例えば、こんなケース
1、病気や事故で昏睡状態や寝たきりとなり、本人が請求の意思表示ができない。
2、がんであることや、余命6ヶ月以内であることを本人が医師から告知されていない。
などの場合、本人が保険会社に請求することは不可能です。
もし「指定代理請求」の特約を付加しない場合は、いくら保険に加入していても保険金が受け取れないという事態が発生します。
この制度、実は一般的にはまだ認知されていないのが実情です。
大手生保の場合、代理人を指定している契約はまだ2割ほど(アメリカン・ファミリーやオリックス生命などは、代理人をあらかじめ指定しなくても、一定の範囲内で代理請求ができるしくみを採用しています。
この制度ができたのが1992年。
がん、心筋梗塞、脳卒中に対して保険金がおろされる「三大疾病保障保険」や余命6ヶ月の診断で保険金がおろされる「リビングニーズ特約」などの生前給付型の商品が発売されたのがきっかけ。
非常に問題なのは、1992年以前に加入している保険については、「指定代理請求」の特約は付加されていません。
また、高度障害保険金については「指定代理請求」の制度自体がまだ導入されていない保険会社も存在します。
では保険契約者はどうすればいいのか。
・代理人を指定していない場合、民法上の「成年後見制度」を利用する
・未然に防ぐ方法としては、加入している保険証券を確認して、もし「指定代理請求」の特約が付加 されていない場合は、担当者や保険会社に連絡して、この特約を付加してもらう(保険料は無料)
・代理請求を指定した配偶者などには、必ずその事実を説明しておくこと
・指定代理請求権者が死亡していたり、離婚してしまった場合などは、必ず変更の依頼をかける