グローバルJAPAN-2050年シュミレーションと総合戦略- - 税務全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
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グローバルJAPAN-2050年シュミレーションと総合戦略-

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日本経団連21世紀政策研究所は、16日、

グローバルJAPAN―2050年シュミレーションと総合戦略―

を発表した。http://www.21ppi.org/pdf/thesis/120416.pdf

この内容が、ある意味衝撃的な日本経済衰退シナリオだった。

 

ただ、経団連は、危機を煽るために発表したのではなく、

「わが国が置かれた状況を虚心坦懐に直視した上で、山積する諸課題の

解決に国を挙げて取り組む必要がある」が、

「危機克服のチャンスは目の前にある」からこそ発表したのだろう。

「振り返れば、われわれの先人は、明治以来幾多の危機に直面し、

これを乗り越えてきた」のだから。

 

この提言は、次の4つのシナリオを仮定している。

1.基本1 生産性上昇率が先進国平均並みの1.2%(GDP成長率

0.8%に相当)に回復

2.基本2 生産性上昇率が2050年まで、1991年から2010年の

平均値である0.5%(GDP成長率0.3%に相当)に留まる

3.悲観シナリオ 基本1からGDP成長率1%ポイント低下

(生産性上昇率1.5%ポイントに相当)と想定

(つまり、マイナス成長を想定しているということです。)

4.労働力率改善シナリオ 日本の女性労働力率が2020年から

2040年にかけてスウェーデン並みに向上すると想定

例 40~44歳女性労働力率 2020年72.5% → 2040年90.5%

 

この4つのシナリオの中で一番ましなシナリオが4で、

それでも、2001~2010年の実質GDP成長率が1.12%であるところ、

2011~2020年0.43%、2021~2030年0.41%と成長率が低下し、

2031~2040年-0.17%、2041~2050年-0.46%とマイナス成長となる。

悲観シナリオに至っては、2011~2020年ですでにマイナス成長である。

 

いずれのシナリオにおいても、日本経済はマイナス成長に落ちてしまうと

想定されるのは、急激な少子化の影響が避けられないからであろう。

少子化の進展により、人口が減少すれば、投資も減少するし、

何よりも消費者が減っていくことになる。

これが日本経済の活力を奪っていくことになりかねないのだろう。

 

一人当たりGDPも、いずれのシナリオもランクを落とし、

韓国に抜かれてアジア4位に転落すると予想されている。

衝撃的なのは、悲観シナリオでは2050年にはギリシアにさえ

抜かれているということだ。

 

アジアの時代となる21世紀の主役が中国になると言われて久しいが、

その周辺の技術立国の代表がわが国ではなく韓国になる可能性が高いと

見られるだけではなく、ギリシアより悪くなるかもしれないのだ。

 

しかし、このような困難な課題に対して、14の提言が掲げられている。

・女性と高齢者の労働参加、生涯を通した人材力強化を促進せよ

・環境変化に対応した新たな人材を育成せよ

・教育現場の創意工夫と公的支援強化で抜本的な教育改革を実施せよ

・中国などアジア新興国の成長を取り込め

・日本の強みを活かした成長フロンティアを開拓せよ

・「ポスト3.11」のエネルギー成約を総合的に解決せよ

・財政健全化は先送りせず、政府方針を守れ

・若者の信頼を回復し、安心で持続可能な社会保障制度を確立せよ

・高齢社会に対応した社会システムを地域主体で変革せよ

・所得格差・貧困問題は就業促進と所得再分配で緩和せよ

・国と地方の役割分担を見直せ

・「ルールに基づいた開かれた国際秩序」を維持せよ

・「安定し、繁栄するアジア」を強化せよ

・日本は「自助」と「共助」で安全保障を確保せよ

 

具体的な中身は、原文に当たって頂きたいところですが、

平成維新(別に他意はありませんが・・・)とでも言いたくなる

抜本的な社会構造の変革が必要になっているようです。

しかし、そうしなければわが国の繁栄を守り、国際社会の中で

生き残れないのであれば、断腸の思いで改革を成し遂げる以外にない。

 

我々国民1人1人が自分の足で立ち、前に進まなければ何も始まらない。

座して死を待つより、前を向いて生きていきたいものだ。

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