このように周到に創意工夫しながらリスクを低くして海外進出を行うことが成功要因の一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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